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ローランド殿下の言動が理解できない。何を含んでいるんだろう…
「殿下…仰っている意味みが私には…」
「まぁいい…酒でも呑み語らおう。親友としてな!」
よくない雰囲気で慌てて殿下の背中を叩きお茶が飲みたいと言ってみた。額にキスをし殿下はいつもの様にロイヤルスマイルでマニュラ夫人に応接室の案内を頼んだ。とりあえず胸を撫でおろす。殿下は私を抱き上げそのまま歩き出す。殿下の表情が気になったが今は触れない方がいいと思い殿下の腕の中で大人しくする。
私達の後ろを歩くアレックスさんは超機嫌悪い。レベル5だ。もしからしたら新記録6を更新したかも…
貴賓室ではマニュラ夫人と殿下が和気藹々と話をしている。時折り殿下が話を私に振り紙に返答を書こうとすると殿下が私の手を握り
「私が代弁するからそのまま話してごらん」
と筆談を止めた。
会話の全部を殿下が代弁してくれ下手っぴな字を書かなくていいので気が楽になった。
ふと疑問に思い会話が切れたタイミングで殿下で
『なぜ私の言いたい事がわかるんですか?』
と聞いたら。意地悪そうな顔をして
「2人きりの時に教えてあげるよ」
とアレックスさんを見ながら言った。おかしい…殿下とアレックスさんは幼い頃からの親友のはず、なんでこんなにギクシャクしているの?
殿下はさっきから時折りどこかを頻繁に見ている。殿下の視線を追ってみたらがアレックスさんの左手だ。殿下は眉間の皺を深めて
「春香。アレックスの左手首にあるブレスレットは春香が作った物か?」
『はい。私の世界の願掛けアイテムで”ミサンガ”といいます。アレックスさんだけでなくマニュラ夫人やエリックさんやミハイルさんにも作りました。勿論殿下にも作って帰ったらお渡ししようと思ってたんですよ』
急に殿下は立ち上がり
「春香。ミサンガは部屋か?ならばすぐ取りに行こう!」
『えっえ⁈今からですか?まだ色々お話があるのでは?』
「春香のミサンガの方が大事だ!」
私の手を引いて部屋を出ようとする。マニュラ夫人が唖然としながら、アレックスさんに目配せしている。レベルMAXのアレックスさんは溜息を吐きながら立ち上がり
「春香の部屋にご案内致します」
止めてくれると思いきや案内を始めるアレックスさん。目の前に超不機嫌なアレックスさんと隣を歩く超ご機嫌の殿下…“何この温度差は”
心の中で“早く部屋に着いて”と叫ぶ。しかし私に合わせてアレックスさんも殿下もゆっくり歩くから中々部屋に着かなくて気まずさばがり増していく。
“あ!やっと部屋だ”
「あの部屋が春香の部屋か?」
『はい』
「アレックス。お前はもういいぞ」
「しかし未婚の女性と二人きりは…春香嬢はまだ婚約者でもありません」
「私が春香に無体な事をすると思うか?」
「いえ…申しわけありません」
「何かあったら呼ぶ。控えていてくれ」
「御意」
殿下は扉を開けてくれてエスコートしてくれ入室する。部屋で待機していて侍女さんが驚きを隠せず目が点になっている。殿下はお茶の準備を頼むとソファーに私を座らせ隣に座り腰に腕を回す。
お茶を準備し終えた侍女さんは退室していき扉を少し開けた。…が!殿下は徐に立ち扉に向かい扉を閉めてしまった。
びっくりして殿下の顔を見たら真顔で身構える。すると殿下は笑いながら
「春香。身構えないでくれ。春香が嫌がる事は女神レイラに誓ってしない。初めに嫌われかけたからね。他の者に聞かせられない話があったんだ。
ミサンガを取りに行く口実に話す事ができるよ」
『人に言えない大切な事ですか?』
殿下の話は何故声の出ない私の言葉が分かるかだった。代々国王と王子は“読唇術”の習得が義務付けられ幼少期から専門講師より学ぶ。
何故なら謀反を働くものや暗殺者等の害をなす者から身を守る為。遠くにいても読唇術があれば何を話しているが分かるらしい。
「普段は使ったりはしていないから安心してくれ。その辺の倫理観も教育されている。使うのは不穏を感じたり怪しいと感じた者だけだ」
『だから私の言葉が音に出なくても分かるんですね』
「話が通じないのは精神的負担を増す。陛下にお願いして春香の助けをしてくてここまできたんだよ」
殿下の心遣いに涙が出て来た。殿下は優しく抱きしめ頭を撫ででくれる。
『でもそんな重要な事を私にバラしていいんですか?』
「春香が貴族令嬢なら駄目だろうね。“迷い人”でいずれ私の妃になる女性だから陛下が許してくれた。この事を知っているのは陛下と私だけだ。王妃も宰相も知らない。だから内緒だよ!春香」
大きく頷き指でOKサインを出した。殿下は更に頭を撫でて「いい子だ」と優しく微笑んでくれる。
「だから春香が言いにくい事…そうだなぁ…アレクの悪口とか言ってくれても内緒にしておくよ」
『感謝する事はあっても悪口何て絶対ないです』
「アレクの肩を持つね。アレクに好意を持ったかぃ?」
『そんなんじゃありません。色々ご迷惑おかけしているので感謝してるんですよ』
「まぁ今はそれでいいよ」
話題を変えたくて慌てて立ちあがりミサンガを取りに行き殿下に渡す。
「これがミサンガか…ミハイルが戻ってからしきりに左手首を気にしているから注視していたんだ。そしたら奴の瞳の赤色のブレスレットが目に入った。コールマン領に行く際には着けていなかった。春香の贈り物だと直ぐ分かったよ。左手首を見ては溜息を吐き愛おしいそうに見つめていた。もし私に作ってくれてなければ拗ねていたよ。嬉しいありがとう…。私の瞳の色が入っているね!着けてくれないか?」
そう言って殿下はミサンガを私に渡した。だめ!私が付けたら意味がない!
