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ミッション138 新生!変貌!戦隊ロボの大変身・・・!?

皆様、お久しぶりですKudoです。新話が出来たので投稿します。

今回は4話分を1週間毎に投稿していきます。

なお、今回はシリアスとコメディ要素が半々です。



「おおっ、凄ェぞあのロボット!アームドレンジャーの戦隊ロボを負かしやがった!!」


「ヒュー!マジかよ!あのべらぼうに硬かった奴をズタボロにするだけでなく、地を這わせるなんてなぁ!なんてイカしたロボットだ!」


「・・・俺は見逃さなかったぞ、戦隊ロボの間接部に的確に砲弾を叩き込むところを。どれだけ頑丈だろうと、流石にそこまでは装甲ほど硬くはなかったようだな」


 スパランティス島の港エリアに存在する防波堤。その上で多くの怪人怪物達が、ガッシンジャーが肩から先の左腕を失って海の中へと沈んで行く光景を目にして歓声を上げていた。

 彼等にとって散々煮え湯を飲まされた因縁浅からぬ相手。それが打倒されたのだ。過程はどうあれ、相手が誰であれ、結果として倒すことが出来たのであれば、その程度は些末事(さまつごと)。彼等は皆一様に胸が()くような感覚を覚えていた。


「いよぉーし!それじゃあ状況がもうちょい落ち着いたら、沈んだあのロボをサルベージして散々迷惑を掛けてくれやがったクソ野郎共を引き摺り出してやろうぜぇっ!」


「そんでもって尋問に拷問、嫌がらせのフルコースを味合わせてヒィヒィ言わせてやろうや!きっと楽しいぞぉ・・・!!」


「それと馬車馬の様に働かせるのも忘れずにな。これまで連中から受けた被害は相当だったからな。せめて損害賠償分は返してもらわなければ気が済まん」


 思い思いにこの後に行う事について真っ黒な展望を語りながら、ニチャアとした笑みを浮かべる怪人怪物達。

 ちなみに、その中には先のブルーナイトメア達との攻防でダウンした筈のタマゴ男爵もいて、(どこにあるのか区別がつかないが)顎の部分を擦りながら頭の中で算盤を弾いていた。

 なお、少し前まで見た目結構なズタボロ具合だったタマゴ男爵がものの数分で完全回復復活してひょっこり群衆の中に混じっているのを見たディーアルナは、回復早ッ!?と見切れた感じに驚いていたり。


「・・・ん?なんだ?おい、何かおかしいぞ」


 ・・・と、そこで怪人怪物達の一部が何かに気付いたように呟いた。

 その中の一人が指先を伸ばし、とある場所―――ガッシンジャーが沈み、姿を消した海面へと向ける。

 ―――そこでは、ガッシンジャーが沈んだ後もブクブクと、水面が今なお激しく泡立っていた。










「くっ、くそっ、やりやがったなあの野郎・・・!―――ピンク、イエロー!ガッシンジャーの再起動はまだできないのか!」


「無茶を言わないでちょうだい!メインシステムだけじゃなく、緊急用のサブシステムも全部ダウンしているのよ!」


「動力炉を全力稼働中に横合いから引っ叩かれたようなものだからね。人間が驚きで心臓が止まっちゃう様に、衝撃にビックリして完全に止まっちゃってるんだよ。再起動するには動力炉に直接手動で火を入れるしかないね」


 少し時間を遡り、海底に沈むガッシンジャーのコックピット内。

 そこではアームドレンジャー達が切羽詰まった状況を何とかしようとしていた。


「じゃあ、早くそれをやりに行こうぜ!・・・って、うん?フンッ!・・・・・・オイ!どうなってるんだ!通路に出るシャッターが開かないぞ!?」


「だから、全システムがダウンしているって言ったでしょ!当然、そこのシャッターも含めて各開閉扉はロックが掛かったままだから開ける事が出来ないのよ!」


「サブシステムを優先して復旧させようとはしているけど、さっき大技を使った直後だったから、サブ動力炉として搭載しているバッテリーの残量もほぼ無い状態なんだよね。

 一応、そのバッテリーは時間経過で電力が溜まる仕組みにはなってるけど、起動するために必要な電力が溜まるまで、あと一時間ちょっとくらいは掛かるかな」


 現状のガッシンジャーは、言うなれば鉄の棺桶も同然。どれだけ動かそうとしても、動力炉が起動していなければ電力は得られないし、電力がなければ当然機体を動かすための各種システムも起動しない。

