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やっと舞踏会が始まります。

NEWアレックスさんは予想外の事を言うので驚かされる。不思議な空気が部屋に漂っていたら文官さんが入場の時間が来たと呼びに来た。

てっきり婚約者のミハイルさんと入場だと思っていたらローランド殿下とミハイルさんのダブルエスコートらしい。

思いっきり目立つではないか!目立ちたくないよ…

ミハイルさんに腰を、殿下には手をしっかりホールドされ逃げれない状況に。

半泣きの状況で会場入口に立つ。大きな扉が開くとそこはアニメで見入る舞踏会会場。煌びやかなシャンデリアに着飾った美男美女と生オケ。

感動する私と場違い過ぎて逃げ出したい私といる。腰が引けて来た私をミハイルさんは笑いながらエスコートし入場する。

四方八方から容赦なく視線が突き刺さります。心が血まみれです。帰りたい…


殿下は王族の上座に上がられ私とミハイルさんは貴族の列一番前のレイモンド様とアビー様の横に並びます。陛下から開会の挨拶が始まり会場が静かになり、皆陛下のお言葉に耳を傾けます。早く端でゆっくり座りたいと思いながらぼんやり立っていたら、周りがざわついているの気付きふと顔を上げると目の前にローランド殿下が立っている。

凄いいい笑顔で「春香。おいで」殿下が手を差し伸べた。手を見つめ何が起こっているのかフル回転で考えていたら、殿下が私の手を取って歩き出した。尻込みする私を後目にずんずん壇上に上がって行きます。気が付くと陛下と殿下の間に立たされ一番高い所にいる!


「皆も承知だと思うが第1王子のローランドは女神レイラの加護を受けている。それ故我が王国は栄え豊である。その加護持ちのローランドの為に神テクルスが迷い人を遣わせてくれた。それがここにいる春香嬢だ。今の時点ではシュナイダー公爵家ミハイルの婚約者である。ゆくゆくはローランドとも婚約する事になるだろう。異世界から来た彼女をあたたかく迎え入れて欲しい」


『今!陛下サラッと何言った?迷い人をバラしたよ!っで婚約なんて聞いてないし!』


焦ってローランド殿下を見たら熱を持った視線を送られる。助けて欲しくて壇上からシュナイダー公爵家の皆さんを見ると『あれ?』レイモンド様もアビー様も普通だ。怒り狂いそうなのに…なんで?


「春香!」ローランド殿下呼ばれ殿下を見ると頬にキスをされ会場が悲鳴と驚きの声があがる。皆の注目しているのは殿下の手元。いつも手袋をしているのに素手で私の頬に触れたうえ、口付けまでしているのが信じなれないようだ。


「迷い人を遣わせてくれた神テクルスに感謝を!」

「レイシャル王国に永遠とわの繁栄を!」


貴族たちが口々に歓喜の声を上げ会場が興奮状態になっている。その熱狂ぶりに怖くなり思わず殿下の袖を持つ。


「春香。驚かしてごめんね。公式の場で春香が迷い人であると公言する事で、春香に危険が及ぶのを防ぐための宣言なんだ。無理矢理私と婚姻させるものじゃ無いから安心して」


まだ少し震える私を殿下は抱きしめてくれる。香水?凄くいい匂いがするし温かい。落ち着かれて来たので顔を上げ大丈夫と告げると


「残念。もう少し抱きしめていたかったよ」

と呟き離してくれた。殿下が手を取り壇上を降りミハイルさんの元に返してくれた。


アレックスさんもだけど殿下も感じが変わった。世間知らずの坊ちゃんから好青年に。またテクルスの啓示だろうか⁈壇上に戻っていく殿下の後姿を見ながらぼんやりそんな事を考えていた。


王族から一段下がった場所がシュナイダー公爵家の位置でテーブルセットが配置されている。ここに座り休憩する。

席に座ったらレイモンド様が先程の陛下の言葉の意図を教えてくれた。

当初は私の事は知らせるつもりはなかったらしい。しかし舞踏会直前に神殿から陛下と神官長が私の”一妻多夫”を認めた情報が漏れたと神殿から知らせが入った。陛下と宰相様とレイモンド様が協議していた所に私が絶倫侯爵バーミリオンに捕まったと連絡が入る。

恐らく絶倫侯爵バーミリオンは息子が私の夫の1人になれば王家と繋がりができ、シュナイダー公爵家と張り合えると考えたらようだ。同じ様な考えを貴族に抱かせない為に”迷い人”である事を公表する事にしたらしい。

