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リリアン様とランチに出かけます

朝食後は(私以外は)忙しく皆んな出かけていった。私はリリアン様とランチまで部屋でゆっくりします。ソファーで座って本を読むが頭に入らない。

そう今後のことを考えている。

帰れる期限まで約1ヶ月となった。こちらに残る気持ちは8割は位かなぁ⁈残り2割はやっぱり叔母が心配だ。責任感強い人だから自分を責めている気がする。両親が亡くなり通夜の深夜に棺の前で”姉さんの代わりに春香をちゃんと守から”と呟いていたのを知っている。あっちで起きてる事か分からないが、また夢で様子を見れたら決心が着くのかなぁ…

でももし叔母が心労で体を壊したりしていたら…帰る⁈夢を見たいが見るのが怖い気持ちある。

あと3人の求婚だ。こちらの世界では10代で結婚は当たり前かもしれないが、正直結婚なんて想像もつかない。早い人なんて子供がいる人もいるらしい。

結婚てどうやって決めるの⁈元の世界でも周りで結婚する子なんていないし、なんなら(私も含め)『彼氏いない歴=年齢』の子ばかりで知識がない。


「春香さん?」

「へ?」

「心ここに在らずですね」

「聞いていいですか?」

「私がお答えできる事なら」


メリージェーンさんは読んでいた本を置いて座り直した。そんな改ったら気後れするよ!


「えっと…メリージェーンさんはどうやって婚姻を決めたの」

「そうですね…私は春香さんの様に劇的な出会いでは無く家同士が事前に話し合って決めており、付き合わせで初めて会いました。決まっていた縁ですがウチの親もお相手のご両親も本人が合わないと思ったら破棄していいと言われていました。そして婚約しレイシャルにきて一緒に過ごし1ヶ月経った時に無理だと思いゴラスに帰ろうとしたんです」

「えっ?何で?」

「私は元々騎士でどちらかと言うと肉体派で婚約者フィアンセは頭脳派で正反対なんです。婚約者フィアンセは元々体が弱くアカデミー卒業後は直ぐに義父の手伝いをし領地の治める仕事をしていました。性格は穏やかで感情の起伏が無く物静かな方です。私ははっきりした性格で好き嫌いが激しく感情的になりやすい。正直合う訳ないと初めから決めつけていました。レイシャルに来て1か月が経った時に婚約者フィアンセの本心を知りました」


マニュラ様みたいだ。やっぱり会って1日で決めたらそうなるよね。


「ある日、交流のある貴族のお茶会の席である令嬢が足をくじき婚約者フィアンセが令嬢を抱きかかえて退室していったんです。羨ましかったです私。婚約者フィアンセは私と体格があまり変わらずその上非力で到底私を抱き上げる事なんて出来ないと思っていたんです。そして拗ねた状態で帰宅したら…」


頬を赤らめ両手で顔を隠して小声で…


「馬車から降りたら彼は徐に私を抱きかかえてサロンまで運んでくれたんです。きっとすぐ根を上げると思い暫く見ていたら、そのまま階段を上がりだしまして…彼の体を心配して“下ろして”と言ってんです!そうしたら彼は・・・」


ヤバっ!ドキドキしてきた!


「“貴女を抱きかかえてあげる為に鍛えたんです。だから心配しないで愛しい人を抱き上げるのは男の喜びなんですよ”って言ってサロンまで運んでくれました。私が婚約者フィアンセより強い事を気にしていると感じていたんでしょうね。彼はサロンで私の手を取って…」

「いや!胸ドキだわ!!それで?」

「“確かに貴女の方がお強いでしょう。しかし僕は精神的に貴女を支える自信がある。貴女にもしもの時に助けれるように少しずつ鍛えています。長い目で僕を見てくれませんか?“って告白され、その瞬間彼に心を持っていかれました。そう精神的には彼の方が逞しく、きっと何かあっても守ってくれると感じたんです」


やっぱりいいなぁ…恋バナは!アザース!心に潤いをもらいました。メリージェーンさんの話によると、婚約者フィアンセはメリージェーンさんの真面目で自直な所に好意を抱き、時折り見せる乙女なメリージェーンに惹かれたそうです。するとまだ赤い顔をしたメリージェーンさんは