 加えて、火急の危機が彼等に迫っていた。


「・・・・・・それまで保たないと思うがな。聞こえてくる水音の感じからして、機体各部の損傷箇所から海水が内部に入り込んでる。完全に浸水するまで、おそらくあと三十分といったところだろうな」


 それはガッシンジャーの機体内部への浸水だ。

 ドボボボボボッ・・・!という音をアームドブルーの耳が捉えていた。しかも存外そう遠くはない。おそらく機体内部はもう既に半分以上が浸水しきっているのだろう。

 海中に沈んで十分もしない内にこれだ。このままのペースで浸水が続けば、完全に浸水するのも時間の問題。最悪、このコックピット内も海水で満たされ、溺れて全滅するという結末を迎えることになるだろう。


「く・・・そォッ!?どうすればいいんだ、このままじゃ・・・!

 というかグリーン!お前、さっきまでの煩かったハイテンションはどうした!?」


「・・・・・・」


「・・・・・・グリーン?おい、聞いてんのか!黙ってないでなんか言え―――!」


 迫り来る危機的状況に頭を抱えていたアームドレッドは、さっきまでのハイテンションとは売って変わって何も言わずに黙り込んでいるアームドグリーンに気付くと、ガシッとその肩を掴んで振り向かせようとする。


「ピロピロピロピロピロ・・・!」


「ほぁっ!?」


 そしてグイッと引いて振り向かせた瞬間―――アームドグリーンが被っていたマスクの両目部分が極彩色に明滅しているのを目にして、ドビクゥッ!?と肩を竦ませた。


「えっ、なに、えっ、マジで何これ・・・!?お、おぉい、グリーン?グリーンさん?大丈夫かー?」


『・・・グリーン?違う、違うなぁ。私の名前はそのような何の捻りもないものではない。

 ―――そう、我が名は"オンパァー"!笑いと絶叫が響き渡るおもしろエンターテイメントを追い求め!主催し!テレビの前のお茶の間の皆様が、笑い転げて両足をバタつかせるような番組をお届けする事を信条とするエンタメ怪人、"オンパァー"である!』


 予想だにしていなかった突然の奇行、というか明らかに様子がおかしいアームドグリーンを目にしたアームドレッドは心配気に声を掛けるが・・・・・・それに対してアームドグリーンは、人差し指をピンと立てた右手を頭上へ伸ばし、左手を腰に当て、突き出したお尻をプリップリと左右に振りながらそう名乗りを上げた。

 その様子はまさに、気分は上々☆テンションアゲアゲ☆正気なんて欠片も感じさせない混沌(カオス)MAXフルスロットル。まるで足元に回転台があるかのようにクゥルリクルリと回るその姿は、あたかもスポットライトが当たっているかの様に輝いていた。

 ・・・というか、実際に当てられていた。しかも七色の光を放つミラーボール付きで。どっから出したそんな物。


「いやいやいや!?いきなりどうした!?極限状態に置かれて頭がおかしくなったのかグリーン!?というかどっから出したそのミラーボール!?!?」


 当然と言うべきか、何がどうしてそうなった!?とツッコミを入れるアームドレッド。

 ブルー、ピンク、イエローといった他の面々も、先程までの世紀末ヒャッハーみたいな感じとはまた違うアームドグリーンの豹変ぶりにドン引きし、怖気を感じて、ズザッと可能な限り後退る。


『キヒヒヒヒヒッ。頭がおかしくなった等と、これは異なことを仰る。私は狂人になった覚えなどありませんし、そもそも発狂とは無縁の存在なのですが・・・・・・。

 あ、それと、ご質問されたこのミラーボールは私の能力で作った物です。エンターテイナーとして、演出用の小道具を欠かすわけにはいきませんからねぇ。

 ―――ほぉら、この通り。何処からともなく取り出した種も仕掛けもないシルクハットから一本の細長いステッキが!それだけではありませんよぉ!これでこのSFチックな座席を叩けばぁ・・・・・・はい!彩り溢れた花を生けた花瓶に変えて見せてござぁい!』


