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ミッション78 クイズ番組に出演しちゃった・・・!? その3

お待たせしました、新話投稿です。



その後も俺達は出題される問題に答えていった。


「問題!”春が旬の魚であり、黒褐色の体色にぼんやりとした数本の黒い横縞、胸ビレと腹ビレと尾ビレが赤みを帯びている魚の名前は何”?」


ピンポーン!


「はい、ニャンクルナイサーさん!」


「答えは”メバル”・・・!」


ピンポンピンポン!


「正解!冬から春にかけてよく脂がのる、煮付けとかが定番のお魚ですね。ちなみに現在メバルは、研究の結果アカメバル、クロメバル、シロメバルという感じにそれぞれの種に区分されているらしいらしく、味の良さ的にはシロ、アカ、クロといった順番となっているらしいですよ。―――では次の問題に行きましょう!問題!”雨が降った後とかによく見られる虹ですが、その色の配列は決まっているそうです。片方の端は赤色だそうですが、ではもう片方の端は何色でしょうか”?」


ピンポーン!


「はい、ミドリノハカセさん!」


「答エハ”紫”デス」


ピンポンピンポン!


「正解!虹の色は大体赤、橙、黄、緑、青、藍、紫といった七色の配列になっています。ちなみに、虹の色は地域によって数が異なっている様であり、一番多くてアフリカの八色、一番少なくて南アジアの赤と黒の二色といった感じになっているそうです。―――では次の問題です!問題!ボールを使ったスポーツであるサッカーでPKというものがありますが、これは何の名称を略したものでしょうか?正式名称をお答えください。」


ピンポーン!


「はい、ダッククルーゾーさん!」


「イーイイー・・・!」(答えは”ペナルティキル”・・・!)


ブッブー!


「違います。というかキルって・・・いったい誰を殺すんですか」


ピンポーン!


「はい、レッドローラーさん!」


「答エハ”ペナルティキック”ダ!」


ピンポンピンポン!


「正解!PKとはペナルティキックの略であり、ペナルティーエリア内での特定の反則行為に対してキッカーと反則行為をした選手のゴールキーパーが一対一の状態で行われるフリーキックの一種です。ちなみにこのPKはフェイントはオーケーらしいのですが、審判時よっては良しとされない場合もあるそうです。―――では次の問題です!問題!”料理でよく使われている小麦粉ですが、これは料理以外の使い方も存在します。それは何”?」


ピンポーン!


「はい、ニャンクルナイサーさん!」


「答えは”粘土にする”!」


ブッブー!


「惜しい・・・!そういう使い方もあるにはありますが、今回の問題の答えとは違います」


ピンポーン!


「はい、ミドリノハカセさん!」


「答エハ”粉塵爆発”!」


ブッブー!


「それも違います。というか、なんで物騒な方面での活用法なんですか。そっち方面の答えは求めてません。もっと平和的と言うか、家庭的なのをお願いします」


ピンポーン!


「はい、マスクドバストさん!」


「答えは”頑固な油汚れの掃除”!」


ピンポンピンポン!


「正解!小麦粉は乾燥させたデンプン質で出来ており、そのデンプン質には油を吸収する働きがあります。その為、頑固なあぶれ汚れに振り掛ければ油そのものを吸い取って落としやすくするのです」


オンパァーから出題される問題を次々と答えていく俺達であったが、それに正解したり間違えたりする度に俺達が座っている椅子はどんどん上昇し、傾いていく。

その角度は今ではかなりの急勾配となってきており、座り続けるのはかなり辛くなっている。おそらくあと数回分傾いてしまえば、そのまま滑り落ちてしまうことだろう。

特にアルミィがもうヤバい。彼女が座っている椅子の角度は急勾配を通り越してほぼ直角に近く、何時落ちたとしてもおかしくない。

今は何とか手足の肉球を滑り止め代わりに椅子や滑り台にくっ付けて座る体勢を保持しているが、正直そう長くは持たないと思われる。・・・顔を真っ赤にしてプルプルしてるし。

ちなみに、座っている椅子の角度が急勾配となっているという点では、俺達の相手チームであるロボット達も同じなのだが、しかし角度的にはまだ向こうの方が余裕がありそうだ。