「私なんかより春香さんの方が大恋愛で羨ましいですよ」

「そうなの?」

「ええ…御伽話のヒロインじゃないですか⁉」

「お相手の気持ちに素直に受け入れれなくて、どうしても私なんか…て思ってしまって」

「こんなに控えめで可愛らしいのに自己評価が低いのが分かりませんわ」


う…ん喪女だからね。本質的にヒロインよりモブの方があっているし、ラノベの世界の隅でヒロインと運命の相手の大恋愛をこっそり見ている方が私らしい気がする。

メリージェーンさんと恋愛談義を繰り広げていたらリリアン様との会食の時間が来たようで慌てて準備をする。今日は護衛責任者のジョシュさんがハンナ王女とお見合いだからメリージェーンさんが代行し、ジョシュさんの部下の騎士さんが3名付き添ってくれる。迎えに来てくれた騎士さんにご挨拶し馬車へ移動する。移動中に先日ご挨拶した方々に会い声をかけられるが、全く覚えていなくて愛想笑いで誤魔化しメリージェーンさんが予定があると上手く躱してくれている。やっと馬車に着き乗車して王都の指定されてホテルに向かう。どうやらそのホテルはリリアン様のご実家が経営されているらしく、個室を用意してくれているそうだ。王城を出て少しするとすぐに着き、先に降りたメリージェーンさんの手を借り降りるとリリアン様がお迎えしてくれた。


「お越しいただきありがとうございます。さぁ外は寒いのでお早く中に!」

「お招きいただきありがとうございます!」


リリアン様に手を引かれホテルに入るとシャンデリアが眩しく金ぴかなエントランスに唖然とする。階段を上り2階の奥の個室に入る。

個室にはメリージェーンさんとコールマン領に同行していたリリアン様の侍女さんが付き添い、個室に女4人で気楽に話が出来そうだ。ちなみに他の騎士さんは部屋の外で待機してくれている。

コートを預け着席すると料理が運ばれてきた。レイシャルと同じでやはりヴェルディアの女性も沢山召し上がるようで、日本で言うところの『マンガ盛り』だ。しかしこのか細いリリアン様のどこにこの量が入るのか疑問だ。


「春香様は食が細いので配慮致しましたが、多いようでしたら遠慮なく残して下さいね」

「お気遣いありがとうございます」


こうして他愛もない話をしながら食事を進め最後のデザートでリリアン様が本題に入る。


「本当に病が治られて良かったですわ。陛下も私も罪悪感を感じていたのです」

「ご心配おかけしました。それよりレイシャルから帰国後、大変だったでしょう⁈」


そう、リリアン様は痩せたの恐らくダイエットではなく心労と忙しさからだろう。リリアン様の公爵家は陛下の祖父の時の側近で王家の信頼を得ている。しかし前王の王政に従えず中立の立場で王家と距離を取っていたそうだ。陛下は帰国後直ぐに秘密裏に陛下が前王を王位から下す算段を信頼できる家臣を集めて実行した。その一人がリリアン様のお兄様らしい。先々代の王は公平で民を一番に考える素晴らしい王で国民に愛されてそうだ。

陛下が王位に就かれ側近としてリリアン様のお兄様が国務大臣に就かれている。


「ところで陛下との婚姻は何時になるんですか⁈」

「陛下が申されるには戴冠式が終わり、国内が落ち着いたら発表して半年後に式を挙げる予定ですが…」

「何か問題でも?」

「実は・・・」


どうやら他国から陛下に縁談が鬼の様に舞い込んでいるそうだ。それも王女や皇女で美女ばかり。今まで鉱石の輸出が極端に制限され、取引したい国からしたら陛下と結縁関係になれば有利になると考えるのは至極自然な事だ。


「不安ではありませんか?」

「…無いと言えば嘘になります。今忙しくて陛下に会えていません。しかし毎日手紙とお花が届き気遣って下さるのが分かります。不安な時は陛下のお言葉と手紙を支えに過ごしております。このくらいの試練乗り越えなくては…」

「強いですね」

「春香様はどうされるのですか?3人の求婚をお受けになるのですか?」

「…分かりません。今回の旅で答えをだそうと思っているんですが…」

「あまり難しく考えず心ままでいいと思いますわ。お三方とも春香様がお受けになったら、ご自分たちで春香様が幸せになる様にして下さるはずです」

「・・・」

「春香様がお三方を愛しているかそれだけですわ」


『その愛してるの経験なくて分からなくて困ってるんです!』と心で叫んだ。

暫くの間リリアンさまの愛ついての語りを聞く事になった。私が遠い目をし出したので、メリージェーンさんが次の予定を知らせてくれやっと話は終わった。ありがとうメリージェーンさん!


