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ミッション42 決着!そしてその後で・・・?



「イッイイイーッ!イイイーイィィッ!!」(よっしゃ命中ぅぅっ!クリーンヒットだコラァァッ!!)


「イーイー・・・!イイイッ、イイーイー・・・!?」(なんて威力だ・・・!このエネルギーの増幅量、下手したら町一つが吹き飛ぶ程だぞ・・・!?)


「イィー・・・!イッ?イイッ!イーイーイイイーイー!」(ムフーン・・・!どう?凄いでしょう!これが僕とブレーバー様が発明した増幅バスター君マークⅢなんだよ!)


三幻亭ロボの背後にある小高い山にて、増幅バスター君マークⅢの一撃を見た戦闘員達は、それぞれの感情に合わせた反応を示していた。

一号は嬉しげにガッツポーズしたり、二号は驚きに仰天ポーズを取ったり、そして三号は楽しげに小躍りしたりと、三者三様であった。


「イーイー!」(ディーアルナ様も凄いと思うでしょう!)


「・・・・・・あぁ・・・、確かに凄いとは思う。思うけどさぁ――――――」


だが、俺は彼等ほど呑気に喜ぶことも驚くことも楽しむことも出来なかった。


「――――――なんかこれさぁ、さっきから火花がバチバチ言ってて、今にも爆発しそうなんだけど・・・?」


「「「・・・・・・イッ?」」」(・・・・・・えっ?)


何故かと言えば、俺が現在肩に背負い、注ぎ込まれたKエネルギーを増幅して発射している最中の増幅バスター君マークⅢからギギギッ・・・!と言った何かが歪む音や、バチバチバチと言った火花の音が頻りに聞こえて来るから・・・!!


「なあ、これ、壊れるんじゃないか・・・?というか、爆発するんじゃないか、これ・・・!?」


「イイッ・・・!イッ、イイイー!?イイッイー!イッ、イイイーイイー!!」(こ、これは・・・!もしかして、増幅されたエネルギーに本体が耐え切れていないのか!?だ、だとしたらかなりマズイよ!このままじゃ、増幅バスター君マークⅢから増幅されたエネルギーが溢れ出ちゃう!!)


「イイッ、イー?」(あ、溢れ出るとどうなるんだ、三号?)


「イイッ。」(爆発します。)


「イッ?」(えっ?)


「イイッ。」(爆発します。)


「・・・・・・イ゛ッ?」(・・・・・・え゛っ?)








『くっそ・・・!?なんて威力の攻撃・・・!エネルギーバリアの展開が間に合ったおかげで、なんとかなったけど、まさか一部とはいえ、素材から強化していた三幻亭ロボの装甲を融解させるなんて・・・!』


増幅バスター君マークⅢのエネルギー砲に受けている三幻亭ロボ。その体の上で玉崎千鶴はそう愚痴る。

エネルギー砲を受けた直後、直接それを受けた三幻亭ロボのアーム部分がどんどん融かされていくのを見て、とっさにエネルギーバリアの展開を指示。それによって被害は直接攻撃を受けた二本のアームだけで済み、本体と玉崎千鶴は無事であった。

しかし、攻撃能力は一気に半減し、先程撃とうとしていた『多頭多弾(だだだだ)焼却砲(しょうきゃくほう)』を中断させられる羽目となっていた。


『お父ちゃん、回頭!このふざけた攻撃を仕掛けて来た奴を先に叩くよ・・・!』


「――――――おやおや、そんなことをしてよろしいのですか?」


『――――――ッ!?』


今はエネルギーバリアによって何とかエネルギー砲の一撃を防げてはいるものの、徐々にそのバリアの耐久度が下がってきており、何時までも受け続けられるわけではないと理解した玉崎千鶴は三幻亭ロボに迎撃の指示を出す。

だがそれを、彼女達の頭上で浮遊していたシルバリオンが声を掛けて止める。

その声に、シルバリオンの事をすっかり忘れていた玉崎千鶴は振り向いて、そして絶句した。


「その隙、突かせていただきますよ!【シルバーフルブラスター】ーーー!!!」


シュバァァァァアアアアアアアアッーーー!!!


横に寝かせた【シルバーブレイザー】を顔の位置と平行になるように構えたシルバリオン。

そして技名を叫ぶと同時に、三幻亭ロボに向かって【シルバーブレイザー】を突き出し、そして突き出された瞬間に【シルバーブレイザー】のエネルギー刃が膨張し、太さ三m程のビームを撃ち出した。


『このっ・・・!?ふざっけんなぁっ!――――――お父ちゃん!!』


それを見た玉崎千鶴は三幻亭ロボに一言告げる。それだけで三幻亭ロボは自身が何をすればいいのかを理解して、残っていた二本のアームを動かす。

シルバリオンの放った技にアームの砲口を向け、そこから凝縮されたビームを撃ち出した。


ズァァアアアアア――――――ゴウッ!!


