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事情説明を受ける春香。ミハイルの秘密を知ることになる

湯浴みをして着替え公爵の執務室に向かいます。夜遅く屋敷内は静かで私とクロードさんの靴音が響きます。熱が下がり体は動くけど怠い!学生の時のプール授業後の様だ。執務室が遠い!インドア派の私は体力が無い…駄目だ…


「春香様?」


歩みを止めた私の様子を伺うクロードさん。大丈夫っと言おうとしたら


「失礼!暫くの間我慢して下さい」

体が浮いた。クロードさんは軽々抱き上げた。

細身に見えるのに意外マッチョなんだと思っていら

“くす”「へ?」今クロードさん笑った?


廊下にクロードさんと別の足音が近付いてくる。

音の方向に目線を送ると凄い勢いでミハイルさんが向かってくる。殺気立っていて怖くて思わずクロードさんの胸元を掴んでしまった。


「どうゆう事だ…」

「春香様の歩みが止まりお辛そうでしたので」


背後のミハイルさんが怖くてクロードを掴む手に力が入る。歩けない重い私を親切に運んでくれているのに何で怒るかなぁ!


「春香。こちらに」

「…。ミハイルさん怖いのでクロードさんが迷惑で無ければクロードさんがいいです。クロードさん…重いですけど大丈夫ですか?」


「お任せを…春香様は軽すぎるます。もう少し膨よかになられてもいいかと…ミハイル様は女性の接し方を学ぶ必要かある様です。そんな殺気立った殿方は怖がられますよ」


クロードさんはミハイルさんを置いてそのまま歩き出す。ミハイルさんはその場に立ち尽くしています。ちょっと可哀想かなぁ…


「ミハイルさん行きますよ〜」一応声かけておこう。


「ふふふ…春香様はお優しい…」

「だって夜遅くに廊下で1人はさみしいですから」


クロードさんの顔を見上げたらめっちゃ笑っている。よく見たらクロードさんも美形だ。今になって恥ずかしくなってきた。

やっとミハイルさんは再起動した様で追いついて来て、私の頭を撫でて来る。また小さい子扱いだ。


やっと執務室に着いた。中に入ったらアビー様が大笑いしレイモンド様は頭を抱えている。クロードさんは私をソファーに下ろしてくれた。クロードさんにお礼を言うと微笑みを返してくれる。紳士だ!

着席するとロックさんが軽食を持って来てくれた。そういえば昼も夕も食いっぱぐれてゼリーを少しいただいただけだった。

一口サンドイッチとフルーツとカップに温かいポタージュで量も丁度いい。


「ありがとうございます。夜遅くにごめんなさい」

ロックさんは驚いた表情の後微笑んで下がって行った。


レイモンド様に促されて食べながらお話しを聞く。



レイモンド様が静かに話し出す。

「唐突だが。春香…君はこの世界の人ではないね」


持っていたサンドイッチを皿の上に落とした。ヤバい動揺してはいけない。異世界人ってバレたら身に危険が及ぶ。でも正解が思いつかない…


「答えたくないなら今はいいよ。今から話す内容は春香がこの世界以外から来た人であると前提して話すよ」

「…」

「春香…大丈夫」

ミハイルさんが隣に座り背中をさすってくれる。その様子にアビー様は楽しいそうにこっちを見ている。


「話すことが多すぎて何処から話そうか…」

「レイモンドまずは何故薬を飲まされたのかよ。きっと春香ちゃん私に毒を盛られたと私を怪しんでいるわ!誤解を解いて頂だい!」

「そうだね。整理をしながら時系列で話していこう」


食べる手を止めてレイモンド様の話に耳を傾ける。

私が飲まされた薬品は毒ではなくて滋養強壮剤。それもかなり強力なモノでゴリゴリの騎士が1本で3~5時間は力が倍増する強壮剤。

そんな強壮剤を私みたいな体力もない者が服用すると異常活性が起こり発熱と倦怠感に襲われるらしい。急激に飲んだため喉もやられた。

効果は最大半日で薬や毒物では無いので体に影響は無い。でもなんで飲まなきゃいけなかったの?


「近い内に春香の事が知れて城から登城命令が来るのは分かっていたがまさかこんなに早くとは…

殿下直々の命令には逆らえないし、仮病を通しても宮廷医を寄こされればバレてしまう。あの時私とミハイルが不在でアビーだけでは対応するのは難しかった。時間稼ぎの為に春香に一時的に病気になってもらったのだ。あの薬は鍛えた者でも辛い。よく頑張ってくれた。お陰で対応する時間を得れたよ」


「あの…そもそも私の存在をなぜ王子が知っているんですか?」


「テリーから聞いたが図書館で男性に助けて貰ったと聞いているが、そのお方はどんな容姿をされていた?」


「えっと…ハニーブロンドのふわふわのくせ毛に若葉色の瞳をされていて、そう貴族っぽいのに平民の様な装いしいてなぜか白い手袋をしていました」


「「「…間違いないな」」」


「春香。そのお方はレイシャル王国のローランド殿下だ。若葉色の瞳は王家特有だ。テリーの報告では春香を庇って怪我をしたローランド殿下を春香が手当をし、その後殿下が手袋を外し手に触れたと聞いている。間違いないかい⁈」