 そして、アームドグリーン・・・・・・否、オンパァーと名乗ったそれは、これ見よがしにパチンッと指を鳴らすと、その手に何時の間にやら黒いシルクハットが現れた。そしてクルクルと表裏を見せた後に防止の中に手を突っ込むと、そこから一本の持ち手が銀に彩られた黒いステッキが取り出された。

 さらにそれでコックピット内にある座席をコンコンと叩くと、ポンッ!と白い煙が発生。次の瞬間には、赤、青、緑、黄色、桃色と言った彩り鮮やかな花が生けられた大きな花瓶へと変えるという、マジックの様な演出を披露してみせた。

 それを目にしたアームドレッドは、マスクの下で驚愕に目を見開かせ、わなわなと口元を震わせる。


「その口調・・・その雰囲気・・・そしてグリーンにはなかった能力。・・・ってことは、もしかして・・・・・・」


『どうやら信じて頂けたようで。そう、別に私の頭がおかしくなったわけでは―――』


「遂に、遂に昼飯に食った『怪奇!深海のレトルトカレー』に書かれていた深きモノとか言うなんかよく分からないモノに乗っ取られちまったのか!?あれ食ってから色々おかしくなってたのは分かってたけど・・・!!くっ・・・グリーン、惜しい奴を失くしたぜ・・・・・・」


『いやいやいや!?どうしてそうなるのですか!?変な勘違いをなさらないでほしいのですが!!』


 そして、少し俯きながらそうのたまい始めた。

 悲壮感混じりのその声音は、なるほど確かによく分からないモノに乗っ取られてしまったアームドグリーンの事を(いた)んでいる様だったが・・・・・・しかしそこで、待った待った待った!?とオンパァーと名乗るそれが止めた。

 その後でそれは「ん、ンンッ・・・!」と咳払いを行うと、左手に持つステッキをクルクルと回しつつシルクハットを頭に被り、そのつばの部分を右手の指で摘まみながら位置調整をする。


『言っておきますが、私は別にこの体の持ち主を乗っ取ったとか、そんなことはしておりません。ただ怪電波で頭の中をジャックしているだけですとも』


「へっ?・・・ということは、グリーンはなんかよく分からないモノに乗っ取られたわけじゃないのか?そうかぁ、良かったぁ・・・」


「いやいやいや。良くない、何も良くはないからね、レッド。結局のところ、グリーンが何かに操られていることに変わりないんだから」


「・・・・・・ハッ!?そういやそうだ!?」


 オンパァーと名乗るそれの言葉に一瞬安心しかけたアームドレッドだったが、そこでイエローの指摘を受けて、そう言えばそうだった!?という風にハッとする。

 ちなみに、オンパァーがアームドグリーンの頭ジャックが出来た理由は、『怪奇!深海のレトルトカレー』を食べたことで精神やらメンタルやらSAN値(正気度)やらが色々とバグっていたからである。そうでなければ、ヒーロースーツを身に纏ったヒーローを怪電波程度で操ることなど出来るわけがないので。


「オイ、お前!確か、オンパァーつったか?怪人と言っていたが、いったい何が目的で俺達のロボットに潜り込んだ!?」


『ようやくその事について聞いてくれましたか・・・・・・』


 早めに本題について話したかったのに、なんかわけ分かんない遠回りをさせられた。そう思っていたオンパァーと名乗るそれは、「ふぅ、やれやれ・・・」といった風に頭を振ると、一呼吸間を空けてから、バッ!と両腕を大きく広げた。


『よろしい。ではお答えしましょう!私の目的、それは―――このガッシンジャーというロボットそのものです!!』


「が、ガッシンジャーそのもの、だと・・・!?」


 どういう事だ、という風な視線を向けるアームドレッドに、オンパァーと名乗るそれは、ようやく期待していた通りの反応を見せてくれた!と内心で喜びながら再び口を開く。


『実は私事(わたくしごと)なのですが、少し前にとある戦いで自由に動かせる体を失ってしまいましてね。その後はユラユラと海の中を漂いながら代わりとなる体を探していたのですが・・・・・・そこへ丁度このロボットが通り掛かるのを見つけまして、これ幸いとくっつき、そのままシステムにハッキングを仕掛けて頂いてしまおうと我策していたのですよ。

