第210話 ドジをフンでKONOZAMA
「パチッ!」
目が覚めたでヤンス! え〜とどうしてこうなったんでヤンしたっけ? あ〜、そうそう! あっしの超必殺技があまりにも強力すぎたでヤンスから反動ダメージを負ったんでヤンした! まだ、おマタの傷(?)がうずくでヤンしゅよ!
「パチ? なんか声がしたと思ったら、目が覚めてたんだね?」
「ど、ドキーん!?」
目が覚めたあっしの寝顔をかわいこちゃんがのぞいてキタでヤンしゅ! あっそうだ! レア部族タヌンナキのこの娘を助けようと思って、名誉の負傷を負ったんでヤんした! あまりにも急に可愛い顔が目の前に現れたんでドキッとしたでヤンス! 心臓ばっくばくで股間もずっきずきでヤンしゅ!
「ドキーん、て、擬音を自分で言うんだね? 面白いね!」
「ワは、ワはは、それほどでも〜でヤンス! ちょ、ちょっとでもおぜうさんの笑顔が見たかったもんで、一肌脱いだんでヤンスよ!」
「えぇ〜? でもそんなに無理しちゃダメだよ。怪我したんだし?」
け、怪我っていうか、そんなに心配されたり、笑ってもらえたら、更に名誉の負傷が悪化しかねないでヤンス! というか一肌脱ぎたいじゃなくて、人肌脱がせたくなっちゃうでヤンしゅ!
「あなたのお名前は? 私はキョウナ・ミズノって言うの。」
「あ、あっしは……、」
と、ここであっしはホンミョウを名乗るべきかどうか、迷ったのでありヤンした! タニシ・オガワなんてシワシワなおじいちゃんみたいな古臭いネームじゃ格好がつかないでヤンしゅ! 実際、メダカじいちゃんが付けた名前なんでヤンしゅから!
「じ、じ、じ……、」
「じ?」
(じーーーっ。)
ほうあ! めっちゃ見てる! めっちゃ期待されてる! これでは本当に引っ込みがつかなくなったでヤンしゅ! どうしよう! なんか、パッと聞いてカッコいいなんて思える名前は? え〜と、え〜と……?
「じ、人造人間ワシャーン!! それがあっしの名前でヤンス!」
「ワシャーン!? スゴイ外国って感じの名前!? 強そう!!」
やっちまったでヤンしゅ! 何? 人造人間って? 適当に口を滑らせた結果、謎の存在が誕生してしまったでヤンス! ここまで来たら引き返せないでヤンしゅ! なんかめっちゃ期待の目で見られてるしで、ウソを突き通すしかないんでヤンス!
「え? でも人造人間って何? 誰かに作られたの、あなたは? 悪の組織的な物に?」
「ワ、ワはは、あっしは何を隠そう……改造人間なんでヤンス! 無理やり拉致されて、気付いたときには人造人間に……。コボルトの外見をした新型ゴーレムなんでヤンス!」
「わー、スゴイ!!」
「実は元の外見は超絶イケメンな人間だったんでヤンス!」
なんか適当に口に出してみたら、例の学院ゴーレムすり替え事件の話になってしまったでやんしゅう! 人造人間ていったらアレ、改造っていったらアレのことしか思い浮かばなかったでヤンしゅ! あっしが改造されたのはウソでヤンスけど、実話なのは間違いないでやんしゅよ! ホントウにあった怖い話的な!
「元は悪の組織を暴くために極秘任務を受けたエージェントだったでヤンスけど、任務でドジをフンでKONOZAMA! 改造されたものの命からがら脱出し、現在に至るというワケでヤンしゅ!」
「怖い! そんな怖い悪者がこの世にいるなんて!」
「最強最悪の組織なんでヤンしゅよ! だって人の夢に侵入して刺客を差し向けてくるでヤンしゅ! それがカリカリのデーモンなんでヤンしゅ! この世のゴハンを全てカリカリにしてしまおうと企んでいるんでヤンしゅ!」
あうあうあ! 今度はエルしゃんにかけられた魔法の影響で見た悪夢の話を適当にイジって話してしまったでヤンしゅう! でもホントウに見た悪夢でヤンしゅから、ギリでウソではないと誓えるでヤンしゅ! ホントウに見た怖い夢の話的な!
「全部カリカリに!? 怖い! でも、私、カリカリは好きかも? 特にメンタイっこ味とささらみ〜味は特に!」
「あ、あっしも実は好きでヤンしゅよ! 特にとりやきバーガー味とトンケツしょ〜す味とか!!」
「え!? でも私はその二つは苦手かなぁ?」
「あ〜! うそうそ! あっしもメンタイっこ味とささらみ〜味は好きでヤンしゅ! 冗談でヤンしゅよ! とりやき、トンケツは罰ゲーム用フレーバーでヤンした!」
「そうだよね! アレはなんかヘンな味だし!」
あ、危なかったぁ! 思わず地雷を踏み抜くところだったでヤンしゅ! でも、ホンネはどっちもダメでヤンしゅ! あの夢を見て以来、カリカリを見ただけでトラウマが蘇るでヤンス!
「ん? カリカリがどうしたって? 俺も話に混ぜてくれよ?」
とキョウナちゃんとの会話がわしゃわしゃ咲き誇っていると、部屋に黒い人が入ってきたヤンしゅ! 黒いコボルト、黒いシヴァーヌ族の! 聞くところによるとこの人は犬の魔王らしいでヤンしゅ!
「あ、団長さん! この人、目が覚めたよ! 名前は人造人間ワシャーンって言うんだって!」
「ワシャーン? え? おかしいな? そんな名前って情報はなかったんだけどな?」
ぎょバーーン! ヤバイ! 速攻でウソがバレそうになってるでヤンしゅ! ああ、なんであっしはつまらンヌなウソをついちまったでヤンスかあ! キョウナちゃんと二人きりならまだしも、他の人が現れる可能性を考えてなかったでヤンしゅう! ワシャーンの運命やいかに?