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目覚めて元の世界に戻れてるのか?

朝目が覚めて部屋を確認するが昨晩寝た客間だ。

昨晩は夢を見なかった。

ベッドで呆然とする。まじなやつだ…

いつか帰れるのか分からない。このままこっちで過ごさないといけないのか…

冷蔵庫に昨日奮発して買った高級パン屋ドンビのクロワッサンサンドが入ったままだ。あれ賞味期限短いから早く食べないといけないから早くかえらないと!


ベッドで色々考えてみるけど、解決策なんて思いつかない。あまり目立たずこの国で働き帰る方法を探すしか無いのか…

すると扉から侍女のモリーさんが入室許可を聞いてきた。

返事をしたら着替を持って来てくれた。

可愛らしいラベンダー色のシンプルなワンピースだ。普段パンツスタイルの私はスカートは心許ない。お世辞でも似合っているとモリーさんは褒めてくれる。朝食はダイニングルームでミハイルさんととるらしい。あんな美男子と食事なんて無理だ!でもお世話になっているから嫌って言えない。

足取り重くモリーさんの後ろを歩く。

『まだ?』迷路の様な廊下をかれこれ10分近く歩いているのに着かない。どんだけ広いんだ!

確か公爵家って言っていたから、位的には高位貴族だ。無駄に広い屋敷に!ブツブツ文句を言いながら歩いていると突き当たりに大きな扉が見えて来た。

どうやらあそこがダイニングルームのようだ。


扉の前に従者が立っていて扉を開けてくれた。

中のダイニングテーブルにはミハイルさんが座って新聞を読んでいる。濃紺のスラックスに白のワイシャツ。第一ボタンを外してラフにしている。

絵になるなぁ…って思っていた私に気付き立ち上がりこっちに来る。


「おはようございます。昨晩は眠れましたか⁈」

「おはようございます。ありがとうございます」


手を差し伸べられ席に誘導され椅子を引いてもらい着席する。目の前にはホテルで出るような朝食が並べてられている。美味しそうだが量が多い!こんなに食べれないよ!


「レディ。お口に合えばいいのですが…さぁ!いただきましょう」


ミハイルさんの掛け声で給仕も始まりテーブルにすごい量の料理が運ばれて来る。どんだけ食べると思われているんだろう…

スープとクロワッサン2個とオムレツでもうお腹いっぱいだ。向かえに座るミハイルさんは気持ちいいくらい食べている。

こっちに来て会った方々は皆んな大きい。侍女のモリーさんも170㎝はある。私は日本人平均体型で160㎝で体重は…標準!だ。


食後のお茶を飲んでいたらミハイルさんが食事の手を止めて


「あれから書斎で”日本国”を調べましたが、手掛かりすら見つかりませんでした」

…でしょうね!


「何か覚えている事はありませんか⁈」

なんって言ったら正解?嘘つくと後で辻褄が合わなくなるから、本当のことを入れながら誤魔化して…


「私の国は閉鎖的な国で未成年のウチは国内の事しか学びません。成人すると国外の事を教わり国外に移住したり出稼ぎ出る者もいます。私はまだ未成年で国外の事を教わっていません。ですので説明しようがないのです。ただ年長者から東の端の小さい島国だと聞いています」


「本来女性にお聞きするのは失礼になりますが、春香嬢はお幾つですか?」


「18です」

…未成年通すのに2歳サバよみました。

ミハイルさん何故そんなに驚いているんですか?


「…しっ失礼した。もっとお若くお見受けしたので」


この後色々質問?尋問?されある程度ぼやかしながら話し、公爵が帰るまで一旦部屋で休む事になった。

部屋に戻る道すがらモリーさんにこの国に日常の常識を教えてもらう。

1日は12時間(1時間=120分)で季節が無く年間通して温暖な気候。1週5日で6週で1ヶ月(30日)計算で10ヶ月で1年らしい。

日の出が3時(6時)で日の入りが9時(18時)で変わることが無い。


部屋に戻りモリーさんがベッドメイクの間本棚の本を見てみた。この国の文字はアラビア語の様な字体をしているが、異世界小説のあるあるでチートな能力で読もうとすると日本語に変換される。

背表紙の本の題名を見ていたら気になる本を見つけた。題は”レイシャル王国の全て”。暫くこの国で過ごさないといけないなら知識が欲しい。モリーさんに許可を貰いソファーに座り本を開いて1ページ目を読み出したら、執事さんが公爵夫妻が戻られたので執務室に案内してくれるそうだ。


緊張しながら執事さんの後をついて行く。ちなみに執事さんはクロードさんと言うらしい。執事って年配のおじ様ってイメージあったけど意外に若そうだ。またいっぱい歩いてやっと執務室に着いた。

