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外伝ミッション1ー8 恐怖を克服しちゃった・・・!?



眼前に無数に思える程出現した幽霊の群れ。

そいつらは俺の事をジッと見ながら、『ケケケケケッ!』と楽しそうに、おかしそうに笑っていた。


『そぉら、()けい!我が同胞達よぉ!』


『ケケッ、ケケケーッ!!』


「う、うきゃぁぁぁーーーっ!?」


空中を滑るように迫り来る幽霊の大群に、俺は顔色を青褪めさせたまま中庭内を逃げ回る。


『ケケケケーッ!』


『ケケーッ!』


「く、来るんじゃねぇー!?」


あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。時には洋館の壁で壁走りをしたり、ブレスレットの電子ストレージ内にある料理用の塩を幽霊たちに振り掛けたりしながらの逃走劇。

時間にして数十分は逃げ回れたと思うのだが、しかしやっぱり数の暴力と言うモノに勝つことは難しかった。

最終的には中庭の隅へと追いつめられ、幽霊の大群に周囲を囲まれてしまう。


『フハハハハッ!遂に追いつめたぞ娘子よ!』


『『『ケケケッ・・・、ケケケケケケッ!!』』』


「く、くそぅっ・・・!?」


高笑いをしながらゆっくりと迫り来るボーンレックスと幽霊の大群。

俺はそれを見ながら、背中を壁にぺったりとつけて、涙目となって震えていた。


「う、うぅ・・・!ゆ、幽霊とかじゃなかったら、大丈夫なのにぃ・・・!?」


『恨むなら、話に出ていたお主の母親を恨むのだな!さあ、行くのだ、我が同胞達よ!今度こそあの娘子の体を手に入れ、そして我らが野望を果たそうぞぉ!』


『『『ケケーーーッ!』』』


「う、うわぁぁぁあああーーーっ!?!?」


ボーンレックスの指示を受けて、一斉に襲い掛かって来る幽霊の群れ。

まるで飛び込んで来るかのように両手を伸ばしてくる幽霊を見た俺は、悲鳴を上げた。


「く、来るな来るな来るなぁーっ!!」


今まで経験した事の無い光景を目にし、恐怖の感情が振り切れて錯乱状態になった俺は、近くにあった落ちていた岩や、植えられていた木などを投げる。

・・・が、実態を持たない幽霊にそんなものが当たる筈もなく、普通に素通りする。


「も、もう嫌ぁーっ!?【爆風音波】ぁぁーーーッ!?」


破れかぶれと言うか、自棄になってと言うか、すぐそこにまで幽霊の群れが近づいて来たことに頭が真っ白になってしまった俺は、口内にエネルギーを集中して、自身の叫び声を周囲数m位に響き渡りそうな爆音に変換して拡散させた。


『『『ケケケーーーッ!?』』』


『な、何だとぉっ!?』


「・・・・・・・・・あれ?」


どうせこれも効きはしないんだろうなと思いながら放った技であったのだが、予想外の結果が起こった。

驚いたことに、手が触れられそうなくらいに近づいて来ていた幽霊達が、【爆風音波】の爆音を受けて、まるで突然現れた見えない壁にぶつかったようにして吹き飛んだのだ。


『娘子よ、お主、一体何をした・・・!?何故実態が無い筈の我が同胞を吹き飛ばせる・・・!?』


「え・・・?い、いや、その・・・!?」


正直そんなことを言われても、答えようがない。

先程放った技も、特に何も考えずに「嫌だぁ」という気持ちを込めて使用していたので、効果があると分かっていた訳ではない。

自身が投げた岩や木等と違って技で増幅していたとはいえ、どうして叫び声だけで彼等が吹き飛んだのか分からなかったからだ。

俺はそこまで考え、そこで「もしや・・・?」と一つの推測が頭に閃いた。


「・・・・・・まてよ?まさか、こいつが理由なのか・・・?」


己の手に集めたエネルギー――――――『Kエネルギー』を目にしながら呟く。

以前ブレーバーが説明していたが、『Kエネルギー』とは怪人怪物であれば全員が持っている負の感情が変換されて作られるエネルギーである。

燃料こそ奴等幽霊にも力を与えそうな負の感情ではあるものの、変換されてしまえば純粋なエネルギーとなる『Kエネルギー』だからこそ、実体のない筈の幽霊達に効いたのだろうか?

