食材探し1
「……つまり、葉っぱにいた虫が、私たちの服をたべてしまったというわけね。
信じられない話だけれど、こう食べているところを見てしまっては信じるしかないわね。
松崎さん、結原君、何か服の代わりになるもの、持ってないかしら」
「食べられちゃいました、ぐすん」
「同じく」
葉っぱは肩から膝までかかっていたので、靴下と靴を残して全て虫に食べられてしまっていたのだ。
床には、セーラー服の留め金やスカートのホック、チャックなどプラスチックや金属の部分が落ちていた。
ハリガネまである。
いったい何のだろうと聞いてみると、恥ずかしそうに松崎さんがブラジャーのハリガネだと教えてくれた。
「待てよ、葉っぱに虫がいたのなら、この葉っぱにも……うわぁ」
あわてて葉っぱを払いのける。
葉っぱの裏に小さな虫が何匹もいた。
体に乗っている数匹を慌てて払い落す。
ふぅ~びっくりした。
「きゃっ」
「ちょっと! 結原君!?」
裸で手をクロスして悲鳴を上げる松崎さんと、怒気を含みながら裸に葉っぱで隠しながら殴ろうとしてくる夕見さん。
夕見さんは胸に触れて隠しているのではなく、葉っぱを前に出して僕の視界から見えない様にする隠し方だ。
「いや、ちょぉ、待っ」
左手であそこを隠しながら右手を前に突きだす。
するとそこには、夕見さんの胸があったわけで。
位置からしてどっちの胸だろうか? 葉っぱで見えないや。
直に触れる胸が温かく、大きさなど問題にならないくらいに心地よい。
「なに? やっぱり結原君のせいだったの?」
さらに、怒気を膨らませてもう止められない。
「ぐ、うはっ」
夕見さんのボディブローが僕のみぞおちに直撃した。
倒れる瞬間、夕見さんの下半身が視界に入ったがすぐに意識が途絶えて、床に倒れた痛みで目を覚ました時には見えなくなってしまった。
先ほど払いのけた虫の上に倒れ、苦しそうに虫が上下に動いている。
僕はあそこを隠すこともできずにみぞおちを押さえて意識はあるが動けず、虫が息絶えるまでおぞましい感覚に苛まれた。
「もうっ、結原君ったら」
ちょんちょん。
松崎さんが、夕見さんの肩を突く。
「どうしたの?」
「あのね、葉っぱの後ろに虫がいたから驚いたんだと、思う」
そういって結原が使用していた葉っぱを指差し、見てみると確かに虫が何匹もいた。
その時、結原のあそこが見えてしまったのでなるべく見ない様に軽く足で転がした。
結原は1回転して大の字で仰向けに倒れたので、お腹をふんだら意識が飛んだみたいだ。
夕見は頭を抱えた。
そして二人はもぞもぞと体に這い寄る虫の気色悪い感覚に襲われた。
松崎さんが叫びだす。
「いやぁぁぁぁ」
放り出した葉っぱの裏にはやはり虫がいた。
そして体を震わせ、ぶるんぶるんと揺れる胸。
自分の胸と比べて溜息をついて近づく。
結原が気を失っているのを確認して、葉っぱを置いて自分に這い寄る虫を無視して手を伸ばす。
「今取ってあげるから」
と、夕見が松崎の虫を手で掴んで落としていく。
落とし終わると下を向いて自分に着いてきた虫を払う。
「ありがとぅ、遥ちゃん」
夕見は動作を一瞬止めた。
「!?」
「どうしたの? もしかして違った?」
葉っぱを奥のほうへどかして振り向く。
「いいえ、違わないわ。 名前で呼ばれることがあまりなかったから」
「そうなんだ、もしかして嫌だった?」
「嫌じゃないわ、私もめぐみって呼んでいいかしら」
「うん、遥ちゃん」
「めぐみ」
抱き合いながら頭を撫でる。
「ふふふ、なんだか遥ちゃんってお姉ちゃんみたい」
結原の意識が戻る。
「う、う~、うううっ」
結原が目を覚ました。
目をあけると夕見さんと松崎さんが抱き合っていた。