食事を終え王都へ街ブラに出かけます。ヴェルディアに向かう船で殿下から小遣いをもらっているからそれで皆にお土産を買おうと思う。

コートを羽織り帽子と手袋を着けホテルを出る。

「さぶっ!」やっぱり寒い。私以外の皆は背筋を伸ばして堂々と歩いています。私は寒くてどうしても体が丸まってしまう。

メリージェーンさんが手を繋いでくれ、メリージェーンさん温もりを感じ頑張って歩く。少しすると百貨店デパートの様な大き建物に着いた。入口に品のいい初老の男性が居て、リリアン様に深々と挨拶される。


「春香様。ここは国営のお店で宝飾品からパンまであらゆる品を取扱う店です。今日はここ数日で一番寒いので街の散策はやめておきましょう。ここなら土産も見つかるでしょう」

「お気遣いありがとうございます。正直寒いくて助かります」

「支配人。こちらは陛下の大切なお客様です。くれぐれも失礼の無いように!」

「誠心誠意お仕えさせていただきます。さぁお早く店内へ」


店の中は暖石が効いていてとても暖かく、入口横のクロークでコートを預け早速お買い物をする。

本当に百貨店デパートだ。3階建てだが1フロアがとても広く自転車が欲しいと思った。

結局何にするか悩んだ挙句、男性にはヴェルディア名産のアイスワインと女性にはヴェルディアの雪下に咲く珍しい花から作ったアロマキャンドルにした。するとメリージェーンさんが


「ミハイルには買わないのですか?」

「実は買ってあるの。ヴェルディアに生息する牛の仲間カウルンの皮で作った革手袋。耐久性に優れ柔らかく手に馴染みやすいんだって」

「いいものを見つけましたね」

「うん。リリアン様が教えてくれたの」


こうしてお土産を買い目的を果たして一息吐くと、リリアン様に3階のドレス売り場に連れて行かれる。意味も分からず売場に着くなり試着の部屋に押し込まれ店員さん3人がかで服を脱がされ下着だけにされ、シルク?ナイトガウンをかけれた。


「何!」


シルクの様な肌触りに品のいいレースとリボンが施された普通のナイトガウン。

試着室に入って来たリリアン様は微笑み


「これは私のからプレゼントですわ!春香様はご自分の心の声が聞こえ難い様なので、このガウンが手助けになりますわ」

「すみません。意味が…」


この後リリアン様からこの特殊なガウンの説明を受ける。このガウンの生地は鉱山の切り立った山肌に咲く珍しい花(綿花の仲間)から紬出された糸で、気温によって色を変える色変わりの糸から出来ている。まだ解明されていないが、着用する者の体温で色を変えるそうだ。何も無い時は白で体調が悪いと濃いグレーに、諸説あるが女性が纏うと心に反応し心に想う色が出るそうだ。

すなわち愛する人の前に行くとその人の色が出ると言われている。


「私が陛下の前で着るとガウンは陛下の色になるんですよ。実証済みです」

「って事は…」

「このガウンを来て求婚者に会えば春香様の本当の気持ちが分かりますわ」


何!そのチートなアイテムは!流石異次元だ。

唖然としてる私を横目に店員さんにメリージェーンさんが在庫があるか聞いている。目が合うと恥ずかしそうに


「私も彼に私の心を知って欲しくて…」


私以上に乙女なメリージェーンさんを微笑ましく思いながらガウンを見つめる。

信じた訳では無いがリリアン様のお心に感謝してありがたく頂戴した。


ガウンを包んでもらってる間に着替え、同じフロアのサロンでお茶をいただく。リリアン様は話題豊富な上に表情が豊かで話を聞くのは楽しい。恋愛マスターの様でメリージェーンさんの相談にも応じている。私よりメリージェーンさんの方が今日はいい収穫となった様だ。

帰りに思い立ってワイスワインを追加で1本買う。ローランド殿下とアレックスさんに差し入れようと思う。

夕刻になりそろそろ帰る。ジョシュさんも気になりなるしね。リリアン様とハグをしてお別れをした。

馬車の中で1人悶々と考える。


『あのナイトガウン。色を変わりやすくする為に出来るだけ直接肌に着けて下さいって言われたけど、そんな格好で彼らの前に行くの⁈』


一気に顔が熱くなる。それに気付いたメリージェーンさんが焦り出す。冷えて熱を出したと誤解されている。違う!体調が悪いんじゃないの!必死でメリージェーンさん大丈夫だと告げる。

自分の気持ちを確かめる為にそんな薄着を晒さないといけないなんて罰ゲームだ!

あのナイトガウンの出番があるのかなぁ…

お読みいただきありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価をよろしくお願いします。


『女神の箱庭は私が救う』がお休みに入り、こっちの書き進めていきます。よろしくお願いします。

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