深く椅子にどっしりと座って体勢を保持しているその姿は安定感が感じられる。落ちるのでは、とはとても思えないくらいに。


「フッ・・・・・・!」


「(・・・・・・ん?)」


・・・いや、良く考えればなんかおかしい。普通あそこまで角度が傾けば、多少なりとも体勢が崩れる筈だ。今の俺達みたいに。

だが、かのロボット達は全く崩れていない。椅子の背もたれに自分達の背中をピッタリとくっ付けて・・・・・・


「(・・・・・・って、良く見ればコイツ等の座っている椅子、なんか背もたれに黒いシートみたいなのがあるんだけど)」


そこでふと俺は気が付いた。俺達が座っている椅子にはないどこか光沢のある黒いシートが彼等の椅子の背もたれに張り付いている事に。

それは時折バチリッと集中しなければ聞こえない位に小さな音を響かせており、その度に黒いシートの表面にまるで波打つように細長い青い横線が上から下へと流れている。


「オット・・・!」


その時、相手チームの一人―――ミドリノハカセの体が椅子の上でズルッと滑った。

これは落ちるだろう。そう俺が思っていたその時、先程も耳にしていたバチリッという音が聞こえた。


「フゥ・・・危ナイ危ナイ」


その瞬間、滑り落ちそうになっていたミドリノハカセの体はまるで巻き戻る様に椅子の上へと引き寄せられ、座り直していた。


「は・・・・・・はああぁぁぁっ!?」


それを見た俺は思わず声を上げて叫んだ。

落ちると確信を持って言えたそれが、次の瞬間には不可解な動きをして元に戻ったのだ。そういう反応になるのは当然だろう。そしてその原因となったのが彼等の背に貼り付けられている黒いシートであると理解した時、俺は衝動的に「いや、反則だろうそれぇぇっ・・・!?」と叫びたくなった。


「オイコラ、そこの紳士面したロボット!アレは何だ!アイツ等の背もたれにあるあのシートがバチリって音が鳴った瞬間、落ちそうになっていたアイツの体が椅子の上に戻ったぞ!反則じゃないのか、アレはぁっ!?」


というか、実際にオンパァーに向かって抗議した。だって明らかにあの黒いシートがある限りアイツ等が落ちる事は無いだろうし。

だが、そんな俺の抗議に対してオンパァーは澄まし顔を浮かべながら ―――ロボットフェイスの為表情が変わらないので纏っている雰囲気からの推測だが―――漂々とした声音でこう答えた。


「いえいえ、アレは反則ではありませんよ。アレは舞台を盛り上げる為に用意した物なのですよ。なにせ皆様も実際に座って分かる通り、その椅子と滑り台はとても滑りやすい素材で出来ておりましてね。貴女方はともかくとして、体が金属で構成されているロボットである彼等を何のテコ入れもしないで座らせたら、軽く傾いた瞬間に滑って落ちてしまうのですよ。それでは舞台がすぐに終わって面白くありませんし、何よりテレビの前のお茶の間の皆様も鼻白んでしまうでしょう。・・・・・・故に!だからこそ!私は彼等の為にアレを用意したのですよ!あの『超電磁石シート』を!!」


オンパァーが口にした『超電磁石シート』とは、なんでも普段は一般的に使われている磁石より引き寄せる力が多少強いだけの代物らしいのだが、一瞬だけでも電気を流したその瞬間、その力が大幅に強化される物らしい。

それにより数百kgから一tまでの金属類を引き寄せる事が可能となるらしく、またレッドボーラ―やミドリノハカセの機体重量は約三百kgだそうなので、彼ら程度の重量であれば問題なく引き寄せられるそうだ。

ただし欠点もあるらしい。効果範囲が半径一m以内までであり、それ以降は引き寄せる力が急激に弱くなっていってしまうらしく、最終的には一般的に使われる磁石以下にまでなってしまうらしい。


「要するに、今回の様な時でもない限り使われることが無い代物というわけです。・・・ご理解いただけましたか?」


そう言いながら右腕を軽く胸に当てながらお辞儀をするオンパァー。その動きは実に芝居臭った仕草であり、こちらを小馬鹿にしている様にも感じられる。


「いや、理解はしても納得するわけないだろうが。結局、アレがある限り奴等が落ちる事が無いのは変わりないってことじゃん」


そんなオンパァーに対し、俺は「何言ってんだ、コイツ」という感じにツッコミを入れた。

そう。どれだけ説明をされようが、結局の所話が変わるわけではない。どれだけ椅子が上昇して傾こうとも、アレがある限りアイツ等は椅子から落ちる事は基本的にない。つまり、公平性という観点から見れば明らかにアイツ等の方が優遇されており、有利であると言えるのだ。

