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迷い人とテクルスの遣いの説明があります

全く状況が見えなくて立ち尽くす私。


「アレックス。春香はまだあの日の事を思い出せていない。全く状況が分かっていないんだよ。まずは春香に状況を説明しないと」

ローランド殿下を見て大きく頷くと殿下は私の手を引きソファーに座れせてくれた。


「春香。シュナイダー公爵から春香が“迷い人”であると認めてくれたと聞いた。本当に嬉しかった。春香を遣わせてくれたテクルスの感謝だ」


「あの…テクルスが高頻度で話に出ますが私と何の関係があるのですか?」

「“迷い人”はレイラの加護持ちの為にテクルスが異世界から召喚した未婚の女性の事だ」

ローランド殿下の説明ではレイラは自分の愛情を注ぐ為に数百年に一度王族の王子に加護を与える。生涯 自分レイラだけ愛すようにする為に。


1人目の加護持ちの時にテクルスが召喚した女性は加護持ちの王子の心を受け取り、2人はレイラの呪縛から逃れ幸せを手に入れた。

しかし2人の加護持ちの時は召喚された女性は元の世界に結婚を約束した恋人がいた。加護を受けたフィリップ王子は必死で迷い人の心を得ようと色々手を尽くしたが、彼女の心は変わる事が無かった。

フィリップ王子は焦り迷い人を離宮で囲う様になり、迷い人は心を病んでいった。不憫に思った神テクルスが彼女の心の叫びを聞いた貴族男性に彼女を元の世界に帰す役目を与えた。テクルスの啓示を受けた貴族男性は容姿が変貌する。濃色の髪と瞳は中間色(淡色までいなか)に変わった。

テクルスの遣いは迷い人の心に寄り添い、再度迷い人が“帰りたい”と心から願った時、テクルスの神力を借り迷い人を元の世界に帰した。


何故、2人目の迷い人が元の世界に帰った事が秘密にされているかと言うと、2人目加護持ちのフィリップ王子がかなりの高慢な自信家で迷い人を軟禁したりし王子としての品を疑う行動が目立った。迷い人が帰った後は自暴自棄になり更に酷くなったらしい。当時の王はこの醜聞を隠すためフィリップ王子が迷い人と得られなかったと公言し真実を隠した。

真実が書かれた歴史書は禁書扱いになり、ミハイルさんに聞いた通り図書館改革で陛下の私室奥の禁書室に門外不出となり歴史から消えた。


「そのテクルス遣いがアレックスさんなんですか?」

「そうだよ。春香の心にテクルスが応じたんだ」

「確かに帰る気満々ですが、そんな切実に願ったりしてないと思うんですが…」

「町屋敷で倒れた日の事は全く覚えていないのか?」

「朝食後から公爵家屋敷に向かう馬車の中までごっそり記憶が無いんですよ。アレックスさん何か知っていますか?誰に聞いてもいつか思い出すからって教えてくれないんです」


「・・・」

殿下もアレックスさんも気まずそうだ。すると貴賓室の扉が開きレイモンド様とミハイルさんそして陛下が入って来た。

「ローランド。説明は終わったか?」

「一通りは。しかしアレックスが啓示を受けたあの日の記憶が無い春香にどう説明しようかと今考えて居たところです」

「陛下。発言をお許しを」

「レイモンド。ゆるそう」

「今、春香は心身ともに落ち着いているので自然に記憶が戻るまでこのまま穏やかに過ごさせてやりたいのです。本人も町屋敷に戻ってもいいと言っており、殿下やミハイルそしてアレックス殿といい関係を築いていける好機だと」

「春香。町屋敷に戻っていいのか?」

「はい。折角皆さんが用意くださったのに、勿体ないし町屋敷なら自由に過ごせるので」


「ならば明日にでも町屋敷に戻るがいい。屋敷の警備責任者はシュナイダー公爵家のジョシュに任命する。アレックスは春香嬢専属の護衛騎士とし町屋敷に住まいを移しなさい」

「専属騎士なんて必要ないと思うのですが」

「この国の安寧は春香にかかっているのだ。故に春香には穏やかに過ごして欲しい」

「アレックスは啓示を受け己を悔い改めている。春香を傷つける事はもうしないだろう」


「アレックスさんは言葉はキツイけど非常識なとこは仰って無かったと思いますが…まさか!」


アレックスさんが目を見開く硬直する。

私は少し意地悪して


「記憶が無い日に私アレックスさんに虐められたの⁈」

と戯けていってみたら…部屋の空気が凍りついた


「ハル!何か思い出したのか!」

「いえ!何となく言っただけで、こんな空気になるなんて…アレックスさん冗談ですからね!」


チョットの意地悪のつもりがタチが悪かったみたいで皆さんの顔色を悪くしてしまった。

「ごめんなさい…」


「いや、春香嬢が謝る事はない。元は俺が貴女の心情を思いやる事が出来なかったのだから、ある意味虐めと思われても仕方ない」


アレックスさんか深々と頭を下げている。居た堪れない!

「えっと今は本当に分からないから謝られると変な感じになるのでもう止めて下さい。思い出して腹が立ったらその時に怒りますから!」


アレックスさんに手を差し伸べたら、顔を上げ優しい微笑みを送ってくれる。

苦手だからあまりちゃんと見た事無かったけど、こうやって真正面から見ると端正なお顔だちしていてカッコいい。髪と瞳が柔らかい色になったからか、とっつき易くなった気がする。


「春香。アレックスと仲良くなるのはいいけど、私とミハイル忘れないでくれよ」


私の腰に腕を回して頬にキスをすローランド殿下。

アレックスさんと反対の手を取り手の甲に口付けるミハイルさん。これは乙女ゲーでよく有る”逆ハーレム”ってやつ⁈

スゲー!心の中悶絶していたら従僕さんがお茶を入れてくれたので舞踏会が始まるまで休憩します。


陛下とレイモンド様は話があるらしく、別室に行かれ残った皆さんでティータイムです。

何だろう…ミハイルさんもローランド殿下も自然ナチュラルで話しやすい。

前は必死さが前面に出ていて圧倒されていたが、今は同じ空気感で居心地いい…


少しするとジョシュさんが迎えに来てくれた。約束通り会場まエスコートしてくれます。廊下をゆっくり歩いていたら、すれ違う令嬢が皆んな振り返る。ジョシュさんは王道の王子様キャラだ。心の中で『ウチの兄様イケてるでしょ』と自慢していた。


『あっ!ヤバイ』お手洗いに行きたくなった。ジョシュさんに何て言おうか考えていたらジョシュさんは少し笑い


「春香ちゃん。今でも最高に可愛さけど、もう少し紅をさした方が可愛くなるよ。お色直ししといでここで待っているから」


「あっ!はい綺麗にしてきます」


ジョシュさんの機転でお手洗いに行けた。スッキリして手を洗っていたら背中に視線を感じ、目の前鏡を見たら


「あっ!」なぜ今なんだろ!

またまた厄介な事に巻き込まれる予感?


お読みいただきありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価よろしくお願いします



『女神の箱庭は私が救う』こちらもよろしくお願いします。

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