クロードさんが入室許可を取り扉を開け部屋に入ると、ミハイルさんとミハイルさんに似た公爵様とハニーブロンドの美男子がソファーに座っている。

クロードさんに席に案内され、1人掛けのソファーに座る。侍従さんがお茶を用意すると退室し、公爵様が話し出した。


「私はシュナイダー公爵家主のレイモンドと申します。お嬢さんのお名前を伺ってもよろしいか⁈」


「はい。織田春香です。春香とお呼び下さい」


「春香嬢。ミハイルはもう面識があるな、ジョシュご挨拶を」


ハニーブロンドの美男子がジョシュさんらしく丁寧な挨拶をしてくれた。

公爵様はまず帰り方が分からない私を暫くこの屋敷に置いてくれるらしい。領地で保護したからほって置けないのと、外に出すのが危険だと言う理由らしい。なんで危険なの?


「私はどこかに家を借りて仕事を見つけ、生活しながら帰り方を探したいと思っています。そこでお願いがあります。生活基盤が整うまでこちらで働かせていただけませんか⁈」


「ミハイル。この国の事情と春香嬢の状況を説明していないのか⁈」


「?」


公爵様は気不味そうなミハイルさんにため息を吐き座り直し話し出した。


レイシャル王国は女神レイラが作り加護を受ける国。諸説あるがはるか昔に女神の逆鱗に触れ、この国は男児しか生まれなくなった。このままいくと人口が減り国が消滅してしまう。そこで王家は他国から花嫁を迎える事を決めた。そこで交渉したのが海峡を挟んだゴラス国。ゴラスも理由は諸説あるが女児しか生まれず花婿を他国から迎える準備をしていた。

利害が一致した2国は年に1回適齢期の男女を付き合わせ婚姻を促し人口を保っている。

2国共長子は後継とし伴侶を迎え、2児以降が相手国に嫁ぐ(婿入)する事になった。シュナイダー公爵家はミハイルさんが嫡男だから、ゴラスから花嫁を迎えてジョシュさんがゴラスに婿入りする。

付き合わに参加出来るのは17歳から25歳。犯罪歴が無く納税をしている成人が対象。

基本貴族同士・平民同士縁組されるが、平民でも貴族に気に入られると縁を結ぶ事がある。所謂玉の輿だ。

相手は1名。貴族であれ例外はない。

そこで犯罪が発生する。妾が欲しい貴族・豪商や付き合わせに参加出来ない者が闇ブローカーに頼み、ゴラス以外の国から花嫁を拉致し妾や花嫁にする。拉致されは者は戸籍や身分を持てず虐げられている。


どうやら私はこの他国から拉致されたと思われているらしい。状況的にそう判断されても仕方ない。

付き合わせで来た女性は夫や婚約者を示すブレスレットの着用義務があり教会が管理している。

これが身分証になる訳だ。これが無いと働けないし公共機関利用や医者に診て貰えない。

そういえばモリーさんも左手首にブレスレットをしていた。


「結論から言えば春香嬢が望んだ様に街で自立するのは無理なのです」


「ではどうすればいいの!」


「事情を説明し教会に保護して貰い、例外で花嫁を求める者に嫁ぎ身分を得る事になります。その場合は付き合わせと違い本人の意思は尊重されません」


「相手を選べないって事ですか?」


「そうなります」


愕然とし俯いてしまう。いくら喪女でも相手くらい自分で選びたい…ダメだ涙が出てきた。


突然誰か入室して来た。扉を注視するとハニーブロンドに綺麗なウェーブヘアーの美女が入ってきた。

ドレスは着ていなくてライトグレーのスラックスに白のフリフリのシャツを来た男装の麗人だ。その麗人は足早に私の元に来て手を取って立ち上がらせ抱き着いて来た。呆気に取られて涙が引っ込んだ。


「クロードから話は聞いたわ。何て可哀想なの!こんな幼い子を拉致し怪しげな者に嫁がせるなんて!きっと犯人は幼女趣味の良からぬ輩だわ!レイモンド!ウチで保護してあげれない?うちの領地に居たんでしょ!」


この人誰?美人だけど大きい!180位あるんじゃーないの⁈力強くて息苦しい!

もぞもぞもがくが抗えず意識が朦朧として来た…


「母上!春香嬢を抱き潰す気ですか!」


ミハイルさんが美女から助けてくれたのはいいけど、何でミハイルさんの腕の中なの?

ミハイルさんは私を抱きしめたまま、美女といい争っている。ため息を吐きながらジョシュさんがミハイルさんの腕の中から助けてくれソファーに座らせてくれた。


もうぐったりです。

お読みいただきありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録よろしくお願いします。


並行して連載している『女神の箱庭は私が救う』も良ければよろしくお願いします。

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