「春香が”迷い人”と知れば大抵の貴族は諦めるだろう。しかし彼奴バーミリオンは絶対諦め無い。これからも注意しなさい」


「はい」


てっきり殿下との婚約を進めるために外堀工事をしたのだと思っていた。陛下、殿下ごめんなさい!濡れ衣でした。


この後は公爵家の方々と他愛の無い話でほっこりしていた。すると会場に流れる音楽調が変わった。歓談していた人々が話を辞めてフロアーに注目する。

壇上から陛下と王妃様が降りて来られファーストダンスを踊られる。王族だけありオーラが違う。

プロダンサーの様な陛下と王妃様のダンスを見ていたらミハイルさんに手を差し出された。

意味が分からずミハイルさんの手を見ていたら


「ハル。次は俺たちだ」

「順番からしてローランド殿下じゃーないの?」

「殿下には正式な婚約者パートナーがいないので、次に位が高いもので未婚となれば俺になる」

「陛下の後なんて罰ゲームでしかないよ!」


絶対嫌で椅子にしがみついたが無駄な抵抗で、ミハイルさんに抱っこされ余計に目立ち最悪の状況に。

陛下と王妃様がフロアーから下がると、下ろしてとお願いしたのにミハイルさんは私を抱えたままダンスフロア中心まで歩いて行く。

やっと下ろしてくれたと思ったら曲が始まった。


あたふたしていたらミハイルさんが手を取りリードしてくれる。緊張して足を踏みそうで下ばかり見ていたら

「ハル。俺を見て!」

「あっはい」

目が合うと優しい眼差しを送られる。

「ダンスはこんなに楽しいものなのだなぁ…ハルに会って色んなものの良さや面白さをしり、この世界が全て楽しいと感じるよ」

「大袈裟ですよ!」


楽しそうなミハイルさんを見ていたら、私までダンスが楽しくなって来た。なんとか足を踏まずに踊り終えた。向き合い礼をすると

「春香…」背後から声をかけられて振り返るとそこにローランド殿下が手を差し伸べてられている。

ミハイルさんを見上げたら頷いてくれた。これはOKって事だなぁ⁉︎


「私と踊っていただけますか?」

「はい。喜んで」


殿下の手を取ると曲が流れ出した。すると会場がざわついた。何故か分からずキョトンとしていたら、殿下に手を取られ踊り出す。


「?」

「春香…これは私の気持ち。直ぐに答えはいらないよ」

「これって?」

「今流れている曲は私の曲なんだよ。王族は産まれた時に王宮音楽士から曲を贈られる。その曲は伴侶パートナーを決めた時に披露され、それ以降伴侶パートナーと踊る時はその曲が使われる」

「って事は…」

「この公式の場で私の意思表示をしたんだよ」

「!」


あんぐり口を開けて固まる私に殿下は笑いながら


「本当に春香は愛らしく楽しいよ。もっと色んな顔を見せて欲しい。そして王子じゃない1人の男である私を知って欲しい」


殿下の目は真剣だ。初めは殿下は暴走気味で我儘な印象でちょっと無いと思っていたけど、ここ数日は印象が変わって来た。私は第1印象で決めつける事が多く悪い癖だ。


「殿下。ゆっくりお付き合いしていきたいです」

「春香のペースでいいよ!いつまでも待つから」


気が付くとダンスを終わっていた。殿下が控えの席にエスコートしてくれ、頬に口付けてご自分の席に戻って行った。

続けて2曲踊ったので休憩します。アビー様にダンスを褒めてもらい、落ち着いたらレイモンド様と踊る約束をした。レイモンド様がそわそわしているのがなんか可愛い。果実水を飲んでいたら金髪の大柄美女2人がこっちに歩いてくる。


「姉上!」

「カリナ!」


アビー様はその美女とハグをされ嬉しそうに話しをしている。誰だろう?振返ったアビー様が 


「春香ちゃん紹介するわね。私の妹のカリナと姉の娘のメリージェーンよ」

アビー様の姉妹だ。慌てて立って挨拶するとカリナ様に抱き付かれた。


「もー姉上!聞いていた通りなんて可愛いの!私が嫁に欲しいぐらいだわ。春香ちゃん!よろしくね。そして去年の付き合わせでゴラスから来た1番上の姉の娘のメリージェーンよ。今、タナス伯爵家のご嫡男と婚約中でレイシャルに居るの。年も春香ちゃんと同じで18歳だから仲良くしてやってね」


アビー様の姪御さんはアビー様に似て背が高くプラチナブロンドに薄いピンクの瞳が印象的な美女だ。


「春香さん。初めましてメリージェーンと申します。叔母様が仰っていた通りなんて可愛らしい方なんでしょう。同じ年ですしタナス伯爵に嫁ぐ予定なので仲良くして頂きたいわ」


「私こそよろしくお願いします」


レイモンド様が席を勧めてくれ着席しガールズトークに花をさかせる。少ししたらカリナ様が


「春香ちゃん。ミハイルも殿下も気に入らなかったら、うちの息子レオンの所に来ない?レオンも中々お相手が見つからなくてね…春香ちゃんならあの子もきっと喜ぶわ!」

「カリナ駄目よ。さっき陛下も春香ちゃんは“迷い人”だと宣言したでしょう。」

「でも本人が嫌だと言えばうちのレオンにもチャンスがあるじゃない!レオンより私が春香ちゃんを娘と呼びたいのよ」

「・・・」また知らぬ間に母が増えたようだ。


アビー様とカリナ様のマシンガントークについて行けず作り笑いで固まっていたら、レイモンド様が目の前に来て


「春香。私と踊ってくれるかぃ⁉︎」

「勿論!喜んで!」


レイモンド様の手に私の手を重ねた。丁度曲が変わるタイミングでフロアーにでる。レイモンド様の手は温かく緊張も不安も消えて行く。曲が流れレイモンド様のリードで踊りだす。凄く踊りやすく楽しいく踊っていたら、レイモンド様が表情が急に厳しくなった。私粗相しただろうか…


「春香。何があってもお前を守るから私に任せなさい」

「はい?」


意味が分からなくてキョロキョロしていたら、ねちっこい視線を感じよく見ると絶倫侯爵バーミリオンがにやけ顔でこちらを見ていた。


せっかくレイモンド様と楽しく踊っているのに!

何もなく終わればいいけど…


何かとお邪魔虫な絶倫侯爵。あまりオイタが過ぎると陛下に怒られますよ!


お読みいただきありがとうございます。

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『女神の箱庭は私が救う』こちらもよろしくお願いします。

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