そう推測してはみたものの、自分自身も半信半疑なそれに首を傾げてしまう。



『え、ええい!今のはおそらく何かの偶然であろう!再び行くのだ、我が同胞達よ!』


『ケケーーーッ!』


そうして困惑の視線を黄色のエネルギーに包まれた己の両手を向けていると、丁度それを試す機会がやって来た。

ボーンレックスが幽霊達を再び俺を襲うように指示を出したのだ。


「くっ・・・!?ええい、ままよ!」


迫り来る幽霊の群れを目にした俺は、悪態を吐きつつ拳を構えた。


「オラオラオラオラオラーーーッ!!」


『『『ケケケーーーッ!?!?』』』


『な、なんだとぉーーーっ!?!?』


『Kエネルギー』に包まれた両拳による連続パンチ。それを受けた幽霊達はガッ!ゴッ!ガッ!と鈍い音を出しながら次々と吹き飛んで行った。


「・・・殴、れる?触れる?・・・・・・は、ははは、はははははははははっ・・・!!」


自身の推測が正解だった事が分かり、そして今まで触れることが出来ないと思っていた幽霊に『Kエネルギー』越しであれば触れられるという事を知った俺は歓喜の声を上げた。


「おっしゃーっ!殴れるのであれば、こっちのもの!幽霊なんてもう怖くないぞ、この野郎共!」


ニッ!と笑みを浮かべながら、片手の指を「掛かってこいやぁ・・・!」と言いたげに、クイクイッと曲げて挑発する。


『ええい!舐めるでないわ、娘子よ!』


その笑顔を見たボーンレックスは一瞬怯むも、すぐに気を取り直して怒声を上げながら吼える。


『集え、我が同胞達よ!約定に従い、今こそ我が力となれ!』


両手を左右に広げながら頭上を見上げるボーンレックス。

その瞬間ボーンレックスの体が強い輝きを発し始め、それを受けた周囲を漂っていた幽霊達が次々にその骨の体の中へと入りこんでいく。

幽霊達が集まる度に光は増していき、ボーンレックスの体を包み込むほどの球体へ成長。そして数秒後には解ける様に光りが消えて行き、中から姿が変貌したボーンレックスが現れた。