夕見さんがこちらを睨みながら言い放つ。
「葉っぱが虫のせいで使えなくなってしまったから、何か変わりのものを探してくれないかしら。
それとなにか食べられるものもお願いね」
どうして僕だけ、とも思ったがもともとそのつもりだったので気にせずに流した。
「うん、それじゃぁ何か探してくるけど、あまり期待しないでね」
葉っぱで隠して行こうかと思ったが、裏を見ると虫がうごめいていたので触れる気になれず、そのまま裸で出かけた。
洞くつの周りを調べてみたが、昨日あった葉っぱはもうなくなっていた。
まぁ、あの裏には虫がいるからどっちにしろ使えないか。
近くの探索を諦めて、草原とは反対方向に歩きだした。
首元が苦しい。
第一ボタン部分だけのYシャツを外しその場に捨てた。
襟だけなんて何の意味もない。
しばらくすると木の実を見つけた。
なんとなくだけど、食べられそうな気がする。
あっ、こっちにも、ここにも、いっぱいあるなぁ。
両手いっぱいに木の実を抱えて洞くつへと戻った。
途中迷いそうになったが、襟だけのYシャツを見つけたので無事戻ることができた。
朝出かけて洞窟に戻ったのは昼ごろのようだ。
「ただいま~戻ったよ」
「おかえりなさい」
「おかえり」
二人の声が返ってきた。
いいなぁ、こういうの。
そのまま進んで二人がいる奥へと進んでいく。
奥に着くと、
「木の実があったよ」
「へぇ、意外と頼り、ぇ? ちょっと結原君、隠して」
「ありが、きゃっ」
そういえば、両手で木の実を持ってきたので、あそこを隠すことができなかったのをすっかり忘れていた。
「あっ」
慌てて隠そうとして、木の実を盛大に地面へと落としてしまった。
「もぅ、なにやってるのよ」
二人は入口を向いて座っていたようで、夕見さんは、右手で胸を隠して木の実を拾い始めた。
松崎さんは、膝立ちになり両手で拾っている。
「ご、ごめん」
なんだかんだ言って拾うのを手伝ってくれる夕見さんと松崎さん。
優しいな。
しかし、両手で隠すのがやっとなのに、片手で隠せるのだろうか。
松崎さんに至っては、隠そうともせずに必死に木の実を拾ってくれている。
きっと、夢中で気がついていないんだろうなぁ。
なんというか二人ともこっちにお尻を向ける格好なのがどうもいけない。
お尻を向けているので松崎さんのぶら下がって揺れる胸は見えなかった。残念。
二人が一生懸命拾っているのに自分だけサボるわけにはいかないので、二人をチラチラみながら木の実を拾う結原であった。
拾い終わり、笑顔で松崎さんが木の実を渡してくれる。
いい子だ、いい子すぎて涙が出そうだ。
木の実を渡し終わると、女の子座りで腕をおろし座りこんでいる。
やっぱり気がついてない。
だが、おおきなお胸を再び鑑賞することができた。
ちょこんとそびえたつ乳首が斜め上を向いて、まるでなにかに勝ち誇るように大きな胸は上を向いている。
教えて怒られるのがいいか。
教えずに気がつくのを待ったほうがいいのかと考えながら凝視していると。
夕見さんが、ゴミを見るような目でこっちを見ているのに気がついた。
空気を変えるように、話し始める。
「せ、せっかくひろってきたんだから、みんなで食べようよ」
「そうね」
夕見さんの声は少しトーンが下がっていたような気がするけれどめげない。
「うん!」
元気いっぱいに答える松崎さん。
中腰歩きのような感じで夕見さんは、右手で胸を隠しあそこは肘で見えない絶妙さを見せつけながら松崎さんに耳打ちする。
その後、ようやく気がついたのか慌てて胸を隠して後ろを向いた。
「うぅぅ~」
声にならない叫びで胸を隠しながら涙目になりながら横目で睨んでくる。
何をしてもかわいい、のだけれど、これ、どうやって食べるんだ?
