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ヴェルディア城に到着します

「春香…もう着くよ。起きれるかい⁈」

「ふぁい…大丈夫です」


どうやらローランド殿下に蜂蜜漬けにされている内に寝てしまったようだ。そう!病み上がりだからね!けっして殿下の口説きに現実逃避した訳では無いからね!


起き上がり殿下が指差した窓の外を見たらヴェルディア城が見えてきた。御伽噺に出て来る城と言うより石造の要塞って感じで気候も相まって冷たく感じる。窓に齧り付いて見ていたら


「春香。城に着いたら部屋で昼食をとり夕刻までゆっくりしてくれ。私は昼食は友好国の皇太子と会食する予定だ。後、私が戻るまで面会は受けず、また届いた手紙は私が確認するから開封しない様に。分ったかぃ⁈」

「はい。部屋に缶詰ですね。もし、高貴な方が強引に面会に来ても断っていいんですか?後々殿下に迷惑が掛かったりしませんか?」


何故か不敵な笑みを浮かべて殿下が説明してくれた。どうやらこの世界で大国と呼ばれる国は3国。レイシャルとゴラス後一つしかないらしい。その国は神や女神の加護を受け歴史も古く経済、軍事的にも力があるそうだ。そんな大国の次期王に喧嘩を売る者はいないそうだ。


「だから無下に断っていいんだ。苦情クレームが来ても後で私が対応するから安心していい。ただ、部屋を出て直接声をかけられれば、春香の性格では断れないだろうから部屋から出ないで欲しい」

「分かりました。大人しくしています」

「いい子だ…」


殿下は優しく抱きしめ頬に口付ける。

今日はやる事が無い。殿下が戻るまで昼寝でもしようかなぁ…


馬車が停まった。扉が開くと殿下が先に降りられ手を差し伸べてくれる。寒いのを覚悟し降りたら雪が降っていた。『さぶっ!』思わず声が出そうになりのみ込む。城の入口に銀髪にグレーの瞳をした大きい男性が温かそうなコートに身を包み立っている。

『シロクマ…』男性は白に近いライトグレーのコートを着ていて体が大きく背も高い。ジャン陛下がグリズリーならこの人はシロクマだ。

脳内でそんなくだらない事を考えていたら、そのシロクマは深々と礼をされ名乗りだす。


「お目文字叶い光栄にございします。この度はヴェルディア王の戴冠式参列いただきお礼申し上げます。私、宰相を務めますエドワイズと申します。滞在中にがございましたら何なりとお申し付け下さい」


シロクマさんは宰相様でした。主要ポストも総入れ替えの様で皆さんお若い。この人達がジャン陛下を支えていくんだなぁ…ってぼんやり見ていたらシロクマさんが


「ローランド殿下。我が国を救って頂いた春香嬢にご挨拶させていただいたよろしいでしょうか⁈」

「許可する」

殿下が許可するとシロクマさん元いエドワイズさんは私の前に跪いて私の手を取り真剣な面持ちで話し出す


「我が国の恩人。春香嬢にご挨拶申しあげます。この度はジャン陛下に助力いただき我がヴェルディアが生まれ変わる切っ掛けを頂き感謝しております。私と陛下は幼き時から共に育ち旧知の中で陛下の苦悩の間近で見ておりました。最良の結果に側近共々歓喜しております。しかしその結果ご負担をおかけしたと聞きおよんでおります。滞在中ご恩返しをしたく存じます。望みがあれば可能な限りお答えしますので、何なりとお申し付けくださいませ」

「えっと。滞在中よろしくお願いします。お返し何て必要ありません。それより私は元々平民で貴族社会に慣れておりませんので、無作法がありましたらご指摘下さい」

「おぁ…何と謙虚なお方だ。気負わず気楽にお過ごしくださいませ」


すると殿下がシロクマさんに握られている私の手を取って


「未婚の女性の手をそんなに長く触れるものではない」

「殿下。失礼いたしました。春香嬢にも不快にしてしまいお詫び…」

「いえ!全然平気ですから謝らないで下さい。殿下も仲良くしてください」


殿下…一国の王子でしょ⁈こんなところで悋気やきもちを発揮しないで下さい。周りが焦りますから…


「エドワイズ様。よければ部屋に案内お願いできますか?少し冷え来てきたので…」

「これは気が付きませんで…我々はこの寒さに慣れておりますので…これでも今日は暖かい方なのですよ。では女官に案内させましょう」


やっと寒い外から城内に入れる。それにしても今日が暖かいなんてこの国の最低気温は何度なんだ?

