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ミッション1 女になっちゃった!?

皆様、明けましておめでとうございます。

どうもkudoです。

唐突に思いつき、衝動のままに書き上げた作品を投稿します。

結構見切り発車的なもので、投稿頻度も本当に不定期です。

ネタを思いついたら投稿していくつもりですので、よろしくお願いします。



「くそっ!どうすればいいんだ・・・!?」


 太陽が地平線の下に沈み始め、夕焼け空が広がり始めた頃。ある公園に置かれていたベンチに座っていた俺は頭を抱えていた。

 俺の名前は『渡辺光』。今年で十四歳となる肩に掛かるくらいの長さの白髪とルビーの様な赤いは瞳が特徴の少年だ。

 そんな俺だが、実は今これまでの人生の中で最大のピンチに陥っていた。

 それは()()()()()()()()()()()である。

 何故たった十四歳の俺がそれほどまでの莫大な借金を背負う事になったのかと言えば、事の始まりは今から五日前の事。俺の父親―――父さんが突然死んでしまった事から始まる。

 仕事先の同僚だった人達の話では、仕事先で不幸な事故に遭い、そのまま帰らぬ人となったらしい。

 何故”らしい”という言葉を使ったのかと言えば、それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 父さんが遭った不幸な事故というのは爆発事故だったそうで、その爆発により父さんの体は木端微塵となってしまったらしく、遺体も残らない状態だったと聞かされた。それからこの五日間、父さん以外に家族がいなかった俺は、親切にしてくれた父さんの同僚の助けを借りて葬儀や遺産相続の手続きを行っていた。

 そして今日の昼頃。担当してくれた弁護士から遺産相続の件で話があるとの連絡があり、そこで俺は自分が知らなかった渡辺家の危機的状況を知ったのである。

 どうやら父さんは仕事先で不祥事と言うべき事故を幾つか起こしていた様で、その弁償請求をされていたと言うのだ。そしてその弁償をする為の資金を確保するために借金をしていたそうなのだが、借りた先が闇金融的な結構ヤバめの所だったらしく、高額な利息を付けられて何時の間にか十億円にまで膨れ上がっていたらしい。

 俺は悩んだ。正直言って、父さんが死んだ際に手に入った保険金もあるにはあるのだが、到底十億円という金額には届いていない。

 かと言って、家に蓄えられた貯金なんてものも存在しない。なにせ俺の家庭は所謂貧乏な家庭であり、今の俺が住んでいる場所だって月一万八千円の築六十年のボロアパートだし、食糧事情だって下手をしたら一日一回だったこともあったりしたくらいだ。

 そんな貧乏事情を何とかしようと中学に入ったころから年齢を偽り、学校の放課後や休みの日などのバイトをするようになった。幸いにもと言うべきか、その頃から俺の見た目は傍から見たら高校生ぐらいに見えるものであり、バイト先からは苦学生という認識をされていた。

 だがそれでも、十億円なんて大金をバイトなんかだどうにか出来るなんて俺は欠片も思っていなかった。 思い悩んだ挙句、気分転換でもしようと外に出かけてもみた。外に出れば何かしらの解決札が思い浮かぶかもしれないと思ったからだ。

 だがしかし、こうしてアパートの近くにある公園にまで来ても良い解決策など微塵も思い浮かばなかった。


「はぁ・・・・・・」


 俺は公園のベンチに座ったまま、深い深い溜め息を吐く。


「―――ん?これは・・・・・・」


 最早自殺でもして楽になろうかなと考えてしまう程俺が思い詰めていた時、ふと視界の端に一枚のチラシが飛んできたのが目に入った。

 そのチラシには『技能の有り無し関わらず入社する方を大募集!過去の経歴は一切問いません!履歴書不要!月給は百万円から!興味がある方はぜひこの住所までお越しください!』と、とてつもなく怪しく感じられる内容が書かれていた。