明らか片手じゃ食べられない。
というか、両手でも食べられなさそうだ。
木の実だから割らないといけないよね。
夕見さんが、かつてブラジャーのハリガネだった物を器用に使って木の実を割っていた。
3等分に折って3分の1をくれた。
もちろんみえるのは、すべすべの背中越しにだ。
なかなか前の全ては見せてくれない夕見さんである。
一方、松崎さんは斜め後ろから胸が辛うじて見えるが乳首は見えない。
木の実を割ろうとして、針金を突きたてると、プルンと揺れる胸、眼福である。
さて僕もいただきますか。
あれ?
思ったより難しいぞこれ。
えい、えい。
なかなか刺さらない。
2人を見やると夕見さんは相変わらず、上手に割っている。
背中越しだけど、割った殻?が横にあるからね。
松崎さんもなんとか割れるようになって食べ始めている。
あれ? 僕だけ?
必死に突きたてようとハリガネを突きたてるがなかなか刺さらない。
ハリガネを突きたてると木の実が転がってしまうのだ。
「えい、えい、えぐっ」
いってぇぇぇ。
木の実ではなく、指に刺さってしまった。
めちゃくちゃ痛い。
左手の人差し指を舐めて痛みをこらえる。
泣きそうになりながら血がついた針金で木の実に突きさそうとする。
でも、刺さらない。
なぜ刺さらないんだ。
悪戦苦闘していると、夕見さんが近くへよってきた。
「ふふっ、バカねぇ、初めから針金を木の実に当ててから地面にたたきつけるのよ」
言われた通りにやると、すんなり割ることができた。
「あら、できるじゃない」
「ありがとう」
夕見さんのおかげで割ることができた木の実を口に運ぶ。
むしゃむしゃ。
この味は……、松の実っぽい味だ。
大きさもなんだかそれっぽい大きさである。
喜びを込めて顔をあげたけど、夕見さんは元の位置へもどっていた。
夕見さんの背中を眺めながら昼食は終わった。
だけど、この木の実、のどが渇く。
僕は水魔法で手のひらに水は発生させて舐める。
いや、たくさん発生させてゴクゴクと飲みたいところなんだけど、僕の魔法は何だか超節約でさ、
スプーン小さじ一杯くらいしか一度に出せないんだ。
お酒のおちょこの一口よりもさらに少ない量の水をちびちびと飲む。
いや、飲むといっていいのかすら分からない量だ。
舐めるが適切なんだと思う。
実際飲めてないし。
さすがに何回も手を舐めていたら気づかれた。
「結浜君、手を舐めても木の実はもう残ってないわよ」
夕見さんが胸が見えない絶妙な角度で振り向いて声をかけてきた。
見えないのは大きさが、いや、なんでもない。
「手まで舐めてよっぽどおなかが減ってたんだね」
と松崎さんが笑う。
「違うって、水魔法を発生させて水を舐めてるんだ」
「魔法?」
「ふぇ? ま、まほう?」
「魔法なんて使えたの?」
二人とも驚いているようだ。
僕だっていきなり魔法が使えるなんて言われたら驚く。
「うん、こっちに来てから使えるようになったみたいなんだ」
「それなら私たちにも水を貰えないかしら」
「うん、のど渇いたね」
「いいけれど、嫌じゃないかな?」
「嫌ってどういうこと?」
「どういうことかしら……もしかして、結浜君の手から水が出てくるのかしら」
なにか嫌そうな顔で問いかけてくる。
……だよなぁ。
「まぁ、そういうことになる、かなぁ」
「て、手を舐めないと……出ないの?」
首をかしげて不安そうに問う松崎さん。
「う、うん」
そう言って僕は水魔法を発生させた手のひらを見せてみた。
汗をかいたような雫が手のひらに現れる。
「手のひらに少し水滴があるだけじゃないの」