まだやきもち中の殿下は少し機嫌が悪い。手を繋ぎ微笑むと微笑み返してくれた。城内に入ると暖石が設置されているらしく暖かてコートを脱いだ。

部屋に着くと部屋の前にヴェルディアの騎士さんが2人立っていてこれまた大きくて見上げてしまう。

部屋に入ると煌びやかで眩しい。お世話をしてくれる女官さんが部屋の説明をしてくれ、扉続きでメリージェーンさんの部屋に行ける。彼女が近くにいてくれるだけで安心して過ごせそうだ。

レイシャルから付き添ってくれた侍女さんが着替えを手伝ってくれて楽なワンピースに着替えて昼食までメリージェーンさんとゆったりと過ごす。

本来メリージェーンは護衛騎士で食事は別だが、一人で食べるのが寂しくて一緒にしてもらった。

アビー母様の姪子さんだけあって雰囲気が似ていてメリージェーンさんと一緒にいるとすごく落ち着く。食事も終わり眠くなってきたら、メリージェーンさんはヴェルディア騎士と打合せがあるらしく代わりにジョシュさんが来てくれた。兄様ジョシュと一緒で気が抜けソファーに寝転がると兄様ジョシュが笑って許してくれる。

暫く他愛もない話をしていたら徐にジョシュさんが徐に


「今回の戴冠式にゴラスからはハンナ王女が参列されているんだ。ローランド殿下とゴラスの宰相が付き合わせの前に一度会う機会を設けて下さる事になった。いきなりでびっくりしたがいい機会だから会う事にしたんだ」

「えっ!凄い!何かドキドキしてきた」

「春香ちゃんが会う訳じゃないのに何でドキドキするの⁉」

「分からないけどジョシュさんに幸せになって欲しいから、この縁に期待しているんだよ!」

「ありがとう。いい妹をもったよ。母上から聞いた話ではハンナ殿下は真面目で人見知りなさるそうだ。何を話をしたらいいのか…」

「私に初めて会った時のように接した様にすればいいんだよ。私も人見知りするから」

「またまた!春香ちゃんは初めから愛らしく愛想良かったよ」

「それは保護してもらっているから必死だったんだよ!ジョシュさんは優しく話しやすいから、人見知りの人は接しやすくて安心すると思うよ」

「そうかなぁ…春香ちゃんがそう言ってくれるなら、少し勇気が湧いて来たよ」

そう言って少し照れているジョシュさんが可愛らしかった。本当に上手く行って欲しい。真面目に生きている人は幸せになるべきだ!


そうしているうちに殿下が言った通り他国の王子やら皇太子が面会を申込できた。それも手紙や遣いの人を寄越したりではなくご本人が直接部屋に。

部屋にメリージェーンさんも戻っていてジョシュさんと2人で断ってくれる。こんな小娘にそんなに会いたいのか?甚だ不思議である。


そうして夕刻には女官さんが手紙を山ほど持ってきた。


「これ全部私宛ですか?」

「はい。間違いございません。お読みになりますか?」

「いえ、ローランド殿下が帰られたら相談します。そこに置いておいてください」

「申し訳ございませんが、このお手紙だけでも先に呼んでいただけませんか?」

「何故ですか?」

「いえ、これは急ぐの様に申し受けまして…」


女官さんが差し出した手紙をジョシュさんが横から取り、差出人を見て


「春香嬢。この手紙も殿下に確認頂く。そこの君はこの国の者から何か受け取ったのか?」

「いえ…」

「エドワイズ様に春香嬢宛の手紙は殿下が確認する旨連絡済みの筈だ。それを聞いていないのか?それとも誰から命を受けているのか⁈」

「・・・」


ジョシュさんに問い詰められガタガタ震え出す女官さん。明らかに様子がおかしい。

可哀想になって来て女官さんに話しかける。


「正直に話してくれたら無かった事にします。誰に頼まれたの?」


女官さんは躊躇しながら

「チュウナン国の宰相様です。この方の貴賓室の担当が私なのです。

春香様がいらっしゃる前から接触する手伝いの打診があり何度もお断りしていたのです。しかし今朝お世話に行った際に無理矢理ポケットに金貨とその方の懐中時計を入れられ、断ったら泥棒として突き出すと脅されました。それで春香様に手紙をお持ちする侍女に代わってもらい今に至ります」


何だそいつ!何かあっても面会しない!と今決めた!


