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キノコ、その後

 ――翌朝。

「結原君、ちょっと、んっ。 めぐ、みも起き、て」

 なんだか色っぽい声が聞こえたような。

 そして、伝わるすべすべとしたぬくもり。

 目をあけると、隣に松崎さんの顔があった、目の前には夕見さんの顔が。

 夕見さんの顔がなんがか火照っているようにみえる。


 どういう状況だ?

 どうやら僕と松崎さんが二人掛かりで夕見さんに抱きついて寝ていたようだ。

 

 夕見さんは、自分が持ってきたキノコのせいでこんなことになってしまったのが分かっているから、あまり大きく言えないのだろう。

 

 軽く怒られただけで流してくれた。


 今日は皆で食べ物を探すことになった。

 さすがにお腹もすいているので、見つけることが出来ずに食べれなくなると困るのだ。


 僕が先頭を歩き、後ろから夕見さんと松崎さんが続く形となった。

 風が肌を撫で、日差しが僕たちの肌を照りつける。

 ああ、素晴らしい。


 先日見つけた葉っぱで隠しながら食べ物を探しに出かけたので、両手を伸ばすと怒られた。

 ですよねー。

 ひもがないから固定できないのだ。

 あれ? 靴ひも……黙っていよう。

 隠されたたら困るしね。


 みんなで同じところ探してもあんまり意味ないような気がするけれど、これも言わないでおくとしよう。

 1人だと心細いし、なにより一緒に居たい。


 昼を迎えたが、食べ物はまだ見つかっていない。

 ずいぶんと歩いただろう、そろそろ引き返さないと夜までに着けないんじゃないかと思うところで木の実を発見した。

 奥を探すとほかにもたくさん木の実が落ちていたようだ。


 よっしゃぁ~とばかりにあちこち拾い集める。

 拾い集めるのに夢中で気がつかなかったけれど、二人とも両手で拾ってた、よな。

 くっ、見逃した。


 周囲を探し、もうなさそうなくらい集めたので帰ることにする。

 両手で持たないと木の実は運べないので、しぶしぶ葉っぱで隠すのを諦めたようだ。

 葉っぱで運ぼうともしたが滑って落ちてしまうのだ。

 木の実を運ぶのに両手をふさがれるので、あそこのガードはできない。

 

 夕見さんの股のωの形は鍛えられた体と相まって完璧の盛り具合だった。

 この時、ガードの堅い夕見さんのあそこが見れたことに疑問を持つべきだった。


 またもや僕が先頭で、洞窟まで帰った。

 ちなみに葉っぱは脇に挟んで持って帰った。

 この世界、ファンタジーなのに魔物とかいないのかな?

 でてこられても困るけれど。 


 なにごともなく洞くつへたどりついた。 

 もうすっかり暗くなってしまっているけれどね。


「今日はたくさん見つかったね」

 と僕が声をかける。

「うん、やっとお腹いっぱいたべられるね」

 元気いっぱいな松崎さん。

「えぇ、そうね」

 あれ、なんだか夕見さんの様子がおかしい。

 元気がないように見える。

 完璧な角度で隠して、って見えてる!

 僕の視線に気づいても隠すそぶりも見せない。


 決して見せることもない胸を隠そうともせずに晒している。

 左胸にあざのようなものがあるがなんだろう。

 なにか事故で怪我でもしたのかな?

 元気がないようだからコメントは控えさせてもらおう。


 松崎さんが夕見さんの頭に手をやる。

 自分の頭と比べてあたふたしている、かわいい。

 夕見さんの体調がすぐれないのにもう少し早く気が付いていれば。

「夕見さん、大丈夫?」

「へい、き、よ」

 声をかけるがとても平気そうにはみえない。

 隠そうともせずに仰向けに横たわり、なんだかつらそうだ。

 でも、ものすごくエロい。

「遥ちゃん……」

 両手で夕見さんの左手を掴んで心配そうにしている。

 こんなときだが、胸は寄せられて効果はバツグンだ。

 

 もしかして風邪なのだろうか。

 風邪をひいたときは、確か水分を取って体を温めるんだったっけ?


 水分? そういえば夕見さんも、松崎さんも水分をまるで取っていなかった。

 僕は昨日水を舐めたから平気だったようだ。


 夕見さんの右手を掴み脈を測って考えていると、

「ゴトッ」

 へ?