『殿下。これは願掛けのブレスレットです。願いを込めてご自分で付けてください。これが切れた時に願いが叶うと言います』
「そうか。私の願いは一つだ春香が私の傍にいて妃になってくれることだ」
殿下は両手でミサンガを握り額に着け願掛けし左手首に自分で付けた。勝手なイメージで王子だから華奢なイメージがあったが、がっしりされていて手首も太くミサンガがギリギリだ。
『きつくないですか?男性サイスにしたんだすが、思いのほか殿下の手首が太くてびっくりしました。きつかったら作り直します』
「いや…これがいい。春香…そのなんだ…恥ずかしい事をあまり言わないでくれ。私は男だ我慢しているのだぞ」
『ん?言っている意味が分かりませんが…』
顔の赤い殿下はブツブツ言って勝手に納得しています。これは深堀しない方がいいヤツだ。さらっと流しておこう。
「殿下。失礼します。入室してよろしいでしょうか?」
「構わん」
アレックスさんが入室してきた。相変わらず超機嫌悪いよ。この不機嫌な表情何処かで見た気がするいつだろう…“ズキっ!”頭痛がして顔が歪む。
「「春香!」」
『ごめんなさい。頭痛が…』
殿下より早くアレックスさんが来て私を抱き上げ寝室に連れて行った。
「無理するな。後で昼食を部屋に運ばせるから休め」
『大丈夫!』と言ってもアレックスさんには伝わらない。
「春香。食事を終えたらまた来るよ。アレクと春香に話があるんだ。それまでゆっくりしなさい」
そう言うと殿下とアレックスさんは退室していった。ホンとアレックスさんて過保護だよね。娘を心配する父親みたい。
頭痛も治りベッドでゴロゴロしていたら侍女さんが昼食を持って来てくれお礼を言い食べる。
食後はお2人が来るまで待っていたら、うたた寝していたみたいで侍女さんに起こされた。慌てて起きて身なりを整え部屋に行くと2人共着替えをされてラフな格好をしている。
『着替えられたんですね。いいなぁ…私も楽な格好に着替えたい』
思わず呟くと殿下が侍女さんに着替えをする様に指示してくれ、ゆったりしたワンピースに着替える事になった。
体調を心配する2人に大丈夫と告げ、殿下の話を聞くことにした。
「まずは…王都に戻ったジャン王太子から詳細は聞いた。春香よく頑張ってくれた。十中八九ヴェルディアは王が代わる。ジャン王太子は帰国後すぐに体制を整え王を王位から引きずり下ろすつもりだ」
「殿下。いくら春香の拉致を目論んだとは言え簡単に現王が王位を降りるとは考えにくい。家臣が勝手にやったと言えば有耶無耶にできるでしょう⁉︎」
「春香。何やら春香の世界の交渉術をジャン王太子に伝授したようだね」
『はい。“司法取引”をお教えしました』
「私にも教えてくれるかな⁈」
『罪人に証言してもらう代わりに、罪人の罪を軽くする取引です。裁く側は証言を得れ、罪人は罪を軽減してもらえ両方に有益な取引です』
「現王は明らかに春香拉致の指示をした事が証明されれば罪に問われるので、この事件を公表しない代わりに王位をジャン王太子に譲り離宮に隠居させ表舞台から下すっという事だね」
頷くと殿下は嬉しそうな顔をし、アレックス驚きの表情をする。
『いらぬ争いはしない方がいい。円満に終われせる方がいいんです。腐っても一国の王様。その王が犯罪を犯したとなると国は混乱します。そうなると一番被害を受けるのは国民です。そんな事あってはならない』
「ジャン王太子が王に就任し体制が整ったら光石の取引を優先でレイシャルと結ぶと約束してくれた。我が国の光石は遠くラムダンより船で取り寄せていて、価格高く多くは輸入できず平民はまだランプを使う者も多い。これはレイシャルの発展の足掛かりになるだろう」
いい結果に今自己満足中です。すると殿下か真面目な顔をして座り直した。風向きが変わった?
「ここからは春香にはつらい話だが、今後自分の身を守るために聞いて欲しい」
「まさかローランドあの話をするのか⁈俺は反対だ。今この状況で聞かす話ではない」
「今だから知っておいてほしんだ」
何々?前ぶりが物騒だけど…聞かないはありですか?
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『女神の箱庭は私が救う』
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