「ジョシュさん。この方は嘘を言っていないと思う。失礼ですがお名前は?」

「ユリイカと申します」

「ではユリイカさん。そのチュウナンの宰相に”手紙は渡して読んでもらったが返事はもらえなかった”と返事し、自室待機をしてください」

「春香ちゃん!」

「それでいいよ。さすが春香!賢明な選択だ」

「「「殿下!」」」


ローランド殿下が戻られていた。どうやら話を聞いていたようだ。ユリイカさんは顔色悪く震えている。


「チュウナンは癖の強い者が多いが頭が回る方では無い。手紙が読まれただけで満足し、次に直接会った時にアクションを起こすだろう。それに関しては私が対応するから心配無い。春香が言った様に更なる要求をされ無い様に、その女官には暫く隠れてもらった方がいい。

ジョシュ。今の話をエドワイズ殿へ伝達し対応を頼んでくれ。また、チュウナンには女官や侍女ではなく従僕で体格のいい者を付けるように加えて伝達をしてくれ」


ジョシュさんはユリイカさんを連れてエドワイズ様のところへ向かった。


「なんで体格のいい従僕を付けたんですか?」

「チュウナンは小柄な者が多くヴェルディア人のような大きな者が苦手だと聞く。元々小心者が多いゆえ苦手な者に高圧的な態度は取れないはずだ」

「色々な国があるんですね…」

「春香にもゆくゆくは学んでもらう事になるよ。今は知っている程度でいい」


殿下は侍女さんにお茶を頼み私の隣にゆったり座り一息ついている。戴冠式には世界各国から代表者が集まる。友好を確かめたり交渉の場になる為、殿下は忙しい。


「忙しいが今回は春香が一緒だから頑張れるよ」

「無理はしないでくださいね」

「春香から口付けてくれれば疲れが無くなるんだかなぁ…」

「頬になら…」


殿下は微笑み顔を近づけて来た。恥ずかしいけど殿下の為に頑張る。

“ちゅ”軽くキスすると嬉しそうに微笑み抱きしめてくる殿下。

「これでまた頑張れるよ」


この後明日の戴冠式のスケジュールを聞く。


「戴冠式は王都から北西に位置するバラクス山麓の教会で行われ、王城に戻り晩餐会となる。式典は6時から始まるので移動や身支度を考えると朝は早い。今日は早く休んでくれ」

「はい」

「あとジャン陛下から食事を供にと申され今調整中だ。あとリリアン嬢からもお茶会の招待状が届いている。こちらも調整中だ」

「殿下…陛下とリリアン様は⁈」

「戴冠式が終わったら正式に婚約を発表するそうだ

「ホントですか⁈良かった!」


これはお茶会でお惚気炸裂だなぁ⁉︎でも嫌でなく楽しみだ!


「ヴェルディア暫く祝い続きで暫く忙しいな。国王の婚姻は一大行事だからね」

「大変なんですね〜」

「春香…プレッシャーをかける訳では無いが、春香はもっと大変だぞ!私が婚約者が決まれば王太子になるし、ミハイルもアレクも嫡男だ。婚姻式は平民の様な簡単には終わらん」

「・・・考えても無かった!」


思わず両手で両耳を塞ぎ殿下に

「今は聞かない!」


殿下は苦笑いし抱きしめて寂しそうな顔して呟いた。


「分かった。もうこの話は止めておこう」

「ごめんなさい」


レイシャルに帰ったらちゃんと答えだすから今はあまり考えたく無いよ…

お読みいただきありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価をよろしくお願いします。



『女神の箱庭は私が救う』

『(仮)選べなかった1度目の人生、2度目は好きにしていいですか?』

もよろしくお願いします。

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