「はい。それが何か?」


「この国の王家の中に女神レイラの加護を受けて生まれる者がいる。その者は神の様に美しい容姿を持ち優れた能力を持って生まれる。ただしレイラの愛情を受けるので女性を愛する事も触れることも出来ない。つまり婚姻し子孫を残せないのだ。ローランド殿下はレイシャル王国建国後3人目の加護持ちだ。女性に触れられたり触れたりすれば薬傷を負った様に爛れる。だから普段から手袋を着用されているし、お付きの者も男だけだ」


「私…昨日触れましたけど何もなかったですよ」


私…今猛烈に嫌な感じがしている。


「しかし例外がある。女神レイラの理から外れた者。則ち『時空ときの迷い人』と呼ばれる別の世界から来た者。数百年に一度時の歪みから迷い人がこの世界にやって来る。その者だけ加護持ちに触れる事が出来るのだ。過去にレイラの加護を受けて生まれたのはローランド殿下を含め3人。一人目は偶然迷い人と出会え婚姻し子を儲け王家の血をつないでいる。二人目は迷い人に出会う事が出来ず生涯独身を通し弟に王位を譲った。だから図書館でローランド殿下に触れた時点で春香が認めなくても、春香は迷い人と殿下が認識をしたのだ。

殿下が長年探し求めていた迷い人だ。直ぐにでも手元に置きたいだろう。

我が公爵家も王家の家臣。ローランド殿下の為に春香を直ぐにでも城に連れて行くべきだが、わが公爵家は普通の貴族ではなく特殊な役目を担っていて、春香を王家に渡せない理由があるのだ」


「ぶっ!」食事を半分も食べていない私を心配してミハイルさんがイチゴらしき果物を口に運んできた。レイモンド様の話に集中していたから驚いて、乙女らしからぬ声がでた。


「そうでなくても春香は小さすぎる。しっかり食べた体力をつけないと。心配するな俺が口に運ぶからしっかり食べて」

「えっと…自分で ふごっ!」口を開けた瞬間ほりこまれた。

「ミハイル。ずるいわ。私も春香ちゃんに食べさせてあげたい!」

「すみません。もう食べれないし話に集中したいので…」


お茶を持って別のソファーに一人で座る。


「春香。これを見てくれ」


レイモンド様はテーブルに巻物を広げた。読める様に文字に集中する。とどうやらこれは家系図の様だ。


「ここが私でその下にミハイルとジョシュがいる。私の4代上を見てごらん」


レイモンド様の指さした方の名前はミハイル。で…

「ん?これって…」


「よくわかったね。春香は頭もいいようだ。私の4代前が王弟ミハイル。我が公爵家は王家の血筋だ。直系の王族は加護持ちが生まれる事があるし、病死等で血が途絶える可能性がある。恐れた先人が王弟の血筋を公爵家にし残して来た。もし加護持ちで兄弟がおらず子孫を残せない時に我がシュナイダー家から王を出すことになる。我が公爵家は王家のスペアーなのだ。故に公爵家の血も絶やしてはならない」


「シュナイダー公爵家が王家の血筋なのは理解できました。でしたらミハイルさんが早く妻を娶って子を儲ければ問題はないし、私が迷い人と仮定するなら忠誠を示す意味で王子に私を渡すのが最良ですよね⁈」


ふとミハイルさんと目が合う。哀しそうな顔をされている。え?私悪いこと言った?正論言ったまでだが!


レイモンド様は苦笑しながら


「春香。家系図のミハイルの誕生日を見て、ローランド殿下の誕生日を見てごらん」


レイモンド様がミハイルさんとローランド殿下の記述を指で指した。「!!」同じ誕生日だ

びっくりしてレイモンド様の顔を見たら横からアビー様が


「そうなの…ローランド殿下とミハイルは同じ日の同じ時間に生まれたの。そしてローランド殿下が受ける加護の半分をミハイルが受ける事になってしまった」


「…って事は…」


「ミハイルは女性に触れる事は出来るけど女性を愛する事が出来なの。ローランド殿下と同じでこの世界の理から外れた迷い人でないと愛せない。だから春香ちゃんがウチには必要なの」


やっぱりラノベの世界だ!凄い展開だ。想像つかなかったよ。

眩暈がして来た…ティーカップをテーブルに置いて


「少し頭を整理したいので今日は休んでいいですか…」


「明日またゆっくり話しましょう。ちなみにミハイルの加護の件はジョシュは知らないから秘密でお願いね」


「何故ですか?家族なのに」


「ジョシュはゴラス国の第2王女の婚約者として有力視されいるわ。婿に行けばゴラスの人間になる。レイシャル王国の秘密を持って行かす訳にいかない。だからジョシュは知らない事がある。でもそれはあの子も理解しているわ。私も嫁ぐ事が決まっていたから、実家の話は殆ど知らないわ。でもこの世界では普通の事よ」


置き時計が鳴った。12時(24時)だ。

今日は濃い1日だった…頭も体もクタクタだ。

ふと思った。


「レイモンド様。今日来たお医者さんが2日は安静にして、良くなったら登城する様に言ってました。と言う事は私お城に行くんですか?」


「あぁ…そうなる。大丈夫だ心配するな。今対策している。我が公爵家でも待ち望んだ花嫁だ。そう簡単に渡す訳にはいかない」


「レイモンド!殿下よりミハイルの方が春香ちゃんにお似合いだわ。頑張りましょう」


「あの…半年後に婚約解消は?私の意思は尊重頂けるのでしょうか⁈」


みんな微笑みを返してくれるけど、何も言ってくれない。外堀を固まっていく気がした。


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