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ミハイルから監禁中の町屋敷の様子を聞きます

ミハイルさんは私の前に跪き手を取り見つめて


「ハル。俺に想いはあるんだな⁈」

「うん。ミハイルさんの事がすき」


少し表情が柔らかくなり安堵したようだ。そして触れるだけの優しいキスをくれる。


「何があったかは今は聞かない。時間ときが必要なのは分かった。俺たちは色々あり過ぎたんだ。今はゆっくり休むといいよ。話してくれるまで待っている」

「ありがとう…」


ミハイルさんを改めて見るとやっぱり目の下に隈が見て取れる。ミハイルさんの頬に手を当て大丈夫か聞いたら心身共に限界だったらしい


「よく倒れませんでしたね!」

「倒れると身が危うくなるので、倒れられなかった…」

「えっ!そこまで!」


ここから町屋敷での様子を聞きミハイルさんの疲労ぶりに納得がいった。

やはり私の部屋にアンリ王女が滞在し日中はずっとミハイルさんについてまわり、深夜になると派手な夜着を纏い夜な夜な夜這いに来たそうだ。既成事実を作るためだ。あれだけ強いミハイルさんが寝室に騎士を護衛に置くくらいだ。

さらに…調理場や食材庫にもアンリ王女の手の者が入り込み、安心して食事もとれなかったそうだ。


「俺は殿下と違い普通の男だ。媚薬を盛られれば効いてしまう」


マジに怖い⁉︎アンリ王女は必死で手段は選ばずだ!


「心身ともに限界が近付いていた最終日に、彼女は昼前にいきなり何処かに出かけ嫌な予感がしクリスを問い詰めた。なかなか答えないクリスに詰め寄ると昨晩からハルが監禁されていた事をしり、己を押さえられなかった…」


直ぐに助けに行こうとしてくれようとしたが、付き合わせを終わらせるために、町屋敷で待機する様にレイモンド父様に止められる。

疲労が限界の状態で時間ときが経つのを只管待っていたら、深夜にアンリ王女が帰って来たそうだ。


「馬車から降りて来た彼女アンリを殴るかかるのをハルに貰ったミサンガを握り必死で堪えたんだ。すると…」

「えっ?何!」

「彼女は別人のようだったよ。薄化粧を施し本来の彼女の美しさが際立ち、王女としての品もあり驚いた。そして先程までの高飛車で高圧的な態度ではなく、淑女の振る舞いで最後の求婚をして来た」

「…心は動かなかったの⁈」

「普通に綺麗だと思っただけだ。庭の薔薇を見て綺麗と思うのと変わらん」


ミハイルさんの答えに安心とやきもちを妬いている自分に気付き、ミハイルさんへの想いを再認識する。


ミハイルさんは丁重に求婚を断ったそうだ。するとアンリ王女は微笑み…


「”春香の言った通りですわ。自分で行動しだら後悔はないわ。チャンスをくれた春香に礼と詫びを言わねばらりません。あの子平民でブスだけど、仲良くしてあげてもいいですわ”と言った」

「…アンリ王女そんな事言ってたの⁈」


すると殺気出したミハイルは私の頬を見つめている。あ…アンリ王女にやられたのバレたなぁ。話題を変えた方がいいと思い話題を探していたら、誰かが来た。誰か知らないけどナイスタイミング!

返事すると…


「春香ちゃん!」「春香!」


凄い勢いで扉が開きレイモンド父様とアビー母様が入室して来て、アビー母様はミハイルさんを突き飛ばし両サイドから2人に抱きつかれる!

嬉しいけど…くるぢい…いっいしきが…


「父上、母上!春香を潰す気ですか!」


危なかった!あと数秒遅かったら堕ちてました。解放されると母様と父様に挟まれ座り、父様がミハイルさんに殿下とアレックスさんの元に行くよう命じた。不服そうに明日また来ると言いミハイルさんは退室して行った。


慌ててエリさんがお茶を入れてくれると、父様がエリさんに席を外すように命じエリさんは退室した。

父様は私の頬に手を当て眉を顰め


「我々の読みが甘くまた春香に負担をかけけてしまった。済まなかった。こんなに腫らして痛かっただろう。宰相補佐のミンメイ殿が国として正式に謝罪に来ると言っていたよ」

「私も王女を煽ったしチョップしたから、喧嘩両成敗で謝罪はいりませんよ」

「「ちょっぷ?」」


父様と母様は首を傾げている。どうやらこの世界に“チョップ”という技は無いらしい。説明しにくくて実演してみたら…


「「あっははは…!!」」

2人とも大爆笑しアビー母様なんて涙流して笑っている。


「春香の攻撃は可愛いね!しかし威力は全くなさそうだ」

「そん事ないですよ!私は非力だけど騎士さんがしたらかなり痛い筈です!」

「分かったわ。今度組手訓練で取り入れてみるわ」


優しい眼差しで私をみる2人に胸の奥がポカポカしてきた。微笑んでいたレイモンド父様は咳払いをし、仕切直し真面目な話をする。


「あのお方が滞在中は町屋敷も大変でね。使用人も我々も憔悴したが、縁組が完全になくなり町屋敷はやっと平穏を取り戻しつつある。今、急ピッチで持ち出された春香の荷物を町屋敷に運ばせ元通りにしている。ミハイルの執務室は修復はあと数日かかるがな。春香は明日には町屋敷戻れるよ」