「椅子の角度が直角九十度となったとしても落ちる事はないのではないんじゃないか?」と俺がそう口にした時、司会席にいるオンパァーが「ノンノン・・・」と肩を竦ませながら首を横に振った。


「お言葉ですが、お嬢さん。あのシートはそこまで便利な代物ではないのですよ。当然限界が存在しておりましてね」


「・・・限界?」


「ええ・・・先程説明した通り、電磁石シートは一瞬だけ電気を流す事で引き寄せる力が大幅に強化されます。ですが、一番の問題はその一瞬流す電力の消費量でしてね、相当な電力をバカ食いするのですよコイツは」


「・・・えっと、バカ食いってどのくらい?」


「ざっと計算して、十階建ての商業ビル一個分相当、といった所ですね」


「そんなに!?」


オンパァーのその答えに俺は驚きの声を上げた。

いや、マジで。十階建ての商業ビル一個分相当ってどんだけなのだろうか。というか最早バカ食いってレベルじゃないってそれぇ!?


「いやぁ、実はあのシートは結構昔に試作品として作られたとある兵器のパーツの一部でして。・・・まあ、その試作品の兵器も先程の説明で分かる通り、バカみたいに消費する電力を如何にも出来なかったので、結局お蔵入りになってしまったのですが。・・・で、どうしてそんな物がこんな所にあるのかと言えば、何かに使えるだろうと思ってちょっと昔に拝借させていただいたのですよ」


「いやそれ泥棒って言うんじゃないの!?」


「いえいえ、とっくの昔に使われなくなった物を別の形で使わせていただいているのですから、そう・・・これは謂わば、リサイクルというやつですよ」


俺がツッコミを入れれば、オンパァーはフッとニヒルな笑みを浮かべる様な声を零した。

うん。めっさイラッと来たわ。殴りたい、あの笑顔。いや、表情はまったく動いていないんだけど。


「というか、それだけの電力をどうやって確保してるんだ?この辺に発電機っぽいのは見当たらないけど・・・」


イラッと来る様な声音で話すオンパァーに思わず頬を引き攣らせていた俺であったが、そこでふと一つの疑問が自身の頭に浮かんだ。

超電磁シートの効果を使う為に必要な電力を、いったいどうやって確保しているのだろうか?と。


「何を言っているのですか。そんなの目の前にあるじゃないですか」


「目の前・・・って、まさか・・・!」


「ええ、そうです。スーパーデンキウナギ達がその電力源ですとも」


そんな当然と思えるような疑問に答えたのは、やはりというかオンパァーであった。


「スーパーデンキウナギ達から発せられる電力は相当なモノですが、そのままではすぐに拡散してしまう。なので私はその電力をこの『超大増量バッテリー』へと集めることにしたのですよ。こうして溜めておけば色々な事に使えますからねぇ―――今この時のように」


ニィッ・・・!という擬音が聞こえそうな声でそう言うオンパァー。

なおその後で、「ちなみにバッテリーに溜まっている電気の量はかなりのものでしてね。少なくともあの超電磁シートを複数、それも三日連続稼働したとしても、それでもまだ半分以上残るくらいにはあります」と話を付け加えたが。

いや、十階建ての商業ビル一個分相当の電力を複数で、しかも三日連続消費して半分以上残るって、いったいどんだけの電気を溜めこんでんだよ、そのバッテリーは・・・!?


「さてさて・・・雑談もこれくらいにして、そろそろ次の問題を出題するとしましょう。―――問題!”この世界には色んな種類の怪人、怪物が存在しますが、その中でコアを必要とする軟体系の怪物は何?」


「ッ!」


俺の質問には十分に答えたと思ったのだろう。オンパァーはさてそろそろ、といった感じに俺との話を切り上げて、進行が止まっていた舞台を進ませようと次の問題を出題した。

というか、何その問題?コアを必要とする軟体系の怪物って・・・


ピンポーン!