 私のハッキング方法は侵食型でしてね、物理的な接触によって機械等を操る事が出来るのですが・・・・・・いやはや、思っていた以上にセキュリティが強固なこと。まさか機体が侵食された場合を想定して、電子回路それ自体に極小のバリアを纏わせることで物理的に防ぐ手段にするとは。まったく予想だにしておりませんでした。おかげで取っ掛かりすら得ることが出来ませんでしたよ。

 ―――動力炉が停止し、全システムがダウンするまでは』


 オンパァーと名乗るそれが、何時の間にやら身に纏っていた黒いマントをバサッと翻す。

 その直後、バチッと火花が散るのに似た音が鳴り、続いてコンソールから駆動音が鳴り響き、メイン・サブ含めた各種システムが立ち上がり始める。

 同時に、ガッシンジャーに備わっていた排水機能が起動。機体内部に浸水していた海水が瞬く間に外部へと排水されていく。


「なっ!?操作していないのにシステムが立ち上がった!?どうして・・・!?」


『電力の供給元が無くなれば、当然それで動いていた機械は機能を停止する。それは必然、付随していたセキュリティもまた機能しなくなるということ。そうなればこのガッシンジャーという機体の全てを掌握し、乗っ取る事など容易い』


「マジかよ!?」


「いえ、それでも動力炉からエネルギーを生成、抽出するには私達の様な適正者の存在が必要不可欠な筈!いったいどうやって・・・!」


『そんなのは簡単ですよ。この機体に搭載されている『WLEシステム』という動力炉は、内部で流れている特定の波長と適性のある者が同調、共鳴することでエネルギーを引き出す代物。・・・であれば、その波長に合うように色々と調整してやれば、意のままに引き出す事など造作もありません。

 それに、幸いにして此処にはサンプルとなる者が五人もいましたからねぇ。アナタ方の持つ波長を参考にしたことで極めて短時間で調整を完了させることが出来ました。今やこのロボットは私の体も同然です!』


「なっ、そんなことが!?」


 まさかの答えに驚き、呆然とするアームドレッド達。

 そんな彼等の様子を見たオンパァーは、キヒヒッと上機嫌に笑う。


「くっ、お前、俺達のロボットを奪って何をするつもりだ!絶対自由に動かせる体が欲しかっただけじゃないだろう!答えろ!」


『―――ほう?考え無しの行動で方々に迷惑を掛けている割には存外頭の回転は悪くないようですねぇ。いいでしょう。その察しの良さに免じてお答えしましょう、私が何をしようとしてるのかを!』


 アームドレッドに問われたオンパァーは、感心するような声音でそう言った後にパチンッと指を鳴らした。

 その途端、コックピット内に存在する全てのモニターにスパランティス島が映し出された。


『・・・先程のお話でも語ったように、失った体の代わりとなる新しい体としてこの機体を欲していたというのは嘘ではありません。ただし、それは真の目的を達成する為の手段として必要だったからです。

 私の真の目的、それは―――このモニターに映されている島を手に入れる事です!』


 バンッ、なんて効果音が聞こえそうな勢いで宣言するオンパァー。

 対するアームドレンジャーは、「・・・・・・はっ?」と揃ってポカンと呆気に取られていた。


『この島・・・確か、スパランティス島と言いましたか?素晴らしいですねぇ。ええ、実に素晴らしい。まさかあのようなバラエティに富んだ島があるとは・・・・・・あの島を我が物に出来れば、今後私が主催するエンターテイメントがより華やかになること間違いなし!

 見える!見えますよォ!私の企画したイベントを目にしたお茶の間の皆様が面白いと思い、楽しげな笑い声を上げている姿が!その光景がァ!!それを想像するだけでもあの島を奪う意欲が湧いてくるというもの!!キヒッ、キヒヒヒヒヒヒッ・・・!ああ、欲しい、欲しいですねぇ。私は、あの島が、本当に欲しいィィ・・・!!!』


 片手で顔を隠しながら鼻息荒く話すオンパァー。その興奮具合は、マスクの下の表情が盛大に引き攣ったような笑みを浮かべているのがありありと分かるものだった。


「・・・・・・し、島を手に入れるって、いったいどうやってよ・・・!動力炉は再起動したけど、ダメージを受け過ぎたのと武装の大半が破壊された事でガッシンジャーはもうこれ以上戦えないわ!こんな状態で攻め入ったところで返り討ちに遭うのがオチよ!!」