『覚悟しろ、娘子よ!この姿となった我々は、そう易々と倒す事など出来ぬと知れ!!』


元々の丸みを帯びていた全身の骨が刺々しい鋭い形に変形し、更には青く発光する光りがボーンレックスの全身を包み込み、まるで炎の様に燃え上っていた。


「はっ!お前一体だけに集中出来る分、他に意識を向ける必要がなくなって逆に楽になったくらいさ!」


『フハハハハハッ!減らず口を吐きよるわ!・・・だが、これを見ても、そのセリフを吐く事が出来るかな?』


ボーンレックスは体を少し横に傾けて、自身の肋骨部分を見せた。


「・・・ッ!戦闘員達が・・・!?」


『クハハハハッ!その通りよ!先程我が同胞たちを集める際に、ついでにこいつ等も中に仕舞っておいたのよ。お前の人質としてなぁ・・・!』


そこには、先程までボーンレックスの掌の上にいた戦闘員達がいた。

ボーンレックスの背骨から伸びた糸が、戦闘員達の頭にくっついて繋がっているようで、その姿はまるで雨の日に吊るされるテルテル坊主の様であった。


『さあ、攻撃できるものなら攻撃してみよ!その時にはこいつ等もダメージを追うだろうがなぁ!』


「フハハハハハッ!」と高笑いするボーンレックス。

その笑いは己の勝利を確信しているかのようであった。


「・・・・・・そうか、なら仕方がないか。」


『クククッ・・・!そうだ、娘子よ。お前にはもう勝ち目など――――――』


「――――――仕方がないから、皆にダメージを負わせる覚悟でやるしかないか・・・・・・!」


『――――――ありはしな、・・・は?』


だが、そんな策にわざわざ乗るつもりなど俺にはなかった。


『い、いやいやいや!人質だぞ!お主の仲間なのだぞ!仲間を傷つけるつもりか・・・!?』


「問題ない・・・。戦闘員達の頑丈さは良く知っている。並大抵の攻撃を受けた所でこいつ等は傷を負う事はないし、もし傷を負ったとしても再生機能ですぐに回復する。」


全身からエネルギーを滲ませながら腰だめに、ギシリッと拳を握る。


「怪我を負わせてしまう事には後で誠心誠意謝ることにするさ・・・。だから今は、お前らをブッ飛ばすのが先だ!!」


『エ、エェェェエエエーーーッ!?!?』


ビシッと気合を入れながらボーンレックスに指を指す。

指を差されたボーンレックスは、「本気で攻撃するつもりなの!?」と驚きの声を上げた。


「行くぞオラァー!!」


『本気だ!本気だこの娘子!?こ、このぉーっ!?』


俺は足に力を込め、ドン!という音を立てながら駆け出した。

それを見たボーンレックスは、慌てながらも俺を迎え撃つために迎撃態勢を取る。


『オォ、オオォォォオオオオッ!!』


両手と尻尾をブオン!という音が鳴るほど勢いよく振り回して攻撃してくるが、そんなものに当たってやるつもりがない俺は、飛び跳ねたり、スライディングして足の間を潜ったりしながら回避する。