 振り向くと松崎さんも倒れている。

「松崎さん!」

 どうやら松崎さんも風邪のようだ。

 彼女もカラ元気で今までもたせていたようだが、のどが渇く食べ物に水がない生活ではよく今まで耐えられたものだ。

 二人とも、今までもったのが不思議なくらいだ。

 夕見さんのお腹に頭をのっけて仰向けに倒れている。

 夕見さんの小さな胸も捨てがたいが、松崎さんの大きな胸はなおさら捨てがたい。


 おっとそうじゃない。

 二人を横に並べるように松崎さんを、人1人分あけて夕見さんのよこに寝かせようとするが、運びづらい。

 思いっきり胸に顔を当てて横四方固めで引きずるように運ぶ。

 頭を押して、どかそうとしているのだろうか。

 力が入ってないうえに押す方向を間違えているので、まるで抱えているみたいになってしまっている。

 なんとか運べて寝かせることができた。



「いま水を出すからね、待ってて」


 ふたりともまだ意識があるみたいだ。

 つらそうに、言葉にならない何かを話そうとしているが、何を言いたいのかまるで分からない。

 ぁ、ぅ、ぁ、まるで赤ちゃん言葉みたいだ。

 つらそうにしている二人の唇に手を当てて水魔法を唱えると手のひらから水が、ちょびちょびと出てくる。

 

 嫌そうに口を閉じて目をつぶっていたので、飲ませることができずに口からこぼれおちる。

 指先から出せないか試したところ、可能だった。

 そこで、ようやく思い至った。

 手を洗っていない。

 危ない、悪化させるところだった。

 水魔法で手を入念に手を洗った。

 左手の人差し指の第二関節辺りの痛みに片目を閉じる。


 無理やり口に人差し指と中指を突っ込んで水魔法を唱える。

 口の中に入れるのは第一関節だけなので、傷口は入らない。


 嫌そうにしたが、一口舐めるとまるで餓えた野良犬のようにペロペロとなめ始めた。

「くすぐったいよ」

 1時間ほど舐めて、舐め疲れたのか二人とも眠ってしまった。

 僕もなんだか眠くなった来たな。

 1時間舐めて、コップ1杯半くらいの水量なんじゃないかな。

 二人に挟まれたまま意識を手放した。



 ――翌朝。

 目を覚ますと二人に両腕を抱きつかれていた。

 しょうがないので、二人が起きるまで胸の感触を楽しんだ。

 1時間ほどで二人が目を覚ました。

「おはよう、夕見さん、松崎さん」

「ごほっごほっ、あ”、がはっ、おは、よう」

「けほっ、おば、けほっけほっ、よぅ」

 二人とも、美少女とは思えない酷い声だった。

 だけど、昨日はしゃべることもままならないくらいだったから、よくなってるのかな?