「こ、これだぁっ!」


 それを見た俺はまるで天啓を得たような気持ちになった。

 普通であればそんなチラシの内容を真に受ける者などいないだろう。なにせ怪しさ満点過ぎるからだ。もしかしたら、何かしらの犯罪的なモノに関わっているのかもしれない。

 だがしかし、その時の俺の精神状態はとても普通と呼べるモノではなかった。

 父親の死。その父親が残した十億円の借金。そしてこれからの生活の不安といった幾つもの負のスパイラルが重なった事で、俺の精神状態はマイナスにまで落ち込んで生きる気力が湧き上がらず、将来の希望すら出てこない状態であった。

 だからこそ、俺にとってそのチラシの内容は一筋の希望の光の様に思えたのだ。


「これなら、これなら何とかなるかもしれない・・・!これだけの高額な給金があれば、時間は掛かるが借金返済の目途が立つ可能性がある・・・!!」


 チラシを手に取った俺は思わずといった風にそう呟き、そしてそこに書かれている住所へと向かおうと駆け出すのであった。








 俺はチラシに書かれていた住所へとやって来た。そこは所謂廃工場と呼べる様な場所であり、そのボロボロの外観は使われなくなって久しい感じがした。


「・・・・・・えっと、本当に此処なのか?」


 俺はこの時点で正気に戻り、怪しいと思い始めた。だけど折角見つけた希望に縋りつきたい気持ちの方が強かった俺は、意を決して廃工場の中へと入って行った。


「あの~・・・すみませ~ん。チラシの内容を見て来たんですけど~・・・誰かいませんか~・・・?」


 廃工場の中へと恐る恐る入った俺は、誰かいないかと声を掛けながらその足を進ませる。


「よぉくぞ参ったぁ!」


「うわぁっ!?」


 その時だった。建物内に突然男らしい野太い声が響き渡り、同時にライトの光がパッと付いて俺の周囲を明るく照らしたのは。


「ようこそ!我が『アンビリバブル』の面接会場へ!我の名は『ブレバランド・アーユーカウス・レンテイシア』!長いので『ブレーバー』と呼びたまえ!我は此処に来た君を盛大に歓迎しよう!」


「え、えっと、ありがとう、ございます・・・?」


 目の前に突如現れた人物―――ブレーバーに歓迎された俺は反射的に返事をした。

 だがしかし、この時すでに俺は今すぐ此処から立ち去って家に帰りたい気持ちになっていた。それは目の前に現れた人物のしている恰好が原因であった。

 第一印象は痛いコスプレをしたヤバい人という感じだ。四つ目の付いたヘルメットの様な語りのマスクを被り、体全体を肩パッドから垂れ下がっている黒マントで覆い隠しているその姿。唯一黒マントの内側から覗かせている両腕も、刺々しい手甲の様な物が付いていて、なんというか物騒な印象を受ける。正直、特殊な宗教の一風変わった勧誘か何かではないかとも思ってしまう程だ。

 

「さて、それではさっそく面接に入ろうと思う。今席を用意するから、君はそこに座ってくれ」


「・・・え?あ、はい。」


 歓迎の挨拶は十分にしたと判断したのか、その仰々しい仮面を被ったまま、ブレーバーと名乗った人物は近くに置いてあった机と椅子を手に持ち、面接の用意をし始めた。

 俺としてはその申し出を断って帰ってもよかったと思うが、流れでついつい頷いてしまい、促されるままに用意されていた椅子に座ってしまった。


「それでは君がここにやって来た志望動機を聞きたいと思う」


 組んだ両手を口元に添え、机の上に両肘を置く姿勢となるブレーバー。所謂ゲン◯ウポーズとも呼べる姿勢となった彼と机を挟んで対面する様な形で座った俺は、どのように話せばいいものかと戸惑っていた。

 なにせ元々此処に来た理由はチラシに書かれていた高額な収入が目当てであり、その収入でもって十億円もの借金の返済をする為であったからだ。


「別にどのような理由であっても構わないのだぞ?我としては態々こんな寂れた所までやって来た君の目的が知りたいのだ」


「・・・・・・・・・」


 口籠る俺の様子を緊張していると見たのか、ブレーバーはその緊張を解そうとする様に声を掛けて来た。

 正直に話しても良い。そう言いたげなブレーバーの物言いに俺は一瞬迷いはしたものの、最終的には正直にここに来た理由を話すことにした。

 これまで父親と二人で一緒に貧乏生活を送っていたこと。つい先日その父親が死んだこと。そして父親が背負っていた十億の借金が判明し、返済の目途がまるでないこと等。これまでの経緯を目の前にいるブレーバーに語った。

