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ヒカリモノ  作者: あいし
多分、人生で最も長い日
24/27

逃走劇のあとにあるものB 6月10日

平野ユヒト、俺の両親を殺した張本人。

許せない相手。

庭先愛結、友人。平野ユヒトに恋してる。

野菊三羽人……

俺自身、

平野ユヒトに復讐したくてしょうがなかった。

それが叶う、最高の日。それが今日だった。

だが、

さっき龍から電話があった。

「平野ユヒトは、殺せない。永久に」

そう言われた。事情も言われた。平野ユヒトは殺すこと自体出来ない。

俺の両親は、実は化け物ということも言われた。

だから、ハンターとして職務を全うしたらしい。

でも、理論じゃ理屈じゃ……理解、出来ない。

ただひらすら、涙がこぼれる。

狂いそうだ、終わったのに。平野ユヒトは、職務を全うしたという事実があるのに。

どうすれば、どうすればいいんだ。

俺は1人、川辺を歩く。

「死にたい」

ため息をつく。

「あとちょっと!はい、タッチ」

「しかたない、10、9、8、7……」

楽しそうに小学生が鬼ごっこをしている。楽しそうだった。。そこに1人の小学生の男の子が俺のほうへ走ってきた。

「4、3、にぃ」

「……復讐するなら、 その本人以外にするっていう方法があるんだよ。例えば、その人の大事なものを壊すとかね。ほら、こんなに近くにいるのに」

「いーちぃ、いくよー!!」

逃げよう、と言いながら小学生は逃げた。

「……平野ユヒトの大事なもの」

それが本当に大事なものかはわからない。しかし、どうでもいいものではないはず。

少なくとも、それは。

今の俺にとっては、どうでもいいものだった。

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