15/27
晴れの日B 6月9日
次の日、昨日の雨が嘘だったように晴れた。
「いい天気ー」
奈汰が出かける前にそう言った。本当に、そうだと思う。
昨日、アイツに傘を貸した。久々だ、アイツと話したのは。
傘を貸したのはアイツと話すきっかけが欲しかった。
ただ、それだけだ。
「おはよ、傘。ありがとな」
アイツが話しかけてくれた、俺は傘を受け取った。これで何かいうことが出来たはずだ、だが声がでない。
言いたいのに、何を言えばいいのかわからなかった。
ただ、3秒ほど沈黙があって
「じゃあ」
「あ、うん」
それだけだ。
もう、何をすればいいのかわからなかった。
ただ何もなかったことになってしまった。
……俺らの友情はここで途切れた気がした。




