表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日露大戦  作者: 登録情報はありません
34/67

1904年仁川沖海戦

仁川沖海戦は日本軍14隻対ロシア軍2隻で日本の圧勝だった。仁川で上陸した第一軍は鴨緑江で敵将ミハイル・ザスリッチと対峙した。

1904年2月6日日本はロシアに断交を通知。

1904年2月7日ロシアに対して宣戦布告した。


ここに日露大戦が勃発する。


この電文は長崎からウラジオストクへ、海底ケーブルを介して電信された。

ニコライ二世はこの報を、サンクトペテルブルクの冬の宮殿で聞いた。


ニコライ二世「まことか?」

「黄色い猿どもめ!目にもの見せてくれる!」


巡洋艦浪速を旗艦とする攻撃艦隊が2月7日に佐世保を出撃した。


海軍「まずは釜山だろ」

陸軍「いや大孤山だろ」


これは中間地点の仁川を取ることになった。


釜山は海軍には最短だが、陸軍には遠回り。

大孤山は陸軍には近道だが、海軍には遠回りだった。


目指すは仁川港に停泊するロシア戦艦だ。


仁川港は国際港だ。

ロシア、英国、フランス、アメリカ、イタリアの艦艇が停泊している。


なんと日本の防護巡洋艦の千代田さえも停泊していた。


第4戦隊司令官の瓜生(うりゅう)少将は、領事を通じて、ロシアに宣戦布告を通達。

2月9日までに出航しない場合は、ロシア艦船を港内で攻撃すると通達した。


瓜生(うりゅう)「まあ念のためだ」

「宣戦布告は後々うるさいからな」


2月8日早朝、巡洋艦千代田は仁川港を脱出し、艦隊に合流した。

2月8日午後、ロシア砲艦コレーエツが湾外に出てきて交戦となった。


魚雷戦となったが、双方ともに被害はなかった。

魚雷は打ち放しのため、不発とも外れたとも言えた。


巡洋艦ヴァリャーグが続いて港を出て、これとも交戦となった。

日本軍14隻対ロシア軍2隻では、ロシア軍に勝ち目は無かった。


ロシア船は被害を受けながら港に引き返し、それぞれが自沈した。

日本人に拿捕されるのを嫌ったためだった。


乗員は全員捕虜として松山の大林寺に護送された。

陸軍の先遣部隊を乗せてきた輸送船3隻で送り返した。


後にヴァリャーグは引き上げられ、宗谷として日本軍で活躍する。

こうして仁川沖海戦はあっけなく終わった。


陸軍第一軍は仁川から上陸し、鴨緑江という河川に向かった。

そこにはミハイル・ザスリッチ率いるロシア軍が待ち構えていた。


ザスリッチ「主力は丹東の町に集結している」

「ここに防御陣を集中し、日本軍を撃滅せよ!」


そこに斥候が息も切れ切れに飛び込んできた。

ザスリッチ「どうした!丹東の町を出たか?」


斥候「丹東の町にいるのはオトリです!」

「さらに上流の義州の町に敵主力が集結しています!」


ザスリッチ「な、なんだとう!」

参謀「如何致しましょうか?」

「兵を再配置して義州の町に向かわせましょうか」


ザスリッチ「日本人がそんなに機敏であろうか」

参謀「渡河には200艘の小舟を繋いで仮設橋を作ります」


季節は2月、零下16度でまあ「ちょっと寒い」ぐらいである。

日本人は渡河を狙われれば、川に落ちれば凍死するだろう。


ザスリッチ「彼らは町を出て浅瀬を探しているのだ」

「引き続き丹東の町を防御陣の中心とする」


「斥候は義州の町も警戒せよ」

斥候「Понял(ポニョ)!」


ザスリッチは日本人を低評価しており、ロシア軍を再配置しなかった。

そのため日本軍は易々と鴨緑江に仮橋でき、渡河に成功した。


日本軍兵士A「全然敵と遭遇しないなあ」

日本軍兵士B「丹東の町のオトリに引っ掛かったな」

日本軍兵士C「欺瞞作戦がこれ程上手くいくとはな」


斥候「義州の町の浅瀬に仮設橋ができ、日本兵が渡河し始めました」

ザスリッチ「な、なんだとう!」


ザスリッチは地団駄を踏んだが、もう遅かった。

こうなればロシアお得意の「撤退作戦」だ。


ザスリッチ「撤退作戦で日本軍をおびき寄せるぞ」

「ちょうど焼売の皮が中身を包むような格好だ」


だが攻撃精神旺盛な日本軍の白兵突撃は予想以上に速かった。

黒木司令官「ロシア軍は撤退作戦だ!」


黒木「撤退速度以上の突撃速度でロシア兵を蹴散らせ!」

野戦重砲の支援の元に、騎兵が突撃、思う存分蹂躙した。


日本軍兵士A「うおおおっ、コイツを待ってたんだ!」

日本軍兵士B「反撃の隙を与えるな!」

日本軍兵士C「いけ~!ぶちかませ~!」


ロシア軍は撤退作戦の筈が、本当の撤退になってしまった。

ザスリッチ「ああ、焼売の皮が破けちまう!」


第一軍司令官の黒木為楨(くろきためもと)はその猪突猛進ぶりを恐れられた。

ロシアでのあだ名は「クロキンスキー」だったという。


撤退速度を上回る突撃速度に、ロシア兵は脆くも崩れ去った。

ロシア軍は北へ撤退し、大石橋で日本軍と再度まみえる事となる。

次回は1904年旅順口攻撃です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