 まだ隠すこともできないほどつらいようだ。

「水、舐める?」

 水分補給が必要かと聞いてみるが夕見さんは首を横に振った。

 松崎さんにも聞いたけど今は大丈夫みたいだ。


 二人とも水はいいみたいなので、昨日取ってきた木の実を3人分割ってあげようと針金で割っていると何か音がした。

 がたっ、はぁはぁ、う~ぅ、がたっ、はぁ。

 夕見さんがつらそうに、おなかを押さえながら立ち上がろうとしている。

 小さい胸でも動作が激しいので揺れている。

 うん、ちっぱいでも揺れるんだ。

 バカにしちゃいけない。

「夕見さん、寝てたほうがいいよ」

 心配して声をかけるが、つらそうにお腹を押さえて立ち上がろうとしている。

 どうしたんだろう。

「どこか、行きたいの?」

「はぁ、ほおって、ゴホッ、グ、ォい、てっ」

 何度も立ち上がろうとして、転ぶので放っておけない。

「さぁ、つかまって」

 どこかへ行きたいらしいので、手を差し伸べる。

 手を差し伸ばすと手を弱々しく叩かれた。

「ごほっ、いい、いいか、ごほっ、うぇ、ら」

 なんだか、泣きながら苦しそうにしている。

 見てられないので、無理やり抱き抱えようとする。

 頭を手で押されてなかなか思うように行かない。

 しょうがないので、横四方固めで持ち上げた。

 そのまま、松崎さんにちょっと言ってくるねと言いのこして外へ歩いて行った。


 外まで着くと、夕見さんをおろしてあげた。

 太陽の光に注がれた彼女の肌が美しく輝いている。

 美しい体にそぐわない左胸のアザが違和感を醸し出している。

「どこ行くの?」

 優しく声をかけたのだが、反応がない。


 お腹を押さえて我慢するようにして口をつぐみ、必死に目を閉じている。


 そのまま数分がたち、我慢の限界に来たのか、観念したように口を開いた。

 彼女が目をつむっている間ひたすら鑑賞に勤しんだのはいうまでもない。


 何やら言っているのだが、聞こえないので耳を近付ける。

「お、て、ゲホッ、おて、げほっげほっぉ、あら」

 お手? 何を言っているのか分からないよ。

 お手をすると、叩かれた。 わんっ!


 体をくねらせて左手であそこを隠して、頬を赤く染めて右手の薬指を咬んでいる。

 そして……こちらを見つめている。

 その表情はやばい、イタズラしたくなるのでやめてほしい。


「お、ゲハッ、あらい」


「って、ゴホッゴホッ、あらいに」

 うう~ん、はっ! お手洗いか。

 やっとわかったぞ。

 

「そうか、じゃぁ木の陰まではこ……ん?」

 なんだか、首を交互に振っている。

 早くしろってことなのかな?