夕見さんは僕の肩に髪がかかる距離で覗き込んできた。
長い髪を耳にかけるしぐさがエロい。
女の子のいいにおいがしたけれど、お風呂に2日入ってないしそろそろ危なくなるかもしれない。
「うん、だから、飲めるほどは出ないんだ」
「そ、なんだ」
がっくりする松崎さん。
「そう……我慢……するわ」
「そうだよね、これじゃぁ無理だよね」
気をそらすために僕は食べ物を探すことにした。
「それじゃぁ僕は、まだ木の実が残ってないか見てくるよ」
「私たちは、綺麗な葉っぱや木の枝を集めておくわ」
「いってきます」
「ええ、いってらっしゃい」
「がんばって」
朝行った場所を探してみたけれど木の実はなかった。
あるにはあったのだが、かなり高いところにあって手に入れるのは難しそうだった。
手の届く範囲はすでにとりつくしてしまったようだ。
周辺にも落ちてなさそうだったので、暗くなる前に引き返した。
「ただいま~」
洞くつの入り口で返ったことを知らせる。
「おかえりなさい」
「おかえり」
中から聞こえてくる知っている声。
やっぱり、いい。
「ごめん、みつからなかったよ」
洞窟に入りながら残念そうに言った。
「そぅ、めぐみが少し小さいのだけれど、綺麗な葉っぱを見つけてくれたわ」
洞窟の中から夕見さんが報告してくれた。
「うぉぉぉぉ、松崎さんすごいじゃん」
「えへへ」
うれしそうに、にへらと笑う顔が見えた。
でも、腕だけでは隠しきれない大きなお胸にどうしても目がいってしまう。
照れ隠しに頭をかくように左手を上げた。
あぁぁぁ~。
ふたたびあらわれる股の間に現れるωの形がかわいらしい。
思わず抱きしめたくなるのこらえる。
「何枚あった?」
これで2枚とかだったら僕の分はないだろう。
「ちょうど3枚ね」
良かった、僕の分もありそうだ。
夕見さんは、こちらに背中を向けて火を調節している。
またもや絶妙な角度で、隠していないのに見えない。
でも火の調節というより、何かを焼いているようにも見えるがよくわからない。
「うん」
そういって、松崎さんは、肘を寄せて両手で葉っぱを見せてくれた。
やっぱりこの子、気が付いてない。
ただでさえ大きな胸が寄せられてすごいことになっている。
「す、すごいね」
僕の目は、松崎さんの手の上の葉っぱなど完全に無視して大きなお胸に注がれている。
「そうでしょー」
葉っぱが褒められていると勘違いして、喜んでいる。
ああ、僕もうれしいよ。
葉っぱを受け取り、松崎さんは後ろを向いて葉っぱを取りに行った。
そして、いつものようにやってしまったことを後悔して横目で涙目になっている。
夕見さんは拾ってきたキノコを焼いているようだった。
キノコってあぶないんじゃないだろうか。
そうはいっても他に食べるものがあるわけでもないし、せっかく夕見さんが作ってくれた料理をむげにできない。
焼けたようで、3人一斉に口にする。
「「「いただきます」」」
「なんだか、変わった味ね」
夕見さんが不思議そうな表情で焼けたキノコを租借している。
「そうだね。乾燥したバナナチップスみたいな味だ」
「あれ? バナナチップスってもともと乾燥してなかったっけ」
く、まさか松崎さんからツッコミを貰うとは。
正解はしけったバナナチップスでした。
二口、三口と食べていくとなんだか頭がくらくらしてきた。
夕見さんや、松崎さんもどうやら同じ症状のようだ。
めずらしく夕見さんが、体を隠しもせずに腕をおろしているようにみえるのだが、
頭がくらくらして視界がゆがむせいでよくわからない。
そして僕たちの意識は薄れていった。