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オーディション

今日はオーディション当日だ。


オーディションが始まるまであと10分ほど時間があるので、今は控室で待機しているところ。

すると、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。

どうやら誰か来たみたい。


ドアを開けると、そこには1人の女性が立っていた。年齢は20代前半くらいかな? 身長は170センチくらいでスタイルが良くとても綺麗だ。髪の色は黒だが、毛先がほんのり茶色になっている。


「はじめまして。今日はよろしくお願いします」


礼儀正しく挨拶された。私も慌てて自己紹介をする。

その後、お互いに軽く会話をした。


名前は九条彩音くじょうあやねというらしい。


私と同い年らしいのだが、雰囲気が大人っぽいのでもっと歳上のように感じる。

しばらくすると、スタッフらしき人が呼びにきた。


いよいよ始まるんだ。


緊張してきた。心臓が激しく鼓動するのを感じる。

隣を見ると春香も同じようで緊張した面持ちをしている。


そんな私たちを見たのか、九条さんは優しく笑いかけながらこう言った。


「大丈夫ですよ」


不思議とその言葉を聞くだけで安心感を覚えた。

きっとこの人はすごい人になる。根拠はないけどなぜかそう感じた。


それからオーディションが始まった。


まずは歌唱力のテストが行われた。

順番はオーディションを受ける人数によって変わるらしく、今回は最後から2番目になったから少し時間に余裕がある。


私は、控室で呼ばれるのを待っていた。

時間が過ぎていき,,,

次は私の番だ。マイクの前に立ち息を吸う。


曲は、伝説のアイドル紅林恵那くればやしえなの【Try me】

「♪〜〜」

この曲は私のお気に入りの曲だ。


この曲を聴くと勇気が出るような気がして、

辛いことがあっても乗り越えられる気がした。

だから、この曲を歌う時はいつも全力を出すようにしていた。


「…………ふぅー」


曲を歌い終えると私は一呼吸置いた後に、審査員たちの方へ向き直り、挨拶をした。

控室に戻りはじめたとき,,,


「最後は彼女だね」


社長さんが言った。


「楽しみですね」

「ああ」

2人が話していると、その女の子が現れた。

その子は、私よりも少し背が低くて華奢な体つきをしており、肌が白くて顔が整っている美少女だ。

彼女は、ステージの中央に立つと静かに目を閉じた。


(えっ?)


一瞬、彼女が消えたように見えた。次の瞬間にはもう歌っていた。

彼女の歌を聴いた時、衝撃を受けた。

今まで聴いたことの無い歌だった。

彼女の歌には感情がこもっており、聴いていて心の底から震えるような感覚に襲われた。

そして、気づいた時には彼女の歌う姿に見惚れてしまっていた。


「…………」


曲が終わり、静寂が訪れる。

誰もが言葉を発せずに黙って彼女を見つめる。

そして、数秒後……

パチッ……パチ……パチン……

拍手の音と共に歓声が上がった。


会場にいる全員が彼女に魅せられてしまったのだ。

私もその中の一人である。

彼女こそが本物のアイドルだと確信させられてしまった。


オーディションが終わった後、私達は控室に戻った。

そこで、私達を待っていたのは社長さんからの呼び出しだ。


私達が部屋に入ると社長さんが話しかけてきた。

どうやら、オーディションについての話らしい。

その内容は私と春香は合格したという。


私は誘いのメールが来た時から合格を確信していたんだけどね。

隣を見ると、そこには嬉しそうな顔をしている春香の姿があった。

こうして私と春香は晴れて芸能事務所に所属することになった。


天才っていいですよね,,,

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