「ミハイルさんの執務室?」

「春香の拉致監禁を知ったミハイルが派手に暴れてね…まぁ物損程度でよかったよ」

「……」


そういえば“己を押さえられなかった…”て言ってたけど…これからミハイルさんを怒らせないようにしようと誓う。


「そうそう、クロードが春香がなにやら新しい武器を考案したと言っていたが、町屋敷に帰ったら聞きたいね」

「クロードさんそんな事言ったんですか!もぉ!チョップの刑確定です」


恥ずかしい…矢も得ずやったのに…チョップは最低2発入れます。


「じゃ!明日(シュナイダー家の)町屋敷に帰るんですか?」

「いや、明後日になる」

「??」


どうやら、今日の夕刻にコールマン領からケイン様とマニュラ様がこの町屋敷に来るらしい。ご挨拶もあるので帰るのは明後日になったそうだ。


「本当は春香を今からでも連れ帰りたいが、まだ傷も癒えていないし部屋も整っていないのでね…もうしばらくこちらにお願いする事になった」

「待ってるからね!春香ちゃんの好きなのもいっぱい用意しておくわ」

「ありがとうございます。頑張って早く治します」


こうして賑やかな母様と父様は帰っていった。

疲れてベッドに戻り寝転がる。ぼんやり天井を見ていたらアレックスさんが来たようだ。

動く気力が無くそのままいると、寝室の扉をノックしアレックスさんが入って来た。


「もうすぐ昼食の時間だ。こちらに運ばせようか?」

「すみません。お願いします」

じっと見つめるアレックスさん。

「?」

「俺もここで共にしていいか?」

「はい」

「エリ。昼食はこちらに用意してくれ」

「畏まりました」


エリさんが退室するとアレックスさんは椅子を持って来てベッドの横に置いて座り私の手を握る。


「口付けていいか?」

「何で聞くの?」

ゆっくり綺麗なアレックスさんが近づき優しいちゅーをもらう。アレックスさんは躊躇しながら


「春香。アンリ王女に何か言われたのか?」

「…王女ではなくて」

「俺が何を言っても、春香が納得しないとだめなんだろう。だから多くは言わないが、俺には春香が必要だ。居てくれないと生きている実感がない。存在に意味のない人はいないんだよ」

「アレク…」

「レイモンド様から聞いたな。夕刻に父上と母上がここに来る。春香が俺の想いを受けてくれた旨報告してある。きっと母上は興奮し煩いぞ。昼食をしっかりとり、昼寝しておけ!アビー様と同レベルの母上が来たら体力をごっそり持っていかれるぞ」

「じゃあ頑張ってお昼いっぱい食べますね」

「そうしろ」


やっといつもの調子に戻って来たアレックスさん。皆優しく嬉しいけど中々消えない心のもやもや…この気持ちは自分自身で納得しないと治まらない。

きっと帰る期限リミットが近い今だから真剣に考えないといけない時期タイミングんだ。


「春香…」

“ちゅっ!”またちゅーしてくるアレックスさん。彼の瞳には優しが詰まっていて彼の横は居心地がいい。アレックスさんと他愛もない話をしていたら、思い出した様にアレックスさんが今後の予定を教えてくれる。

ケイン様とマニュラ様は町屋敷に5日程滞在されるらしい。私は明後日シュナイダー家の町屋敷に戻る予定だ。陛下には頬が治ったらご挨拶に伺う。まずは治療優先になる。


外から6時を告げる鐘が聞こえ、エリさんが昼食の準備が出来たと呼びに来た。断ったのにアレックスさんに運ばれて顔が熱くなる。

昼食は口腔内にまだ傷が有るため、薄味のポタージュと柔らかい白パンだ。デザートは甘いムースで完全病人食だ。

アレックスさんはガッツリ系の肉肉ランチだ。昼からすごいメニューにガン見していたら


「母上が来るんだ。俺も体力が要る」

「ぷぷぷ…」


真顔で言うから笑ってしまった。するとレベル2になったアレックスさんは…


「俺も体力を付けるために昼寝をする。勿論春香が添い寝してくれるんだよな!」

「なっ!」


速攻で仕返しされ顔を真っ赤にし狼狽えてしまった。そしてエリさんがいるのにちゅーされる。

女嫌いのアレックスさんはどこ行った?


食後はアレックスさんが添い寝では無く、手を握ってくれ眠りに着いた。夢も見なくてしっかり眠る事が出来た。


『ん?煩い…』

「来たか…」

目を開けるとアレックスさんがベッドの横に座り手を握っている。


「アレク…あの声は…」

「煩いのが来たぞ!」


“ばん!”


「ひっ!」

「春香さん!」


寝室の扉に仁王立ちをしたマニュラ様がいる。絶賛号泣中のマニュラ様は駆け寄り、アレックスさんを押しのけ私に抱きついて来た。


「ありがとう!アレクを受け入れてくれて!私嬉しくて!本当に娘が出来たわ!」

「マニュラ!気持ちは分かるが春香は怪我人なのだ離しなさい」


困った顔をしたケイン様が寝室の扉に立っている。


「ケイン様。お迎え出来ずにすみません。それにお世話になりありがとうございます」

「春香。アレックスから聞いたよ。アレックスの思いを受けてくれたのだれう⁉︎これからは私とマニュラは”父と母”と呼んでくれないか⁈」

「父上。まだ婚姻するかはこれからで…」

「婚姻してくれたら一番いいけど、ケインも私も春香さんの親になりたいのよ!春香さん!呼んでくれる⁈」

「えっと…」


アレックスさんをみたらレベル1だが嫌ではない様だ。


「私なんかが娘でいいんですか?」

「春香以上に可愛い娘はいないよ!呼んでくれるね⁈」


再度アレックスさんをみると優しい表情で頷いてくれた。


「不束者ですがよろしくお願いします。ケイン父様、マニュラ母様」

「「春香!」」


ケイン様にも抱きつかれ、たった今新しい父と母が増えました。

お読みいただきありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価をよろしくお願いします。


休載中ですが『女神の箱庭は私が救う』もよろしくお願いします。

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