「せぇぇいっ!」


『グフゥッ!?』


ボーンレックスの真下の位置からアッパーカットを繰り出し、その一撃を頭蓋骨の顎に受けたボーンレックスは、呻き声を上げながら頭上を見上げる。


「よっ!そぉいっ!」


『ヌォッ!?オオォウッ!?』


そこからさらにボーンレックスに足払いを掛けて体勢を崩し、胴体に向かって強力な回し蹴りを放ってその巨体を吹き飛ばした。


『ええい・・・!よくもやってくれたなぁ!今度はこちらの番だ!』


吹き飛ばされ、地面に擦るようにして着地したボーンレックスは、体を起き上がらせると口の中に青白く輝く光を収束し始めた。


『食らえぇい!【蒼炎霊撃波】ぁぁぁ!!!』


ドパァッ!という音と共にボーンレックスの口から放たれた太さ二m程の青白い光線は、丁度地面に着地したばかりでまだ体勢が整えられていなかった俺に向かって迫って来た。


「くうぅぅぅっ!?」


両手にエネルギーを集中して何とか青白い光線を受け止めたが、凄まじい勢いで放たれ続けているそれは、俺の体をどんどん後ろへと押し込んでいく。


『よく粘るなぁ、娘子よ!だぁが、最早終りだぁ!我が【蒼炎霊撃波】に焼かれて倒れよぉ!』


「・・・っざけるな!この程度でやられるわけないだろうが!」


「ぐぎぎぎっ!?」と両足を踏ん張って耐えていた俺は、青白い光線を掴むように両手の指を曲げ、中心に向かって押し込むようにして力を入れ始めた。


「【超圧縮掌】!おおおぉぉぉぉーーーっ!!」


『ナ、ナニィィーーーッ!?』


徐々に俺の胸の前、手の中に収められていく青白い光線。

放たれた先からその中へと己の技が収められている光景を目にしたボーンレックスは驚愕の声を上げた。


「コイツは返すぞぉ!」


『嘘っ!?嫌っ!やめて、来ないでぇーーーッ!?』


放たれていた青白い光線全てを手の内へと収めきり、球体へとその形を整えた俺は、その手を腰だめに構え、両足を前後に開く。


「今までの、恨み辛みも込めた倍返しだ!食らえ!【超圧縮掌】からの派生技。【反転掌波】ぁぁぁ!!」


『グゥハァァッ!?か、体がぁ!?』


俺は手の内にあるエネルギー球をボーンレックスに向けて放った。

掌から押し出されるようにして放たれたそれは、衝撃波(ソニックムーブ)を伴いながら突き進み、ボーンレックスに激突してその骨の体をバラバラにした。


『ウ、ウギャァァァアアアーーーッ!?!?』


さらにエネルギー球は、ぶつかった衝撃によって圧縮されていたエネルギーが弾け、その場に青白い巨大な柱を生み出して、ボーンレックスの体を焼き始めた。


『ウグォォオオオッ!焼ける!焼け消えてしまうぅぅ!?ま、まだだ・・・!まだ消えて堪るものかぁっ!!』


その骨の体を青白い巨大な柱に包み込まれ、焼かれていたボーンレックスは、唯一原型を保っていた頭蓋骨に霊魂を集中させて柱の外へと飛び出してきた。


『まだ、まだ我が野望は、達成されてはぁっ・・・・・・!』


「――――――逃がすかぁ!!」


『・・・ッ!?』


当然それを見逃す俺ではなく、トドメの一撃をボーンレックスに食らわせる。


「コイツで最後だ!奥義【猛炎(もうえん)馬砕脚(ばさいきゃく)】ぅぅ!!!」


大きく跳躍しながら両足にエネルギーを集中し、ボーンレックスの頭蓋骨目掛けて連続蹴りを放つ。


「一つ!二つ!三つぅ!」


『ウギャッ!?フギャッ!?グハァッ!?』


エネルギーを炎の様にはためかせた両足による三段回転蹴り。

その威力は凄まじく、攻撃を受けたボーンレックスの頭蓋骨は、一撃食らうだけでバキャリ!と音を立てながら砕かれていった。


『ま、まだだ・・・、まだ終わらんぞぉーーーっ!!』


「・・・いいや、もう終わっているよ。」


頭蓋骨のほとんどを砕かれ、最早目元だけしか原型を保っていない状態でありながら、それでも尚諦めずに襲い掛かって来るボーンレックス。

それを横目に見ながら地面に着地した俺は、そのままクルリ回りながら足で地面に円を描き、その中心をドン!と踏みつけた。


『・・・!?!?な、なんだこれは!?』


地面を強く踏みしめた瞬間、地面に描いた円から黄色い光が輝き出して俺の右足に集まる。

更にそれに呼応するようにしてボーンレックスの残った頭蓋骨から黄色い光が輝き始めた。


「【猛炎馬砕脚】はただ相手を蹴り砕くだけの技じゃない。相手にエネルギーを打ち込み、収束させてから爆発させる技なんだよ。」


『な、なんだとぉ!?!?』


「だからこそ、いい加減ここで朽ち果てろ!」


そして俺は、襲い掛かるボーンレックスに向けて最後の回し蹴りを食らわせた。


「猛炎爆砕!」


『グハァァァッ!?ば、バカなぁぁぁーーーッ!?』


俺の蹴りを受けて遥か上空へと吹き飛んだボーンレックスは、一際大きく輝いた後に周囲一帯に轟くほどの大爆発を引き起こし、粉々に吹き飛ぶのであった。








「ふう・・・。ようやく片付いたか・・・」


ボーンレックスが爆発する様子を下から見ていた俺は、疲れたと溜め息を吐いた。


「始めはただ忘れ物を届けに来たはずだったのに、どうしてこうなったのやら。・・・と、それよりも戦闘員達を起こさないと。」


俺は再びはぁ・・・、と溜め息を吐きだしながら、ボーンレックスの胴体があった場所に駆け寄る。

その場に立ち上っていた青白い柱は既に消え去り、残っていたのはボーンレックスの胴体の骨の燃えカスと黒焦げとなった戦闘員達の姿であった。


「イ、イィ、イィ、イィ、イィ・・・!」(い、痛い、熱い、痛い、熱い・・・!)


「イッ・・・、イー、イィー・・・!?」(か・・・、体が、体がぁ・・・!?)