「はい!メガネノハカセさん!」


その問題に誰よりも早く反応したのはミドリノハカセであった。

かの緑色のロボットはシュバッとボタンを押すと答えを言った。


「答エハ、”スライム”デス」


ピンポンピンポン!


「正解です!そう、答えはスライム。怪人、怪物の中では弱い部類に入る存在ですが、頭脳兼心臓であるコアが破壊されない限り倒れる事がない厄介な存在としても有名です。中には分裂や合体をするのもいて、そういった個体は時として最強クラスの怪人、怪物並みの実力を持っている場合もあったりします。・・・まあ、そんな存在はそうそう現れる事はないのですが」


そしてその答えはどうやら正解であったらしい。正解音が鳴り、オンパァーの解説が終わった後に俺達の椅子はヴィーンとさらに上昇し、傾いていった。


「―――うぅ・・・!ううぅ・・・!ヒ、ヒニャァァァアアーーーッ!?」


ドボォォンッ!!


「あ、アルミィィィーッ!?」


その瞬間、アルミィが泣きが入った悲鳴を上げた。

今まで頑張って踏ん張っていたが、流石にもう限界だったのだろう。力尽きたようにズルッと滑った彼女は勢いよく滑り台の上を滑って行き、そのままスーパーデンキウナギが満載のプールへとダイブインした。


バチバチバチバチッ・・・!!


「アババババババッ・・・!?」


「アルミィィィーーッ!!」


そしてその後は当然というべきか、戦闘員一号の時と同じようにスーパーデンキウナギの群れから発せられた強力な電撃を受け、アルミィの体は思いっきり感電してしまうのであった。








「クックックッ・・・!今回のゲストは結構骨がある様で、私が用意した罰ゲームに中々落ちてはくれなかったですが・・・しかし、それはそれで番組的には無問題(モウマンタイ)。実力伯仲の接戦もそれなりに見応えはありますからねぇ・・・!ですが、これで二人目!人数的にはイーブン。全員の椅子の角度も相当傾いてきておりますし・・・ここから先は誰が先に限界を迎えて落ちるのか、それを予想するのが非常に楽しみになって来ましたねぇ・・・!」


滑り台を落ちた先にあるプールへとダイブし、その中にいたスーパーデンキウナギから放たれる電撃によって感電してブクブクと沈んでいくアルミィの姿を目にしながら、オンパァーはそう含み笑いをする。

かのロボットの脳裏にはこれからどうやってこの舞台を面白おかしく、そしてテレビの前のお茶の間の視聴者たちをどのようにして楽しませるかを考えていた。


「(とはいえ、現状はゲスト側が明らかに不利。舞台を早々に終わらせないためにも、あちら側にもある程度のテコ入れは必要ですね。・・・・・・さて、いったい何をしましょうか)」


フム・・・と顎に手を当てていたオンパァーは「何かないか何かないか・・・」と辺りに視線を向けていき、そこでふと何やら甘い香りが漂って来ているのに気付いた。


「・・・・・・ん?・・・ふむ」


その香りの出所はゲスト席側の一角。自身の嗅覚センサーを使って位置を逆算してでディーアルナのいる所から漂って来ているようだと理解したオンパァーは、彼女へと視界を向けた瞬間、そこで唐突に一つの案を思いついた。頭の上に電球がピコンと点灯する感じに。


「クックックッ・・・!良い事を思いつきましたよ・・・!マスクドバストさん。今現在負けが込んでいるであろうゲストの貴女方に一つボーナス問題を出してあげましょうか?」


「ぼ、ボーナス問題、だと・・・?」


「ええ、そうです。この問題に正解したら、貴女方が座っている椅子の高さを少しだけ下げてあげましょう。・・・どうです?このボーナス問題に挑戦しますか?」


ニヤリ、という擬音が聞こえそうな声音でディーアルナへとそう問い掛けるオンパァー。

オンパァーの提案を耳にした彼女は最初は迷う様な様子を見せていたが、このままでは敗色濃厚であることに変わりはないと判断したのだろう。少しすると一か八かの起死回生を狙おうと考えてか、覚悟を決めたように「受ける!」と答えた。

そしてそれはオンパァーの狙い通りであった。


「よろしい。ではいきますよ。ボーナス問題!”男女が寝床を共にした時にある行為を行う事で赤ちゃんが作られますが、その行為が何なのかをお答えください”。―――具体的に」


「・・・へ?」


「イ、イィ!?」(な、なにぃ!?)


