表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/117

62

急に帰ると言う殿下に驚く春香。殿下に少し好意を持ち始めたのに…

『もっと早く言ってくださいよ!』

「すまない。不安そうな春香に帰る日を先に伝えると更に不安になると思ったんだ。でもよかった…春香を治すと言っておきながら、帰る日までに春香が話せ無かったらっと…初めてプレッシャーを感じたよ」

『殿下…』

「実は春香の元に行く代わりに陛下から任務を受けていてね。そちらも片付いたから予定通り明日朝戻る。出来れば春香も連れて帰りたいが、もう暫くリハビリした方がいいだろう。寂しいが王城で待っているよ」


ずっと私と居たのにいつ仕事していたんだろう…イブリン様の事だろうか⁈

急で驚いたけど確かに殿下が長く王都を離れるれ訳ない。あれ⁈なんだろう凄いモヤモヤする。


「春香寂しいか⁈」

『寂しい…けど早く話せる様に頑張ります』

「春香…抱き締めていい?」


頷くとゆっくり抱き締めてくる殿下。でもやっぱり一瞬体が強張る。殿下は優しく背中をさすって


「慌てなくていい…私はいつまでも待ってるから」


殿下は明日は早朝出発の為見送りはいいと言う。頑張って起きます!と伝えたら


「私が帰りたく無くなるから見送らないで…」

『じゃぁ!今日はいっぱいお話ししましょう!』


殿下はずっと手を握り色んな話をして下さる。殿下は基本お喋りで話題も豊富だ。相反してミハイルさんは無口でどちらかと言うと聞き役。でも相槌は必ずしてくれる。アレックスさんは中間かなぁ…

そうしているうちに騒動を治めたのかアレックスさんが帰ってきた様で応接室に飛び込んできた。


「春香!声が出たと聞いたが本当か‼︎」

「アレク。春香が怯えるから静かにしろ」

「申し訳ありません…今母上に聞いて。良かった…」

『心配かけてごめんなさい…』


アレックスさんは額に汗して慌てて来てくれたのが分かる。心配ばかりかけてもう訳ない気持ちでいっぱいだ。


「殿下。明日の件は春香に伝えましたか?」

「あぁ…さっきな。春香は暫くリハビリが必要だ。よく見てやってくれ」

「御意!」


王宮騎士団の騎士さんがやってきて明日の打合せがあるようで殿下は退室していった。アレックスさんと2人っきりになるとアレックスさんは目の前で跪いて私の手を取り


「本当に良かった。医師から少しづつ声を出すように言われただろう⁈訓練リハビリは俺が付き添う。これで王都に帰れる日が近くなったな」


頷くと「抱きしめていいか?嫌なら…その…拒否してくれていい」


指でOKサインを出すとゆっくり抱きしめてくれる。でもやはり一瞬体か強張る。


「大丈夫だ。色々あり過ぎて心身のバランスが崩れているんだ。ここでゆっくり休めばいい。俺がずっと付いている。遠慮するな頼れ」

「は…ぃ」


アレックスさんは驚いた顔をし直ぐに破顔した。こんな笑顔のアレックスさんは初めて見た。


「テクルスに感謝を!早くお前と語らいたい!あっ!でも無理はするなよ!」


笑うと更に強く抱きしめて来る。温かいなぁ…いつもは仏頂面のアレックスさんは笑うと案外可愛いと思った。次はエリックさんが応接室に飛び込んできた。反応はアレックスさんと同じ!流石兄弟!

エリックさんにもぎゅうぎゅうに抱きしめられ、私は本当に人に恵まれている。

この後マニュラ様にもぎゅうぎゅうに抱き締められマニュラ様に至っては大泣きして大変だった。皆さんの愛情に感謝し早く話せる様にリハビリを頑張ろう!


明日の打ち合わせを終えた殿下が戻り夕食まで色々話をして過ごす。

最後の晩餐は楽しい雰囲気でいつもより沢山食べれた。大泣きしたせいかマニュラ様の食欲が止まらない。まるでフードファイターを見てる様だった。

夕食後もサロンで殿下と語らう。暫しの別れに殿下はずっとくっ付いている。


「暫く会えないから春香をフル充電してとかないとね!」


と頬にキスしずっと手を握っている。殿下が暴走するから言わないけど、私もこっそり殿下を充電中です。この後日付が変わるまで話しアレックスさんに怒られてやっと就寝した。


翌朝いつもより早く目覚める。殿下は見送らないでって言ったけど影からでも見送りたくて身支をして馬車が見える窓に移動し3階から殿下の馬車を見送る事にした。

馬車の前では侯爵家の皆さんが殿下とご挨拶している。ここから往路の無事を祈ろう。殿下が馬車を乗ろうとして何故か振り返り上を見た。殿下と目が合う。ビックリしたけど嬉しく手を振った。

