第ニ話
異常なステータスに驚いた南脇だったが、他のクラスメイトの話しを聞き不思議になった。
「お前、何の職業だった?」
「俺はネクロマンサーだったぜ。」
赤天達の会話だった。赤天にはネクロマンサーという職業があるのに、南脇にはなかった。故に、職業の話しを聞き自分のステータスを更に異常に思った。そして、執事の様な人が言った。
「皆様のステータスを拝見したく思います。この水晶にふれステータスオープンと唱えれば、この水晶がステータスを映してくれます。」
「じゃあ、俺からステータスを見せるよ。」
神童がそう言うと水晶にふれ、ステータスが映された。
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名前:神童勇正
レベル:1
種族:人間
職業:勇者
攻撃力:850
体力:550
守備力:750
魔力:650
スキル:言語理解 神聖剣技 光魔法
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「やっぱり神童君が勇者なんだね。」
「私はわかってたけど。」
女子達は神童が勇者である事に納得やら、安心やらをしながら話していた。南脇は「勇者普通に強い。けど、称号がない。」と思い、称号がない事が当たり前の様な様子がクラスメイト達にはあった。
「さすが勇者様です。一般の騎士が平均100、騎士団長クラスでも400ですからかなりの強さですぞ。魔王を倒す事も難しくないでしょう。」
勇者よりは弱いが南脇は「へぇ〜、俺結構強くね。」と思った。
「やぁ、南脇君、君はどうだった?まぁ、僕たちは見せられないんだけど。」
「南脇君、あとで話がしたい。」
この二人はクラスでも仲がいい方の山岐峯岸と伊達真で、南脇以外とあまり話したりしない。そして、あの二人はステータスを見せられないと言っていることと、話しの内容のことが南脇はかなり気になった。
「涼凪じゃないか?じゃあ、また後で南脇。」
この二人の気になっていたことであり、涼凪に怯えていることだ。二人は涼凪と直接には全く関係がないはずなのに、どこか怯えているのが不思議でならない。あと「俺の返事は…」と思っていた。
「よう、脇、話しがある。ちょっとついてこい。」
「わ、わかった」
涼凪は未だに機嫌が悪かった。そして、人通りのない静かな部屋に入った。
「脇、お前には職業がないだろう。それと代わって称号っていうのがあるだろ。お前が生きていくためにはそれを知らないと無理だろうから、教えてやろうと思ったんだよ。」
「ありがたい、けど、ひとつだけ質問するぞ、なんで涼凪はそんなこと知ってるんだよ?」
「まぁ、昔色々あったんだよ。そういえばあの二人は魔族だったな。なぁ、魔王。」
「えっ……。あの二人って魔族なの?んっ、なんで俺が魔王だって知ってるんだ!」
「多分そうだろうと思っただけだ。その反応は確実に魔王本人だな。とりあえずステータス見せろ。」
少し機嫌が直ったようだった。南脇がステータスを見せると涼凪は驚いていた。
「お前かなり珍しいな、職業ないのに人間、更に魔族国宝の称号まで、確実に勇者なんかよりは強いだろうな。」
「勇者の方がステータス強かったけど?」
「それは魔族化してないからだよ。魔族化したらステータスが1.5倍になる。更に、魔族国宝の能力でステータスが2倍に上がる。合計で3倍だ。余裕で勇者より強い。」
「魔王には能力はないとか?」
「一応あるけど、使えるのはないな。」
「魔王名ばかりすぎないか?」
「今は使えないだけだって、いずれ使えるから気にするなって。あと、あの二人との話しは俺も参加するからな。」
「わかった。」
結局、涼凪について何も聞けなかったことが少し気がかりだった。というよりかは、「魔族になるだけでステータスが3倍になるとか強すぎない。」というのがほとんどだった。そして、二人がこっちに来た。涼凪がいるのに少し驚いていた。
「山岐君、伊達君、話したいことって何?」
「俺がいても問題ないだろう?」
「わかった。南脇、いや、魔王様がこれからどうするかと、私と伊達が真の魔王である貴方様の味方であることを伝えるのが一番です。」
「なんで俺が魔王ってわかったの?あと話し方はいつも通りで。」
「わかりました。俺は、相手のステータスを見るスキルを持っているから、そのスキルを使ったんだよ。」
「じゃあ、涼凪のステータスも見たのか?」
「確かに見たが、涼凪のステータスは見れるけど、見れないのと変わらない。」
「どういうことだ?」
「あまりにもステータスに差があればそうなるんだよ。実際に見た方がわかりやすいか。その代わり、お前ら二人も見せろ。」
「どうせ、みたことあるだろし、俺はいいが?」
「わかった。伊達の意見に賛成だしな。」
そう言うと涼凪達は自分のステータスを見せた。
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名前:涼凪 暁
レベル:?
種族:?
称号:
攻撃力:?
体力:?
守備力:?
魔力:?
スキル:
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名前:山岐 峯岸
レベル:68
種族:魔族
称号:上位魔族
攻撃力:3400
体力:3800
守備力:5200
魔力:6000
スキル:言語理解 身体強化 ステータス鑑定
火魔法 無属性魔法
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名前:伊達 真
レベル:74
種族:魔族
称号:上位魔族
攻撃力:5600
体力:5800
守備力:6200
魔力:2500
スキル:言語理解 攻撃力強化
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二人のステータスを見て、「勇者弱くね。」というのが感想だった南脇。そして、そんなに強くてもステータスが見えない涼凪はにたいしての疑問が「どこの種族だよ!」であった。そして、もう一つ疑問があった。
「涼凪、称号とスキルが空白なのはなんでなんだ?」
「複数あるから、だと思う。」
「だと思うって、まぁいいや、そういえば、スキルについて教えてくれよ。」
「いいけど、そっちの二人の方がわかりやすいと思うぞ。」
「じゃあ二人とも教えてくれ。」
「わかった。」
二人曰く、俺と山岐が持っている身体強化は、魔力が高い者が持ちやすいと言われていて、攻撃力と体力を魔力で上げるらしい。魔力消費減少はかなり珍しく、スキル名のまま能力だそうだ。そして、魔力操作、これは
二人も知らないらしい、なので涼凪に聞くことに。
「で、この魔力操作について教えてくれないか。」
「あぁ、それか、俺も持ってるしな、魔力操作は、魔力を自由に操作できる。例えば、魔法のように使うこともできるが、威力は桁外れに高い。他にも色々出来るが、自分でやって見るのが一番だな。」
「なるほど、じゃあ俺は魔法使いのように戦うのが一番か?」
「それがそうでもない、応用が利くスキルだからな、自分に合わせた使いが一番だと思うぜ。」
「わかった。ありがとう。」
「そういえば、お前ら装備はどうするんだ?」
「俺達は、自分の装備があるが、魔王である南脇の分はないな。」
「わかった。なら脇の分は俺がやるよ。それでいいか脇?」
「ありがたいです。」
「じゃあ、決まりだな。お前らも話したいことはもうないようだし、今日は解散で良さそうだな。」
この後、四人共が集まる前に伝えられた部屋に帰った。そして、転移した初日は終わった。