ボーナス問題を出題するオンパァー。それを耳にしたディーアルナと戦闘員二号は困惑と驚愕の声を上げた。

(いわ)く、何その問題?と。


「(戸惑ってる戸惑ってる。予想通り良い反応をしてくれますねぇ・・・!)」


その様子を司会席から見ていたオンパァーは「クククッ・・・!」と含み笑いをした。

何故オンパァーが先の問題を出題したのか?その答えは今回の舞台をもっと面白おかしくする為であった。


「(彼女は女性だ。例え露出度が高いみょうちきりんな恰好をしていたとしても、一般的な羞恥心は当然持ち合わせている筈です。であれば、この問題の答えを言おうとして、でも言うのを恥ずかしがって躊躇う筈。頬を赤く染めながらねぇ・・・!!)」


アイマスクで隠れてはいるが、彼女の容姿は美人と言っても良いそれだ。そんな美人が頬を赤く染め、恥ずかしがって身悶えする様は、おそらくテレビの向こうで見ているであろう視聴者を喜ばせ、視線を釘付けにするだろう。特に変態と言う名の紳士とか、大きなお友達辺りの。

だが、オンパァーのやっている事はセクハラである。見紛う事なきセクハラである。下手をすれば―――否、下手をしなくても警察沙汰になるだろうし、場合によっては裁判が起こってもおかしくないだろう。最近の世間一般の情勢はそういうの厳しいし。

ちなみにセクハラとはセクシャルハラスメントの略であり、女性が男性から性的な嫌がらせを受ける行為の事であり、ついでに言えばセクハラは男性だけでなく女性にも適応される事もあったりする。


「クククッ・・・!さあ、マスクドバストよ!その頬を赤く染め、体を羞恥に身悶えさせながら問題の答えを言うが良い!」


ディーアルナに向けてバッと指を差し示すオンパァー。

その胸中では、自身の予想通りの事を彼女がしてくれるのを今か今かと期待に高鳴らせていた。


ピンポーン!


そして、ついにその時が来た。

ボタンを押したディーアルナはスゥ・・・と息を吸うと、


「男女が同じベッドに一緒に寝て―――」


「うんうん」


「―――キスをすると、後日コウノトリが運んでくる!」


と答えた。


「・・・・・・うん?」


その答えを聞いたオンパァーは気の抜けた声を零しながら、あれ?という感じに首を傾げた。

予想していたのと何か違う。そう思った彼は思わずといった風にディーアルナへと問いかけた。


「え、えっと・・・マスクドバストさん?それは、本気で言っているのですか?」


「え?そうだけど?」


キョトンとした感じにそう応えるディーアルナ。

その頬は赤く染まってないし、恥ずかしそうにもしていない。

普通の―――いっそ平然としているとさえ言えるその様子に、オンパァーは「おんやぁ?」と首を傾げた。


「ち、ちなみに、どうしてその答えを言ったのか聞いてもよろしいでしょうか?」


「え?昔父さんからそう教わったからだけど?」


「ちょっ、お父さぁーん!貴方、何を自分の子供に教えているんですかぁぁーっ!?それ、小さい子とかに言う様なやつでしょぉぉーーーっ!?」


思わずといった風にそう叫ぶオンパァー。

ディーアルナという人物がそっち方面の知識を持っていない事は、前回のお話―――とある海水浴場での一件―――から判明していた事ではあるが、しかしその事を知らないオンパァーからすれば、まさか彼女が自身の想定通りに動かなかった理由が間違った知識しか持っていなかったからだとは、まったく、これっぽっちも、予想していなかった。

というか、「普通予想できるかそんな事!」という感じに叫びたくなるくらいにはツッコミたい気持ちでいっぱいであった。

なんというか、梯子を外された様な感覚を覚えたオンパァーであったが、しかしその後で「まあ、これはこれで番組的にはある意味美味しいんじゃないか?」とも段々思い始めた。


「(これ程の美人が性的な知識をまったく持っていない。そんな夢幻の様なと言うか、ある種の幻想とも言えそうな人物の存在を、その筋の趣味趣向を持つ者達が知ればおそらく是が非でも見てみたいと思うだろう。・・・場合によっては欲しがるかもしれない)」


少なくとも結構な人気を(はく)す事は間違いないだろう。その光景を想像し、頭の中で算盤を弾いたオンパァーは内心で嫌らしい笑みを浮かべた。

ゲスである。見紛う事なきゲスである。

実際その頭の中では、ディーアルナの事を捕まえて絶対に逃がさない様にしつつ、自分の用意した舞台で使いまくってやろうと考えているので、その評価はある意味間違ってはいない。

・・・・・・ただし、それが出来るならの話だが。


―――ドッパァァァアアンッ!!