『――――――そんな!?』


だがしかし、三幻亭ロボの放ったビームはシルバリオンの放ったビームを止めることが出来ずに霧散。シルバリオンの放ったビームは、そのまま三幻亭ロボのエネルギーバリアに衝突した。


『くそっ、くそくそくそぉっ・・・!!あと少し、あと少しだったのにぃぃーーーッ・・・!?』


エネルギーバリアに衝突した直後は一時的に止まったシルバリオンのビームだが、そこから数秒も経たずにエネルギーバリアを貫き、三幻亭ロボの本体を貫いた。


ォォォオオオオオオーーー・・・!――――――ドッゴォォォォオオオオオオオオオオンッ!!!


そしてビームが貫いた場所は丁度三幻亭ロボの動力炉だったこともあり、三幻亭ロボは最後の咆哮を一声上げた後にその体は大爆発を引き起こすのであった。







「――――――ふぅ・・・。これで、今回の一件は、一先ず終わりましたか。」


三幻亭ロボの大爆発を空中で見届けたシルバリオンは、【シルバーブレイザー】を仕舞うと息を一つ吐く。


「まあ、まだ彼等の仲間がいる(ふもと)の警察署の事もあるので、全部終わったわけではないですが。それと、あの巨大なエネルギー砲を放った人物達の事も気になりますね・・・。」


シルバリオンはそう呟くと、三幻亭ロボに向けて放たれたエネルギー砲の、その発射地点である小高い山に視線を向ける。


――――――カッ!ドカァァァアアアアンッ!!


「・・・・・・おや?」


だが、視線を向けた途端、その小高い山の頂上で突如巨大な爆発が発生した。

数十秒の間、爆発と同時に爆発光がどんどん膨張していき、山の一角を呑み込んでいく。

そして爆発光が治まった後のその場所は、空へと昇って行く大量の黒煙に包まれることとなった。


「ふむ・・・。これでは件の人物達の正体を知る事は厳しいですね。というかあの爆発は結構な威力がありましたから・・・、生きているかどうかも疑問ですが・・・・・・。」


「むぅ・・・!」といった唸り声を漏らすシルバリオン。

面倒なことになった思いながらその黒煙漂う小高い山の頂上を見続けていると、ふとその場所の近くで、人型の何かが動いているのに気付いた。


「アレは・・・!なるほど、やはり無事でしたか・・・。」


シルバリオンはそう一人呟くと、ブースターを出力を上げ、その人型の何かの下へと近づいて行った。


「――――――ヒィ・・・ヒィ・・・!」


「ご無事な様で何よりです。西條睦月さん。」


「・・・ッ!?む、向井君かね・・・!?」


その人型とは今回の事件の切っ掛けであり、元凶であった西條睦月であった。

彼の姿はかなりボロボロとなっており、着ている浴衣も所々が千切れていたり、穴が開いており、また土や泥に塗れていて、悲惨と言う言葉が似合う状態であった。


「その様相・・・。随分と大変な思いをされたようですね?」


「ああ、全くだ!何故私がこのような目に遭わなければならないのだ!?」


「・・・・・・自業自得だと思いますが。」


西條睦月の文句に対し、ボソッと呟くシルバリオン。

だがその呟きは、西條睦月の耳に入る事はなかった。シルバリオンが小声で言ったこともそうだが、西條睦月当人が憤慨していた事も理由の様であった。


「――――――まあいい。それよりもヒーロー連合協会上層部の権限で君に要請したい事がある。君の持つ通信装置を使って本部に連絡をして迎えのヘリか何かを寄越すように伝えてくれ。」


「私が、ですか?」


「ああ、そうだ。実は携帯電話などの連絡を行える物は全て鞄の中に仕舞っていて、しかもその鞄を旅館の私が泊まっていた部屋に置いて来てしまったのだよ。」


「はあっ・・・」と溜息を溢す西條睦月に、シルバリオンは首を傾げる。


「・・・・・・つまり、今の貴方はどこにも連絡を行う事が出来ないと?」


「そうなるな。まあ、取りに行こうと思っても、当の旅館自体が今の爆発で無くなってしまったからな。私の鞄も諸共に炎の中だろうが・・・。」


「なるほど、なるほど。それはまた、()()()()()()()()()()()()()()()()()。」


「うん?向井君?君、一体何を言って・・・・・・ッ!?」


シルバリオンの言葉を聞いた西條睦月が、「何を言っているんだ?」と訝しみながら振り向こうとすると、突然シルバリオンの手が西條睦月の首を掴み、地面から足が浮くくらいの高さまで持ち上げた。


