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日露大戦  作者: 登録情報はありません
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1842年高橋秋帆002

シベリア河川交通はすでに太平洋に達していた。高橋秋帆はさらに驚くべき言葉を口にする「ロシア帝国のシベリア鉄道計画」だ。蒸気帆船では回航に8ヶ月掛かるが、蒸気機関車なら9日間で行ける。これはとんでもないことだった。

挿絵(By みてみん)


高島「これがロシア帝国のシベリアだ」

「赤い点は大都市で、すべて河川交通の(かなめ)と決まっておる」

「無数の沼地、湿地帯、湖が無数の河川で繋がっている」


何十キロ進んでも数メートルの起伏もない、ただ平坦な不毛の荒れ地シベリア。

それゆえ野獣の楽天地となり、人跡未踏の大森林が続くシベリア。


ここにはヨーロッパのようにロシアに立ち塞がる強力な国家がなかった。

清国のように領土争いに陥るアジアの列強もいなかった。


狩猟や森林伐採の為のルートなので未整備の河川だ。

それでも緑色の河川を繋げば東西を舟で行き来出来る。


川と川が連なっていても水路がない所は赤紫の部分だ。

「舟を担いで」陸路をいく連水陸路だ。


挿絵(By みてみん)


これは底の平たい野獣の皮を張った川舟だからこそ出来る軽業だった。

やがて舟が巨大に進化すると、河川を繋ぐ「運河」を掘るようになった。


ロシア人はとうとうシベリア横断を達成、太平洋岸に到着した。

これ以降シベリアはロシアの領土となった。


高島「17世紀にはこのルートは太平洋側に繋がったと考えられる」

「ここにロシアはいよいよ鉄道を敷設するつもりらしい」


三龍「え?もうこの時代(1842年)にですか?」

高島「モスクワとサンクトペテルブルク間の工事はもう始まっておる」


三龍「なんと!」

彼らは顔を見合わせた。


17世紀になるとロシアはウラル山脈西方の毛皮資源をほぼ取り尽くした。

そこでウラル山脈東方のシベリアに目を付けた。


19世紀後半、シベリア探索に本腰を入れたのには理由がある。

18世紀に清国が弱体化したにより国境が手薄になったからだ。


また蒸気船による河川交通が可能になったことも原因のひとつだった。

ここに鉄路を敷き、蒸気機関車を通そうというのだ。


その総全長は約9300km。

時速40kmで9日間、時速60kmで6日半で横断できる。


蒸気帆船のアフリカ-インド洋経由なら8ヶ月を要した。

これはとんでもないことなのだ。


諸外国との圧倒的な技術差はこの「蒸気機関車」だ。

1686年ドニ・パパンが蒸気機関の原型を発明。


1802年リチャード・トレビシックが蒸気機関車を発明。

1829年ジョージ・スチーブンソンが蒸気機関車の基本設計を確立。


1830年マンチェスター・リヴァプール間の鉄道敷設。

いわゆる「鉄道狂時代」のはじまりであった。


日本はいまだ鎖国の夢から目覚めていない。

冶金、工作機械、蒸気機関、鉄道etcが何も無かった。


蒸気機関の理屈は海外の技術書を読めば分かった。

だが設計製図や切削加工はチンプンカンプンだった。


何が分からないか分からないという初歩の初歩だ。

工作道具はあったが、工作機械がまったくなかった。


「機械の母」と呼ばれる旋盤がまず無かった。

1780年英国のヘンリー・モーズリーが近代旋盤を発明している。


日本でも伊藤嘉平治が海外の模造品を作ろうとはしていた。

足踏み式のミシンのようなものを考えていたようだ。


からくり儀右衛門こと田中久重の工房に弟子入りしていた。

彼はオランダのダライ盤(研磨機)を見たと言われている。


高島「少しずつやっていけばいいのだ」

三龍は頷いた。


下曽根「まずは軍事かなあ」

江川「外交も結構難しいぞ」

村上「焦らず騒がず正確にだ」


1853年ペリー来航まであと10年であった。

次回はペリー来航です。

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