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ローランド殿下と初チュウしちゃったよ!どうする春香!
「「・・・」」
図書館前で固まる3人。そう殿下の斜め後ろに控えるアレックスさんも口を開け唖然としている。
「春香すまない!」
ローランド殿下が最敬礼し頭を下げて謝罪される。
同行する騎士さん達から響めきがおこり、図書館の来館者が不思議そうに遠巻きにみている。
そう。王子である殿下が小娘に頭を下げているからだ。
我に帰り殿下に
『殿下!頭を上げて下さい。目立ちます!』
しかし最敬礼している殿下に通じず、殿下の肩を持って直る様に促す。やっと再起動したアレックスさんが悪目立ちしている殿下と私を一旦馬車に押し込んだ。馬車に2人にされ気不味い…
殿下は隣に座って手を握り不安そうに見つめてくる。
「すまなかった。だが愛してやまない春香の顔が間近にあり、我慢出来なかった。不快にさせて…」
『びっくりしましたが…その…不快ではなく、えっと…嫌ではなく…だからって…まだ心を受け入れた訳ではなくてですね…』
「本当に!怒っていない?不快じゃない?」
『はい』
一瞬躊躇してゆっくり抱きしめてくる殿下。抱擁も嫌じゃない…
「良かった。嫌われたと思って絶望したよ…」
腕を解き私の顔をまじまじと見て溜息を吐き
「春香…さっきのは反則だ。愛する春香の可愛い顔があんな間近にあったらどんな剣豪も聖職者も我慢できるわけないだろう!何?春香は私の忍耐を図ろうとしているのか?」
『そんな訳ないでしょう!本当に殿下に傷が残っていないか心配だったんです!』
「しかし口付けとは素晴らしいものなのだなぁ…ほんの一瞬だったが私は幸せに満ちているよ。恋人や夫婦で口付けているのを見る度、私は一生その喜びを得れないと思っていたから尚更だ。春香が私の初めての女性だよ…」
殿下は恍惚としながら恥ずかしい言葉を並べる。
『私も初めて…』
「えっ!」
『へっ?』
見つめ合い今日2度目の硬直・・・
“今!私なんて言った?でも殿下今のは見て(読んで)ないよ…”
殿下は破顔し王子らしからぬゆるゆるな表情をして抱きしめてくる。
「嬉しい…春香の初めてになれて…」
やっぱり見て(読んで)いた様だ。しくった…
「・・・てもいいか?」
『何て?』
殿下を私と目を合わせ少し探る様に
「春香に口付けていいか?」
『えっと…もう少し待って欲しい』
危なかった雰囲気に流される所だった。理由は無いけど今じゃない気がする
「残念だがいずれ春香が私を受け入れてくれるまで待つよ。迷い人を探していた期間を想えば大した事ではない」
『殿下。折角図書館に来たので本を詠みたいです』
「そうだね。入館しよう」
殿下がエスコートしてくれ馬車を降りたらアレックスさんはレベルMAXだ。殿下に変な事はしていないし言っていませんからね!
すると殿下はアレックスさんに
「アレク…あれ以上は無いから安心しなさい」
「いえ、私は…」
口籠るアレックスさん。珍しいなぁ…と見ていたら目を逸らされた。
私何かしたのかなぁ…不安が襲う。
殿下は私の手を取り恋人つなぎをして図書館に入ります。入館すると本独特の匂いにわくわくしてきた。王都の図書館に比べて少し小さいが沢山並ぶ本に心が躍る。ジャンルごとに並ぶ本を眺めながら面白そうな本を探す。
すると“時空を超えた花嫁”と言う題の本に目がとまる。棚から出しエピローグを読んでみたら面白そうだ。殿下にこれを読みたいと伝えると大きい掃き出し窓横のソファーに案内してくれ、そこに座って読みだす。殿下も本を選んだようで並んで座り本を詠む。ゆったりとした時間がながれ、さっきあった大捕り物が嘘の様に穏やかだ。
時折女性が頬を染めて本を探すふりをして殿下を見に来る。一応平民の装いだが隠しきれないオーラに女性を魅了する殿下。そんな殿下の隣が私みたいなのでごめんね皆さん…
少しすると私の斜め前の席に男性が座り気のせいかこっちを見ている気がして男性を見た。すると気のせいでは無く男性は私を見てる。目が合うとウィンクされた。“へ?”キョトンとしていたら話しかけられた。
「愛らしお嬢さんは一人で来ているのかい?」
首を振りジェスチャーで話せないと言うと目を見開き驚いている。本に集中していてた殿下が
「失礼だが私の連れに何か用事がおありですか?」
「お連れがいらっしゃりましたか。申し訳ない。あまりにも愛らしいお嬢さんで不躾にもお声をかけてしまいましたお詫びいたします。お嬢さんすまなかったね」
首を振り大丈夫と答えると男性は微笑んで席を立ち去って行った。あからさまに機嫌が悪くなる殿下。
「春香!知らない人に愛想を振りまいたら駄目だからね!」
『そんなことしてませんよ!』
それからは殿下は本を詠みながらずっと私の手を握っている。片手で読むから読みずらい!
1時間ほど読んでいたらアレックスさんが来てそろそろ戻る時間だと教えてくれる。
『アレックスさん。この本借りていくことは出来ますか?途中で最後まで読みたいんです』
「春香はコールマン領の領民では無いので借りれないが私が借りればいい」
アレックスさんに借りてもらう事になり、カウンターの司書さんの所に手続きに行きます。アレックスさんが本を渡し貸し出しを依頼すると、司書さんは驚いた顔をして本を見てアレックスさんを見ています。
「何か問題あるか?」
「いえ、アレックス様…本は間違いございませんか?これは女性向けの恋愛小説ですが」
「彼女がこの本を借りたいのだが、領民ではない故に代わりに私が…」
アレックスは慌てて私の肩を抱いて司書さんに弁解している。少し離れたところでは笑いを堪えている殿下。こんなに慌てているアレックスさん初めて見た。司書さんは苦笑し納得してくれた様で本を借りる事が出来た。アレックスさんにお礼を言うと優しく微笑んでくれる。
後日コールマン領でアレックスさんに遅い春が来たと噂される事になるなんてこの時点は知らなかった。
帰りの馬車で殿下が明日は街にウィンドウショッピングに行こうと言ってくれた。何か欲しい物がある訳じゃ無いけど街ぶらは楽しいから好きだ。私がウキウキしていると目の前に座る殿下も嬉しそう。
「私は王子であるが故に行動が制限される。迷い人を探す為に忍んで城下にも行ったが街を散策なんてした事が無い。私が記憶する限りでは初めてだ。それが春香とだからね楽しみで仕方ないよ」
『私は前にアレックスさんに買っていただいたプルスルをまた食べたいです』
「ならば食べ歩きをしよう」
『はい!』
以前にアレックスさんが落ち着いたら街を案内してくれると言っていた。アレックスさんも一緒に行けるのかなぁ?一緒なら楽しいだろうなぁ…殿下とアレックスさんの両手に男前!
『殿下?アレックスさんも一緒ですか?』
「私と2人では嫌かぃ?」
『ではなく以前に街に行く約束していたので…』
しかし…アレックスさんは街の外れで馬車で待機だそうだ。理由を聞いて納得したが残念…
理由は領主子息が街を散策していたら目立つし、気楽に街ぶらを堪能出来ない。殿下は平民ライフを堪能したい様だ。仕方ないなぁ…殿下がお帰りになったら別の機会にアレックスさんと出掛けようと!
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『女神の箱庭は私が救う』
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