三島奈汰 6月10日 昼
「……ザァァァァァン、ザァァァァァン」
海の音がする、僕は1人縁側から外を眺めていた。
奈汰の実家は昔ながらの平屋で、僕は平野が手当てが終わるのを待っていた。
「見とれましたか?」
男性の声がした。
「はい、綺麗ですね。海」
奈汰の父親らしい。
「さっき運ばれたかたの……」
「……知り合いです」
奈汰の父親は初老で静かな落ち着きのある人だった。
「そうですか、うちの子――奈汰はまた問題事をかかてていますか」
「え」
静かに笑った。
「あの子はいつもそう、なんせこの地のハンターをやめしばしば旅に出ているのだから。今回は何があったのかねぇ」
どうやら事情は知らないらしい。だが、今の状況に驚いてはいないようだ。
「ほら、お茶が入りましたよ」
奈汰の母親のようだ。お菓子と緑茶を持ってきてくれたらしい。
「ありがとうございます」
僕は席に座るようすすめられた。僕は座り、お茶を飲む。
「……心配ですか、さっきのかたのことが?」
「えぇ。とても」
僕はお茶を一口飲む。
「美味しいですね。――僕はいつもあの人に守られてばかりです、僕は何もしてあげれません。一緒にいるのに……僕は」
男性は静かに言った。
「そうですね。ですが、あなたがそばにいる。これこぞが意味があるのではないでしょうか?」
「……」
僕がそばにいる、それこそが意味を持つ……
覚えておこう……
そのとき、車のエンジンの音が聞こえた。
どうやら、奈汰の仲間がきたらしい。