「ィィ、ィィイイ・・・・・・!」(ぉぉ、ぉぉおお・・・・・・!)


「・・・・・・全員気を失っているみたいだが。どうやら生きているようだな。」


三者三様の呻き声を上げている戦闘員一号、二号、三号の姿を見てホッと安心する。

とりあえず今は彼等を安全な場所に運び出そうと思って動こうとした時、自身の耳にドスン!と何か重い物が落ちる音が聞こえた。


「ウォォォオオオオオッ!」


「な、なんだ!?」


音が聞こえた方向へと視線を向けると、そこには雄叫びを上げながら迫り来る赤熱する程赤くなった肌を持つ人型の巨体がいた。


「お前は・・・!?」


ジュウジュウと体から蒸気を発しながら駆けて来るソイツを目にした俺は、それが玄関口で出会った怪物であることに気付いて驚きの声を上げ、しかしすぐさま迎撃態勢を取る。


「オォォウッ!」


赤肌の巨人は俺の眼前にまで近づくと拳を振り上げて来た。


「くっ・・・!?こなくそっ!」


後ろに戦闘員達が倒れたままの状態であった為、避ける訳にはいかないと、振り下ろされる拳を十字に構えた腕で受け止めようする。

だが、ここで予想外の事が起こった。


「フンっ!」


「なにっ・・・!?」


赤肌の巨人は俺ではなくその手前の地面に向けて拳を振り下ろしたのである。

殴りに来るだろうと思った相手が、まさか地面を殴った反動を利用して頭上を飛び越えて行くとは思っておらず、俺は予想が外れてこともあってその様子を呆然と見上げていた。

そして、それが一瞬の隙となってしまった。


ボコッ、ボコボコッ!


「「「ヴァァァアアアア・・・・・・!」」」


「なっ!し、しまった!?」


突如足元の地面からゾンビが出てきて、自身の両足が拘束されてしまった。

「くそっ!」と悪態を吐きながら、俺は両足を掴んでいるゾンビ達を殴り飛ばそうと拳を構えるのだが、しかしその腕もまた、自身の後方の地面から更に飛び出してきたゾンビの手に掴まれることによって動けなくされてしまう。


「「「ヴァァァ・・・ヴァァァアアアッ・・・!」」」


「この・・・!離せっ・・・!?」


ゾンビ達による拘束から抜け出そうと身を捩るも、的確に関節部分を押さえられているようで、思うように手足を動かすことが出来ない。

本当にゾンビなのかこいつ等・・・!?


「「「ヴォォォオオオオッ・・・!!!」」」


「「「カタカタカタカタッ・・・!!」」」


「ふんっ・・・!ぐぅっ・・・!・・・って、えっ?」


中々ゾンビ達の拘束から抜け出すことが出来ずに悪戦苦闘している時、突如頭上から大量の声のようなものが聞こえ始めた。


「なっ、なぁぁぁああああああーーーっ!?!?」


一体なんだと思って上を見上げると、そこにはゾンビとスケルトンの群れがこちらに向かって大量に落ちてくる光景があった。


「「「ヴァァッ・・・!ヴァァァァッ・・・!!ヴォォォォッ・・・!」」」


「「「カタカタカタッ・・・!カタカタカタカタッ・・・!!」」」


「ぐえっ!?や、やめ・・・!お、落ちてくる、なぶっ!?」


次から次へと体の上にドサドサッ、ゴンッ、ガンッ、と落ちてくるゾンビとスケルトン達。

位置関係的にその身で受け止めるはめになってしまった俺は、重みで押し潰されるように地面に倒れ伏す事となってしまった。


「く、く・・・そ・・・・・・ぅ・・・・・・!」


起き上がろうと体に力を入れようとするも、先のボーンレックスとの戦闘で体力を消耗していたこともあり、またゾンビ達から漂う腐ったような臭気に当てられるといったダブルパンチによって意識を保つ事が出来ず、最終的に俺はゾンビとスケルトンの山に埋もれたまま気絶してしまうのであった。







次回投稿は7月21日予定です。

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