 普通なら怪しいと断言できる恰好をした初対面の人物に個人的な事情を話すなんてことはしないだろう。

だがこのブレーバーという仮面を被った人物はその見た目に反してとても聞き上手で、「うんうん、そうか・・・」や「大変だったなぁ・・・」と絶妙なタイミングで相槌をし、こちらの気持ちが本当に分かっているかの様に―――と言うか、実際話の途中で実際泣き出す様子も見られていた為、それを見た俺はついつい言わなくてもいい事である日々の苦労まで語ってしまった。

 ・・・まあ、話し終えた後でその事に気付いた時は、思わず顔を赤面させてしまったが。


「そうかぁ・・・父親が死んで、しかも突然十億なんて借金を背負わされて、随分と大変な思いをしてきたんだねぇ、君は・・・・・・!」


「はい、まあ・・・・・・」


 ズズッ・・・!と鼻水をすする音を出すブレーバー。まるで共感でもするように本当に悲しそうにしている彼の姿を見た俺は、見た目の格好はともかくとして実は案外良い人だったりするのかもしれないと思った。


「よぅし!我は、決めたぞぉ!」


「・・・ッ!?」


 そしてようやく泣き止んだと思ったら、ブレーバーは突然拳を握り締めながら立ち上がった。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」


「・・・・・・・・・え?」


 突然俺の借金を肩代わりしようと言い始めたブレーバー。

 その言葉を聞いた俺は、一瞬呆けた顔をした後に、まさか!?と驚きの表情を浮かべた。


「あ、あの、俺の借金を代わりに払うって・・・・・・」


「うむ!組織のボスとしての誇りに賭けて、その言葉に二言は無い!・・・・・・ただ、君の借金を肩代わりする代わりに、その返済分だけウチの組織で働いてほしいのだが、いいだろうか?」


「えっと・・・はい。代わりに借金を払ってくれるのですから、それぐらいは。・・・・・・でも、十億円なんて大金を本当に払うことが出来るんですか?」


「問題ない!その程度であれば、ウチの組織で稼いだ資金でどうとでもなる!」


 ブレーバーの語る組織という言葉に疑問が浮かばない訳ではなかったが、自信満々に言い切る彼の姿を見て、何とかなるかもしれないと思った俺は、椅子から立ち上がると彼に頭を下げた。


「あの、それじゃあ、よろしくお願いします!」


「うむ!こちらこそよろしく頼むぞ!―――それではさっそくだが、君には今からある仕事を一つしてもらいたい」


「・・・・・・って、今から、ですか?」


 採用された直後に仕事を任されるという事態に俺はちょっと驚いた。今はもう完全に日が落ちて真っ暗闇が広がる時間帯だ。そんな時間帯に行う仕事とはいったい何なのだろうか?


「なに、そう難しいことをしてもらう訳ではない。本格的に働く前の事前準備をするだけだ」


 そう語ったブレーバーは「ちょっと一緒にそこにある小屋の中に来てくれないか」と、何故か廃工場の中に建てられていた一軒のプレハブ小屋を指差した。

 「何でそんなものがこんな所に・・・?」と俺は戸惑いつつも、ブレーバーに導かれるまま、彼と一緒に小屋の中へと入っていく。


「・・・・・・あの、真っ暗で何も見えないんですけど、明かりのスイッチとか無いんですか?」


「待っていなさい。今電源を入れたが、明かりがつくまでに少々時間が掛かるのだ」


「そんなに時間が掛かるものなんですか?」


「うむ。必要電力そのものは、あまりいらないのだが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()でな」


「・・・・・・?・・・起動って、いったい何のこと・・・・・・ッ!?」


 何かおかしなことを言っていると感じた俺が聞き返そうとブレーバーのいる方へ振り向くと、突然自身の顔に何か霧状の物が噴射され、そしてその瞬間俺は強烈な眠気が襲ってくるのを感じた。