 そんなオンパァーにアームドピンクが悲鳴混じりの声を上げる。

 彼女の言う通り、ガッシンジャーはこれまでの戦闘で受けたダメージによってボロボロになっている。搭載されている武装もほとんどが壊され、まともに使えるのは残り二つか三つくらいだろう。状態としては大破に近い中破と言ったところであり、そんな状態で数多くの怪人怪物達が蔓延っているであろう悪党共の巣とも言うべき場所に向かうなど、ヒーローである自分達にとってはただの自殺行為でしかない。

 ―――そして、それはガッシンジャーを乗っ取ったオンパァーという怪人も立場としては同じ筈だ、とアームドピンクは考えていた。

 というのも、ガッシンジャーが怪人に乗っ取られている事など傍から見たところで分かるわけがないからだ。不用意に近づこうものなら手痛い反撃を受けて諸共に撃破されてしまうのがオチだろう。

 その事はオンパァー(こいつ)も分かっている筈だ、とそう思っていたアームドピンクだったが・・・・・・しかしその当のオンパァーはと言えば、余裕あり気な雰囲気を崩さないままマスクの下で笑みを浮かべていた。


『キヒヒッ・・・貴女のその懸念は御尤も。ですが心配ご無用!私の能力、『強制劇場』を使えば、貴女が口にした問題の大半は解決する事が出来るのですよ!!

 ―――さあ、ガッシンジャーよ!今この時より生まれ変わり、多種多様且つ面白おかしいエンターテイメントを生み出す化身となるのですっ!!』


 大きな身振り手振り混じりで声高に叫ぶオンパァー。

 その瞬間、ガッシンジャーを中心に海水を押し退けるように光の柱が展開。また、浮力も発生しているのか、横倒しになっていた機体がふわりと浮かびながら起き上がる。

 同時に、周囲に無数の赤紫色の光球が出現。それは次々にガッシンジャーへと集まっていくと、機体全体を包み込む様に覆い隠す。

 その後、光球に包まれた機体は上昇を開始。海上を目指してゆっくりと浮上していく。

 その際に強い振動も発生させており、コックピット内が大きく揺れ、中にいたアームドレンジャー達が体を大きくふらつかせた。


『皆様、御照覧あれ!これぞ我が能力によって新生したガッシンジャー改め、エンタメロボ!”ゴルドニシア”!此処に推ィ参ッ!!』


 ―――そして、劇場舞台の奈落から現れる様に迫り上がり、海上へと到達した瞬間、機体全体を覆っていた赤紫色の光球が弾け飛び、生まれ変わったガッシンジャーが姿を現した。

 その見た目を一言で言うのなら・・・・・・某毎年紅白歌合戦にてド派手な衣装を着て出演していた女性歌手のそれに似通ったものだった。

 機体色は黒を基調にしているが、その上から羽毛を模した金色の装甲が覆う様に取り付けられており、また両腕両足には翼が交差するように閉じられたデザインのモノが取り付けられている。

 背中にはこれまた二対六枚の黄金の翼を模した独立可動式のウイングスラスターが取り付けられており、宙に浮かびながらまるで本物の翼の様な動きを見せている。

 頭部は角があった場所は小型の翼へと変わり、頭部後方には複数の羽毛が折り重なったようなデザインの後輪が存在感を主張している。

 そんな、元の重装甲の鈍重そうな見た目から似ても似つかない豪華且つド派手な姿へと変わった元ガッシンジャー、現ゴルドニシアの大幅な変貌具合に、始めは呆然としていたアームドレンジャー達だったが、そのすぐ後に声を揃えて心の底から驚きの声を上げた。


「「「「な、な、なんじゃこりゃあああああああーーーっ!?!?!?」」」」


 と。





次回は7月22日に投稿予定です。

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― 新着の感想 ―
まさかここで奴が1人で大どんでん返しを起こすとは(٥↼_↼) 下手なゾンダーロボより機械に拘ってないから自力でここまで魔改造できるのか(´⊙ω⊙`) 目的は兎も角ラスボス第二形態でラウンド2か(⑉…
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