逃走中A
「平野、平野。助けにきたよ」
平野はうっすら目をあけた。
「私……生きてる……? 」
「そうだよ、生きてるんだよ!」
僕は平野を担いだ。
「だから、逃げよう!!!!」
僕は走って奈汰の車に向かう。途中、ナイフが前を横切った。
僕は奈汰の車に平野を乗せた。
「よし、逃げるわよ!」
車を発進させ、大急ぎで走る。どうやら海を目指しているようだった。
「平野にそこにあるビン、あれを飲ませて。解毒剤だから」
僕はビンの蓋をとり、平野に飲ませた。平野はゲホ、ゲホ言いながら
「おいおい、どういうことだ。私を助けたってむしろマイナスだろ?」
「あら?助けたっていうのにその態度?まぁいいわ、単刀直入にいうわ。平野ユヒト、お前は化け物か人間か?」
平野はクスクスと笑った。
「両方。正しくは、半分化け物で半分ハンターだ」
「ハンター?」
奈汰は怪訝そうな声をする。
「お前がどういう経緯でフリーやってるか知らんが、私みたいなのがごくわずかだが存在する。つまりな、化け物でありながらハンターやってるんだ」
僕は平野の頭を膝にのせた。
「安静にしなきゃ、ダメ」
平野は一瞬驚いた顔をした。だが、
「そうだな、助けにきてくれてありがとう」
奈汰はため息をつきながら、
「全く本当に幸せ者ね。それで、化け物ってのは共食いしないなずよ」
「その通りだ。だが、化け物の中でもごくわずかだが同じ種族を殺すことによって力を得る化け物もいる。つまりだな、私は殺せば殺すほど異常なまでに強くなる。まさか、毒倉って高いところから落ちても死なないとはなー」
ケラケラと平野は笑う。
「笑い事じゃないでしょ!こんなに心配したのに」
僕は怒った。平野はごめん、ごめんと言いながら僕の唇に自分の唇でふれた。
「っ」
僕は真っ赤になった。奈汰は人の車で何してるんだかと言っていた。
「純情かよ、まぁいいや。どちらにしろ、化け物がハンターやってるだけだ。お前らの敵には変わらない」
「そうね、そして今回のことの発端。三羽人の両親をなぜ殺したの?」
平野は少し考えてから
「邪魔だから殺した」
30秒ほどの沈黙。
「それ、私利私欲のため?」
「その通り、ただし。三羽人の両親。あれは、突然変異タイプの化け物だ。他のハンター気がついてなかったみたいだけどな」
「証明できる?」
「そうだなぁ、あ。これ」
平野は自分の胸ポケットからネックレスを出した。そこには緑色の液体がついてる。
「私もだけど化け物ならば体の一部分を切ったとき緑色の液体がでる。これは三羽人の母親のネックレスだあと、私が殺す1週間前三羽人の両親は自分がおかしいということについてメモを書いていた。そのメモ」
平野は2つとも奈汰に渡した。
「両方とも三羽人に聞けばいい、三羽人自身は気がつかなかったみたいだけどな」
「なるほど、つまり。三羽人の両親は化け物だったから殺したこということか」
「だな、同じ化け物が近くにいても単なるなあ張り争いだし。まぁ、少なくとも正義を全うしたとかそんな理由じゃないから安心しろ」
「……なるほどねぇ。その性格、気に入ったわ」
その時、
奈汰の携帯が鳴った。
「んー?」
奈汰は携帯を取ると、僕に投げ渡した。僕は慌ててつかむ。
「ちょっと持っててねー。どうしたの?龍」