「えっ!?」


「何事!?」


突如として響き渡る爆音と、それと同時に巻き上がる大量の水飛沫。

その場にいた全員が「いったい何事!?」といった感じに大量の水飛沫が上がった現場である舞台中央の大量のスーパーデンキウナギが蠢いていたプールへと視線を向けた。


「オイコラ、そこのポンコツロボット・・・アタシの姐さんの口からいったい何を言わせるつもりだったんだ、あ゛ぁん?」


そこには全身がスーパーデンキウナギの粘液だと思われる物に塗れながらも、身体中から無数の静電気を纏う様に迸らせ、帯電させながら仁王立ちするアルミィの姿があった。








閑話:その頃のメドラディは・・・


ザザッ・・・ザザザザザッ・・・・・・!


「地下駐車場、ルートクリア!敵影は見られず!」


「よし、なら急いで外に出るぞ!走れ走れ走れ!」


ダダダダダダダッ・・・!


「ドッグツー、アレを見ろ!出口だ!あそこを昇れば・・・!」


「―――ッ!?ドッグワン!」


ドンッ!


「グッ・・・!?ドッグツー、何を・・・!?」


ドドドッ・・・!!


「ああぁぁぁっ・・・!?」


「ドッグツー!?大丈夫か、おい!」


「ドッグワン・・・私の事は置いて、貴女は早く・・・外へ・・・・・・!」


「馬鹿な事を言うな!行く時はお前も一緒だ!くそっ・・・!ドッグツーに刺さっているコレは・・・注射器、か?いったいどこのどいつが・・・!」


「―――あらあら、二人まとめて沈めようと思っていたのですが、どうやら一人外してしまったようですねぇ」


「―――ッ!?お、お前は、対象の・・・!まさか、お前がドッグツーを・・・!!」


「ああ、安心してください。その人は別に死んだわけではありませんよぉ。その人に打ち込んだのは筋肉を弛緩させる薬でして、ただ単に思う様に体を動かせなくなっているだけですからぁ」


「ッ!・・・だとしても、仲間を狙われておいて黙っていられるわけがないだろう!覚悟しろ!対象―――高梨悠里!!仲間の仇、取らせてもらうぞ・・・!!」


ジャキッ・・・!


「あらあら、随分と血気盛んなことねぇ。それに仇、ねぇ・・・誰一人として死んではいないのに、仇だなんて言うのは少しおかしいんじゃないかしら?」


「なんだと・・・?それは、どういうことだ」


「こういうことよぉ?」


パッ・・・!


「ッ!?な、ドッグファイブ、シックス、セブン・・・!?いや、それだけじゃないエイトとナイン、スリーとフォーとトゥエルブも・・・!」


「うふふ、アナタの仲間はこうして生きているわ。それでもアナタは私を仇と呼んで戦おうと言うのかしらぁ?」


「・・・・・・だとしても、私のやるべき事は変わらない。お前を排除して、助け出した仲間と共にここから出て行ってやるさ!」


「そう・・・アナタがそうすると言うのであれば、私もそれに応えてあげましょう。・・・でも、安心して。命の心配はしなくていいわよ。アナタ達には聞きたいことがあるから殺したりしないわ。―――ただちょっと、そこの彼等と同じように捕虜になって貰うだけだからぁ」


スチャッ・・・!


「はっ!ぬかせ!」


ジャキッ!


「・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・」


「「ハアァァァーーーッ!!!」」


ズガガガガガガガガガッ!!カチュンッ、チュンッチュンッチュンッ・・・!カカカッ・・・!ガキンッ!


・・・・・・ザザザッ・・・ザザッ・・・ザザザザザザッ・・・・・・!―――ブツッ!





次回は5/8に投稿予定です。

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