「な、何をする・・・!?」


「何を、ですか・・・。そうですね。敢えて言うのであれば、尋問でしょうか。」


「じ、尋問、だとぉ・・・!?」


西條睦月を持ち上げながら彼の問いに答えるシルバリオン。その声音は淡々としていて、まるで事務的であった。


「実を言えば、以前から僕は、ぜひとも貴方に聞きたいことがありましてね。」


「き、聞きたいこと、だと・・・!?そ、それで何故、私に、こんなことをする・・・!?話なら、本部に帰ってからでも・・・・・・!」


「私が聞きたいのは公には話すことが出来ない事。それに本部に帰ってしまえば、貴方は安心感からその約束を反故にする可能性がありますからね。」


「そ、そんなことは――――――」


「――――――ないとでも?」


西條睦月の首を掴む手にゆっくりと力を入れていくシルバリオン。

その手によって自身の首をより締められ、そして自身の内情を見透かされたことに、西條睦月は「ぐぅっ・・・!?」と唸った。


「お、お前は、ヒーローだろう・・・!し、市民の味方のヒーローが、こんなことをして、本当に良いと思っているのか・・・!?」


帰ってから話を聞くという方法(言い訳)が取れなくなったことを理解した西條睦月は、別のアプローチから自身の首を絞めるこの手を外せと口にする。

だが、その言葉に対してシルバリオンの反応はきょとんとしていた。


「ええ、まあ、確かに僕達ヒーローは市民の味方です。――――――ですが、別に貴方の味方ではないのですよ?」


「な、何ぃ・・・!?」


そのセリフに驚愕する西條睦月。

その後もシルバリオンの話は続く。


「そもそも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()です。それを聞くまでは、死なれてしまっては困りますからね。」


そう言いながらフフッ・・・!と笑うシルバリオン。

その笑い声を聞いた西條睦月は、驚愕のあまり二の句が告げられなくなっていた。


「それに貴方が過去に行ってきた数々の犯罪の事を考えると、ヒーローとしての僕の立場からすれば、貴方とは初めから敵対するという選択肢しかありません。」


「わ、私は、ヒーロー連合協会の、上層部役員の一人だぞ・・・!」


「それが?例えヒーロー連合協会に所属する人間であろうとも、悪行を犯せば、それは悪人悪党と何ら変わりありません。であればこそ、ヒーローとしてはそれを見逃す訳にも、許す訳にもいかない。」


「ぐぅ・・・!?」


西条睦月は、ヒーローという立場から見れば当然とも言えるその正論に押し黙る。

だが、その後に続いた言葉によって、内心で首を傾げる羽目になった。


「・・・ですが、僕がこうして貴方を捕まえているのは、別に正義感からの行動でも、ヒーローとしての義務感からでもありません。唯単に己の欲求を、探求心を満たす為にしていることです。」


「・・・・・・な、んだと・・・!?」


その言葉を耳にした西条睦月は、思わず開いた口が塞がらなかった。

つまり彼は、ヒーローという公的な立場ではなく、一個人による私的な立場で西条睦月の事を捕まえていることになる。

見方によっては犯罪者と扱われても可笑しくないだろう。

そんなヒーローとしての立場を揺るがしかねないことを、目の前の人物が行っていることが西条睦月には理解できなかった。


「な、何故、そんなことを・・・!?ヒーローである貴様ならば、富も、名声も、その気になれば欲しいままだろうに・・・!」


「言ったでしょう。貴方に聞きたい事があるのだと。――――――十六年前に起きた『コード:A』と呼称されている事件。そして、その当時はまだ新人ヒーローでしかなかった『ビースト・オブ・ライト』の経歴。この二つに関する詳細な情報を、僕は知りたいのですよ。」


それを聞いた西条睦月の顔色は一気に変わる。


「ば、馬鹿な・・・、何故貴様がそれを、()()()()()()()()()()!?秘匿情報SSランクの代物の筈だぞ!上層部の人間でも極少数しか知らない、ましてや()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!?」


西条睦月は驚愕の感情そのままにシルバリオンに向かって吼える。

しかし、シルバリオンはそれを意に介さず、それどころか嬉しげに頷いた。


「なるほど。やはり貴方は、この二つに関する情報を詳しく知っているようだ。僕の見立ては間違っていなかったようですね。」


「貴様、話を聞いているのか・・・!――――――ッ!?」


「ピーチクパーチク五月蝿いですよ?本気で絞め殺しましょうか?」


「・・・ッ!?」


自分一人だけで納得している様子のシルバリオンに対して、首を絞められながらも声を荒げる西条睦月。

だがそれも、己の首を掴むシルバリオンの手に更なる力が篭ることによって強制的に中断させられる。


「――――――冗談ですよ。冗談。大事な情報源たる貴方を、そんな安い理由で殺す訳ないじゃないですか。」


込めていた手の力を緩めてカラカラと笑って見せるシルバリオン。だが、西条睦月にはその笑みが上部(うわべ)だけのモノにしか見えなかった。

殺意さえ感じさせる冷淡で冷酷な声を聞いたからこそ、尚更に。


「さてと、それじゃあ貴方の知っていることを教えてもらいましょうか。これから、じっくりとね。」


アーマーマスクを外してニッコリとした笑みを浮かべるシルバリオンこと向井修一。

西条睦月にはそれが、まるで悪魔の微笑みの様に思えてならなかった。





次回投稿は10月10日を予定しています。

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