表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
214/405

第214話 あばよ涙、ヨロシク正義で有名な?


「あっしの名前は人造人間ワシャーンなんでヤンス!」


「タニシ・オガワ、じゃなかったっけ? それとも人違い? でも匂いはおんなじなんだけどなぁ?」


「ギクギク、ギクゥーーーッ!!??」



 速攻で正体がバレたのアリエンヌ! 謎の人造人間で通すつもりが最初で最後の大ピンチで最終回を迎えそうな感じになったでヤンス! なんとかしないとイベントフラグがバッキバキにへし折れるでヤンスな!



「なんか物凄いマズいことが起きたようなリアクションになってるけど大丈夫?」


「だ、だ、だ、大丈ブイっ!!」


「大丈? ブイ?」


「ようするにOK牧場って意味でヤンス!」


「??、!!??、?」



 あああ! 意味がイマイチ通じてない感じ! 二人共、頭の中に”?”がいっぱい浮かんでそうに見えるでヤンス! なんとかウマくゴマカシて話を進行しないと、まっくろくろすけにされかねないでヤンス!



「じ、実は一般人に紛れ込むためタニシ・オガワという偽名を使って活動してるんでヤンス! 世界連邦警察機構には守秘義務があるんでヤンス!」


「世界連邦警察機構? ナニソレ? 聞いたことない。オガワグループの跡取りなんじゃないの?」


「ギクーッ!? なんで情報が漏れ漏れ、漏れションになってるんでヤンスかぁ!? 秘密要素なのにぃ!?」


「えぇ? でも、だいたいの人が知ってるみたいだけど? アンタ、有名人だし? 勇者の仲間でしょ? オレの仲間も情報集めるのに手間かからなかったって言ってたけどなぁ。」



 個人情報が完璧に身バレしてるでやんしゅ! 情報集めのクオリティが激高でヤンス! 一体ドコの諜報機関? ドコの秘密結社なんでヤンしゅかね? ウッカリ、ウソなんて付いたら即バレして袋叩きになりかねないでヤンス! ワハッ! それ今現在の状態でヤンス! あやや! この後、あっしは袋叩きにタヌキーヌにされかねないでヤンしゅ! フクロ犬っ!



「実はあっし、もう一つの顔がありまして……世界刑事ギョバーンという……、」


「いやいや、そんな面白話はこの辺にしといてさ? オレ、この前の牧場でアンタと話そびれたのが心残りだったんだよ。」


「心の魔法陣で火を付けなくても、いいんでヤンしゅか? あっしは男なんでヤンしゅよ?」


「えぇ? この前、団長さん達が出張してたリゾート地の話? 偽物が出現したってヤツ?」


「そうそう、この人が偽物。この前、ウ❍コまみれになって気絶してたから話そびれちゃったんだよ。」


「あーーーっ!? あぁーーーーーっ!!??」



 あっしの恥ずかしい過去が、黒の歴史が暴露されてしまったでヤンス! いや、でも待てよ? この前って言ってるから、もう既に暴露済み、ネタバレバンザイになってしまってるってこと? イヤーンでヤンス! もう、あっしはウ❍コ漏らし済み同然の状態でヤンス! キョウナちゃんにも既にバレているっ! もう、あっしはおムコにいけないでヤンしゅ……。



「この前は大変だったと思うけど、同じコボルトだし、何かトモダチになれそうな気がしたんだよね。」


「と、と、と、トモダチ!? でも、あっしはウ❍コまみれの偽物でヤンしゅよ?」


「その一方であの時は羊の魔王の手先以外に処刑隊のスパイも紛れ込んでたの知ってる? ホテルの従業員の中に。」


「スパイ? スッパイ? 変装失敗!? 失敗したのはあっしでヤンス!」


「いや、だから、アンタに変装の手助けしたダッフンド族の男がいただろ? アイツ!」



 スミス氏の事? あの人、そういえばそんな風な身バレをこの前の劇場の死闘で暴露してたでヤンスね? 事ある毎に大食いイベントに参加してると思ったら、そういう正体だったからでヤンした! この人達は自力で正体に気付いてたんでヤンスな!



「今もアイツら、アンタ達のこと探ってるよ。この街でもコソコソ動き回ってる。今、ここにも一人紛れ込んでるね。」


「へあっ!? あっしのことでヤンスかぁ!?」


「そうじゃなくて! そこの物陰に一人。オレでさえ気づくのに遅れた。だって、匂いがほとんどしなんだもん。でてこいよ、無味無臭の侵入者さん?」


「バレたのか? 幻術を駆使して隠れていたんだけど、さすがは犬の魔王といったところだね。」



 物陰から姿を現したのは、黒光りする金属の、というかシンプルなデザインの鎧を着たような鉄仮面の男! これは確かあの学院で見た一般兵型の新種ゴーレムだったはずでヤンス! でも胸にはクルセイダーズの剣十字の紋章! このゴーレムの正体は……!



「タニシさん、あなたを助けに来ました。魔王の一味に連れ去られたんで、こっそり後をつけていたんです!」


「も、もしかして、ジム君?」


「そうです!」


「匂いがしなかったのはゴーレムだったからか? しかもタニやんと知り合い? 助けに来たっていうのか? ゴーレム人形が何をしに来たんだ?」


「”鬼”とかいう東洋の魔族が出たっていう噂が流れていたので、上官の指示でパトロールしていたのさ。そしたら君らに出くわした。”鬼”には会えなかったけどね。」


「鬼ごっこのつもりがかくれんぼだなんて、何をしてクルセイダーズは遊んでるのかな?」



 ああ、そうだった! ジム君はクルセイダーズに入隊してたんでヤンス! そしたら、あっしを見つけて助けに来てくれたと! でも、あっしはどっちの味方をすれば……? 


 犬の魔王さんに付いていけばキョウナちゃんと一緒にいれるかもしれないけど、お尋ね者になってしまうでヤンスし、ジム君とも敵対してしまうでヤンス! ジム君にこのまま助けられたらキョウナちゃんに嫌われてしまうかもでヤンス! 究極の選択! ルート選択を間違えたらゲームオーバーまっしぐらでヤンス!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