殿下は破顔して手を振り何か言った。殿下の様に読唇術が無いから分からないがきっと極甘な言葉に違い無い。殿下は私の言葉が分かるから殿下に


『お気をつけて!必ず近いうちに帰ります。王都で待っていてください』と伝えた。


殿下は私の真似をして指でOKサインをつくって馬車に乗り込み殿下は王都に帰って行った。

一旦部屋に戻るとすぐにアレックスさんが朝食に迎えに来た。


「寂しいか?」

人差し指と親指で”少し”とジェスチャーする。

「話せる様になり直ぐ帰れるさ。リハビリ頑張ろうな」


頷くとアレックスさんは微笑み手を差し伸べて

「朝食に行こう」

「は…ぃ…」

アレックスさんの手を取り食堂に向かった。


結果から言うと元通り話せるまでに2週間程かかった。心的ものも関係してるから意外にかかり焦ったりもしたが、侯爵家の皆さんの献身的サポートのお陰で短い会話ならスムーズ出来る様になった。

でも沢山話すと息切れするし、歌ったりとかは出来ない。医師からも許可を貰い3日後に王都に戻る事になった。



王都に帰る日が決まり少しずつ荷物を纏めていたらアレックスさんが部屋に来た。神妙な面持ちで悪い知らせかもと身構える。


「春香のリハビリも順調で帰る日も決まった。殿下の意向で話していなかったが、王都に戻れば耳に入るだろう。だから話しておく。先に言っておくお前は何も悪くないから、自分を責めるなよ」

「はぃ?」


意味が分からず?の状態で話を聞く。

1年ほど前からレイシャル国内で女性が拐かされる事件が多発していて、数ヶ月前からはゴラス人以外の女性の被害者が多い。陛下から各領主に自警団の警邏の強化指示がでていた。

そして先日の私の誘拐未遂の犯人を調べたら人身売買のブローカーだった。

期せずして探していたブローカーを捕まえる事が出来た。どうやらブローカーはとある貴族から黒い髪と瞳の女性を探す様に依頼され、殿下と行った図書館で私を見つけた。本当ならあの場で攫おうとしたが殿下と一緒で断念。翌日に街で一人でいた私を見つけ犯行に及んだそうだ。


「どうやらバーミリオン侯爵に取り入りたい者がお囲いを1人増やす噂と侯爵と子息が春香を気に入った話を聞き、ブローカーに依頼して春香に似た女性を攫っていた様だ。ブローカーの供述でアジトから6名の女性を助け出した。女性は皆黒に近い髪と瞳の色をしていたそうだ」

「私に似た女性が欲しいと侯爵が言ったんですか⁈」

「春香。侯爵のやり方は賛同出来ないが、今回は違って侯爵も被害者さ」


侯爵は確かにお囲いさんが2人居るが無理矢理では無く、契約を交わして囲っている。侯爵は気に入った女性の親の元に行き正妻ではないが相当な扱いをし、生涯面倒を見ると親の前で契約書を交わしている。勿論本人の同意も得て妻扱いをしている。

闇ルートで囲ったわけではないらしい。


そろそろもう1人増やすタイミングと私と関わった事で、侯爵と繋がりを持ちたい貴族が忖度した結果が人攫いとなった。


「その貴族はどうなったのですか?」

「領地の一部返還と当主を代替わりさせ、当主は領地に幽閉になった。今回の事で侯爵が春香に被害が及んだ事を激怒したらしく、貴族にブローカーを紹介した豪商を事実上潰したそうだ」

「なんか凄い事になってる…」

「大丈夫か?」

「はい。侯爵様は案外いい人かもしれませんね」


アレックスさんレベル4の皺をつくり溜息をついて


「俺は理解出来ない。愛する女性は1人だろう!」

「稀に愛の過多の人もいるんですよ」

「俺は1人だけだ!」


ギュッと私の手を握るアレックスさん。なんか雲行きが怪しくなって来たよ…

最近アレックスさんの情はテクルスの啓示だけでは無い気がしている。時折り殿下やミハイルさんと同じ眼差しを向けてくる。気付いてからは正直戸惑っている。

それにマニュラ様は完全に私は嫁扱いだし…

でもその眼差しを受けるのは嫌じゃ無いから困る


お読みいただきありがとうございます

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価をよろしくお願いします。


『女神の箱庭は私が救う』

『(仮)選べなかった1度目の人生、2度目は好きにしていいですか?』


もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