「・・・い、一体・・・・・・何・・・を・・・・・・・・」


「何って、先程も言ったように事前準備だよ」


 そう言いながらブレーバーは崩れ落ちそうになる俺の体を抱き留めると、お姫様抱っこの様な形で抱え上げた。


「なあに、君は眠っているだけでいい。その間に、我が仕事をするために必要な物を揃えてあげよう。・・・・・・今は、安心して眠りなさい。」


「・・・あ、あぁ・・・・・・」


 穏やかな声で俺に語りかけるブレーバー。その言葉を耳にしたのを最後に、俺の意識はまるで水底にでも沈んで行く様に穏やかな眠りへと落ちていくのであった。








 ゴボリッ、という音が聞こえた。

 その音はどこかで聞き覚えがあり、少しして水の中で泡が出来る時に出る音か、と俺は思い出す。

 ・・・・・・って、水の中?という事は、俺は今水の中にいるのか?水の中って、息できないよな?息できないと、死んじゃうよな?水中で死ぬって言ったら、それって溺死・・・・・・・・・・・・ッ!?


「・・・・・・ごばぁっ!?」


 そこでようやく、自分が水の中にいる事に気付いた俺は必死になってもがき始める。

 死ぬかもしれない恐怖に襲われ、無我夢中で手足を振り回すのだが、しかし振り回してすぐに手足の先が壁の様な物にぶつかるのを感じた。


「・・・・・・むがぁっ!?」


 自身の周囲に手足を伸ばし、周囲の様子を調べる。

 どうやら自分は細長い筒状の何かに入れられているらしい。出口になりそうな抜け道や通路といったものを見つけることができず、このまま死んでしまうのかと諦めかけた時、突然ビーーーッ!という音が響いた。


『被験者の意識覚醒を確認』


『バイオチェンジシステムの工程の百パーセント完了を確認』


『被験者の肉体の完全書き換えの際に異常が起きていないか診査。・・・・・・診査完了。オールグリーン。これより内部に溜まっているバイオニズム液の排水を開始します』


 音が響いた後に電子音声の様な物が聞こえ始める。そして排水を開始という声が聞こえたと思ったら、俺の体を包んでいた水がどんどんと排出され、その水嵩が下がっていくのを感じた。


「がはっ、がほっ!げほげほっ・・・!?」


 口元まで水が下がって来た時に猛烈な吐き気の様な物を感じ、その衝動に逆らわずに咳き込んで口から大量の水を吐き出す。

 目覚めた当初は気付かなかったのだが、どうやら肺の中にまで水が入り込んでいたらしい。そして咳き込んでいる間に筒状の物の中に溜まっていた水が全て排水されたようであった。


『バイオニズム液の排水を確認』


『変化後の肉体の定着率を確認。・・・・・・定着率百パーセントを確認。外気に晒されても問題なしと判断』


『これよりバイオチェンジカプセルが開かれます。近くにいる方は危険ですので離れてください』


「・・・・・・ッ!?」


 プシューッ!という空気が抜ける音が聞こえ、それからゆっくりと目の前の壁が持ち上がっていく。ずっと光の届かない真っ暗の中にいたためか、突然入って来た光に目が眩み、思わず目を瞑ってしまう。

 それから何度も瞼をパチパチとさせて目を光に慣れさせた俺は、今度こそしっかりと目を見開いた。


「・・・・・・・・・」


 目の前に広がっていたのは、まるでどこかの研究所にある研究施設のような場所であった。ただし、壁や廊下の色彩、飾られている彫刻に至るまで何故か悪役チックと言うか、まるで悪の組織の秘密研究所といった印象が感じられるものであったが。