 急いで抱きかかえようとして、ずり落としてしまう。

 断念してやっぱり横四方固めで持ち上げる。

「だめっ、げほっ、ここ、げほっ、からっ」

 ん? よくわからない。

 横四方固めで持ち上げたまま近くの木に向かって歩く。

「お、ゲホッ、ゲホしてっ」

「もう少しで着くよ」

 左手で僕のお腹を押し、ぽんぽんと右手で胸を叩いてくる。

 木の陰まで着いて、おろそうとしたとき、

プスッっと音がしたかと思うと左腕がなにか生温かいものに包まれ徐々に手のほうへとおりていった。

 顔は夕見さんの胸に押しつけているので左腕がどうなっているか分からない。


 ポタッ、ポタッっという音のあとゆっくりと夕見さんを地面へ降ろそうとして地面近くでグチョっと右手になにかが付着した。

 夕見さんを地面に下ろすとこちらに背を向けて転がった。


 夕見さんのお尻にはまだ少し、茶色いものが付いており、それと同じと思われるものが左腕から下と右手に存在した。

 転がった際、それの上を横断し、背中や綺麗な青い髪の色が変わった。 

 うわっ。


「ごめんなさい、げほっ、げほっんなさい……」

 夕見さんは、小言でせき込みながら謝っている。


 僕は何も言わず、両手を水魔法で茶色のそれを落とそうと試みるが、水量が少なすぎてただのばしているだけだった。

 いったん洞窟へ葉っぱを取りに戻った。

「ぁ……」

 夕見さんから悲しそうな声が聞こえた気がした。


 葉っぱを持って再び夕見さんのもとへ戻った。

 夕見さんは、さっきと同じ場所で横たわっている。

 それにまみれても、お尻はプリッとしていてかわいいし、膝を抱えるように横になっている姿は官能的だ。


 葉っぱで自分の左手をなぞってみた。 

 うん、葉っぱを使えばなんとか落とせそうだ。

 手のひらに着いたそれを落とし終え、転がって全身それまみれになった夕見さんを葉っぱと水魔法で落としていく。


 真っ白の靴下は、それを吸収して変色している。

 靴下と靴を脱がせていったんそれらの上から抱え上げる。


 その際、自分の胸や顔にもそれらがついたが、気にせず移動させる。

 ゆっくりと降ろして、首の後ろに座り一言ごめんねと言って、それまみれの髪に触る。

 水魔法で落としていくのだが、どうもうまくとれない。

 大方とれた所で、いったん背中に触れない様に髪を置く。

 肩から順に後ろを水魔法を手のひらに出して、大きいそれは葉っぱでどかしていく。

 肩から背中、背中からお尻、お尻から足のかかとに至るまで手のひらで撫でて落としていく。

 肩に触れたとき、「ぁっ」と声を漏らした。


 抵抗しないことをいいことに背中をなぞっていく。

 すべすべの背中を撫でる感触をいつまでも味わっていたい。

 おしりのプニプニがやばい。

 脳が沸騰しそうだ。

 感動に心を打たれながら撫でているとあっというまに終わってしまった。

 早い30分だった、まるで某アニメのようだ。

 いや、おそらく30分は過ぎているだろうがきにしないでほしい。


 後ろが終わり、胸の前に座る。

 夕見さんの顔は耳まで真っ赤になっていて、唇を咬んでいた。

 恥ずかしさやくすぐったいのを我慢するのに必死なんだとおもう。


 手のひらで肩から胸、胸からお腹、お腹からあそこ、あそこからつま先まで優しく撫でていく。

 やっぱり汚れたままは嫌なのか、罪悪感からなのか、まったく抵抗しなかった。

 でも胸に触れた時、くっ、っといううめき声が聞こえた。

 お尻よりもやわらかいのだが、弾力はお尻のほうが上だった。

 ずっと触れていたいのだが、そうもいかないので次に進む。 


 約2時間かけてようやく体を綺麗に洗い流すことができた。

 洗い流している途中、たんが出てあまり咳をしなくなったので、のどが楽になったのかもしれない。

 

 座り、30分ほどかけて僕に着いたそれも綺麗に洗い流した。

 

「さて」

 と言ったところで、夕見さんがびくっと震えた。

 恐る恐るこっちを振り向く夕見さん。

「さて、「お願いっ、怒らないでっ」」

 途端におびえだした。

 

 おびえる手を取って、優しく語りかける。

「なにもしないよ、早く元気になっていつもの夕見さんにもどって」

 

「私……」

 夕見さんが、突然騙りだした。

「ん?」

「私ね、小学校の時、いじめられていたの、その時の傷が、このアザなの」

 そういって左胸の傷を見せる。

 小さいながらも、膨らんだ胸が日差しを受けて白い肌を照らしている。

 あのアザはそういうことだったのか。

 無言でいると再び、夕見さんが語り始めた。

 

「中学校は、女子校に通っていたわ。

 小学校の知り合いが誰も知らないようなところに。

 

 ……初めは怖かった。

 見えない陰に脅えて、縮こまっていた。

 でもね、ある日、テストで100点を取って、周りに解き方を教えてあげたら周りが認めてくれたの。

 嬉しくて、それに見あうように勉強して、彼女達が求めれば、理想のお姉さまを演じたわ。

 そのせいあって、女子校では誰もが認めるお姉さまでいられた。

 いさせてもらえた。


 高校に入ってまた、普通の学校に通うようになって怖かった。

 また、いじめられるんじゃないかって。

 だから私は、そうならないように努力し続けた。

 お姉さまとしての私を演じ続けて。

 がんばっていれば、認めてくれる、慕ってくれるから。


 でも、もうお終いよ。

 私が必死で作り上げてきた私は、こんな私じゃない。

 私が作り上げてきた私はもう死んだのよ、ここにはもう居ないの!

 あんなことをしてしまって、あなたにコンプレックスだったアザを……こんな姿を見られて、しかも体中いいように触られて……。

 あなただってこんな胸嫌でしょう?

 こんな醜い胸……」


 だから、あんなに必死で隠そうとしていたのかな。


「嫌じゃないよ、夕見さん。

 胸にアザがあったって何もかわらない。 堂々としていればいいんだよ。

 学校での夕見さんみたいに。

 誰が君のアザのことを悪く言ったって、変わらない。

 僕は好きだよ、夕見さん」


「うぅっ、でも、もう戻れない。

 以前の私には、もう戻れない……。

 それでも……いいの?」


「うん、いいよ。

 僕が受け止めて見せる」


 夕見さんは涙を浮かべたまま、僕に抱きついた。


 すると、なにやら夕見さんの胸が輝いて、1枚のカードのようなものが現れ、僕に吸い込まれた。

 夕見さんには見えていないようなので、僕は無言で夕見さんをみつめた。


 ≪ 夕見遥のステータス利用権を得ました ≫


 え?

 驚きつつステータスオープンと命じると、見ることができた。


名前 夕見 遥

種族 ひゅーまん♀

Lv 1

スキルポイント 0

スキル

  なし

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