「・・・・・・ッ!」


 意を決して、筒状の何か―――電子音声がカプセルと呼んでいたモノから出る。


「おはよう。渡辺光君」


 地面に降り立った時、横から聞き覚えのある声が聞こえた。

 声が聞こえた方へと振り向くと、そこには四つ目のヘルメット状の仮面を被った人物―――ブレーバーがいた。


「新しい肉体となってからの目覚めはどうかな。気分は上々?」


 親しげに話してくる彼の言葉を聞きながら、一体何が起きているのだろうかと思った俺は―――これまでの経緯を思い出してブレーバーの胸倉を掴み上げた。


「おい、アンタ!いきなり何しやがった!あの時俺の顔に吹きかけたものは何だ!?」


「・・・開口一番に聞くのはそこなのか?もっと気になることがあると思うのだが」


 ブレーバーの体を前後に揺すりながら詰問すると、彼はどこか戸惑いながらも答え始める。


「君の顔に吹きかけたのは唯の即効性の睡眠薬だ。言っただろう?仕事を始める前の事前準備を行うと・・・」


「それが俺を眠らせるのと一体何の関係が―――」


「そんなことは決まっている!()()()()()()()()()()()()()()!」


「―――あるん・・・・・・・・・カイジン?」


 俺は唐突に出てきたカイジンという言葉に固まる。


「・・・・・・灰や塵になること?」


「それは灰塵」


「・・・・・・海の神様的な?」


「それは海神」


「・・・・・悔い改める事?」


「それは改心。・・・・・・って、何時までこのコントを続ける気だ?怪人だよ、怪人!怪しい人と書く方の怪人だよ!」


「・・・・・・・・・はぁっ!?」


 聞き間違いであってほしい。そう思っていた俺だったが、しかしブレーバーにしっかりと告げられたことでその意味を完全に理解させられた。


「・・・なんか、アンタの言い方だと俺が怪人とかになったという風に聞こえるけど?」


「その通りだ。今の君の肉体は元のモノとは完全に別物になっているのだよ。・・・・・・気付かなかったのか?」


 ブレーバーにそう言われた俺は掴んでいた彼の胸倉から手を離すと、その視線を下へと動かしながら自分の体を調べ始めた。


「・・・・・・な、なんじゃこりゃ~!?」


 今の俺の恰好は何故か素っ裸の状態であった。

 ・・・いやまあ、その点に関しても当然の様に羞恥心を感じるのだが、しかし一番の問題はそこではない。

 豊満な胸、括れた腰、張りのあるお尻。

 俺の体は、まるでグラビアアイドルとかファッションモデルとかでも十分に通用できそうな、()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 ついでにまさかと思って股の間にも手を伸ばしてみれば、やはりと言うか当然の様にと言うか、そこにあった筈の息子の存在も無くなっていた。


「これで今の自分の体を見てみるか?」


「・・・え?・・・ッ!?!?・・・う、嘘だろ。そんな・・・・・・俺、女になってる・・・!?」


 ブレーバーはどこからか大きな姿鏡を取り出し、俺の全身が映る様な位置に置く。そして、その鏡に映った自分の姿を目にした俺は思わず絶句してしまった。 

 そこには色白の肌の可愛らしい顔立ちの美少女が存在していたからだ。男であった頃の面影など、耳に掛かるくらいの長さの白髪と、ルビーの様な赤い瞳くらいだろう。その事を理解した俺は愕然とし、思わず腰が抜けたようにペタリと地面に座り込んだ。


「お、おい・・・ブレーバー。アンタ、俺に一体何をしたんだ!?」


「何って、先程も言っただろう。我が組織の怪人にしたと」


バサリと、自身が纏っていたマントを翻したブレーバーは両腕を高々と頭上へ上げた。


「それでは改めて自己紹介をしよう!我が名はブレバランド・アーユーカウス・レンテイシア!この世界を征服せんとする悪の組織『アンビリバブル』のボスであり、君の上司となる者だ!今日からよろしく頼むよ、渡辺光君。―――いいや、悪の組織アンビリバブル幹部『ディーアルナ』よ」


「フハハハハハハッ!・・・・・・ゲホッ!ガホッ!?」と高笑いをしようとして、途中で咳き込んでいるブレーバー。

その姿を呆然と見ながら、俺は思わずと言う様に呟いた。


「・・・・・・どうして、こうなった」


ある意味自業自得とも言える状況。しかし、それを俺が理解出来る様になったのは、それからしばらく後の事であった。





1月12日に主人公の容姿について追記しました。

6月30日に主人公の年齢を変更。高校入学前なので、15歳以上はおかしいので。

2020年4月1日に文章内容を修正しました。

2021年10月20日に文章の一部変更をしました。

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