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玖配信目『炎上商法』

配信が。


始まって。


すぐだった。


 


画面いっぱいに。


流れ込んでくる。


コメント。


コメント。


コメント。


 


「……っ……」


 


同時に。


右上。


 


同接者数。


 


その数字を。


見た瞬間。


 


「……1万人……っ!?」


 


思わず。


小声で。


息を呑んだ。


 


一万。


 


頭が。


追いつかない。


 


個人の。


一般配信者なら。


配信を始めて。


同接0。


それが。


数ヶ月続く。


なんて。


別に。


珍しくもない。


 


同接。


十数人。


 


それでも。


世界的に見れば。


上位。


数%。


 


そういう。


世界だ。


 


それなのに。


 


一万人。


 


「……」


 


事務所。


強すぎる。


 


さすが。


【まじまんじ】。


 


「……えぇと……」


 


まずは。


挨拶。


 


そうだ。


 


初配信。


 


挨拶。


 


画面を見る。


 


息を。


吸う。


 


そして――


 


「ぶふっ……!?」


 


盛大に。


吹き出した。


 


コメント欄。


 


流速。



早速だ。


 


「コイツ〇〇高校卒業の18歳、村上永和って男WWWWW」

「待ってこの人近くに住んでるWWWWW 〇〇県の〇〇市に住んでるコイツWWWWW」

「ちな、笑い方ラッパーですトゥフフフフフフフフWWWWWWW」


 


「……」


 


初配信。


 


まだ。


始まって。


十数秒。


 


「……もう……?」


 


「……身バレ……?」


 


早すぎる。


 


早すぎるだろ。


 


「……何が……

起きてる……?」




カメラは正常。


まだ声も出していない。


………


答えは。


明白だった。


 


立ち絵。


 


そう。


 


立ち絵。


 


「……だって……

コレ……

俺やもん……」


 


そっくり。


どころじゃない。


 


ほぼ。


本人。


ていうか本人。


 


「……Vtuber……

ちゃうやん……」


 


「……ふざけんなよ……

戌亥三頭地獄番犬……」


 


心の中で。


全力で。


ツッコむ。


 


「……てか……三頭地獄番犬ケルベロスって何?

名前……

ダサ過ぎやろ……」


 


絶望。


 


完全に。


絶望。


 


その時。


 


ピコン。


 


DM。


 


「……?」


 


視線を。


画面の端へ。


 


差出人。


 


「……奴…隷…さん……?」


 


いや。


正確には。


 


裏切ウラギリ敵子テキコ


 


「……やっべぇ……」


 


名前が。


もう。


不安。


 


主に。


名前が。


 


恐る恐る。


開く。


 


『早速炎上してしまっていますね。

トイキさんは同接99万人を超えたというのに……。』


 


「……99万……?」


 


ケタ。


おかしくない?


 


心が。


折れかける。


 


だが。


 


続きが。


あった。


 


『ここは私に一つ、任せてください。

あるショートカットを作ったので、

これを使ってみて下さい。

きっとトイキさんにも勝てます。』


 


メッセージの。


下。


 


URL。


一つ。


 


「……奴さん……!!」


 


思わず。


声が。


出た。


 


「……やっぱり……

味方だった……!」


 


信じてた。


 


信じてたぞ。


 


名前は。


不安だったけど。


 


仕事は。


できる。


 


「……こういう時に……

頼りになる……!」


 


やはり。


持つべきものは。


信頼できる。


同僚。


 


URLを。


クリック。


 


配信画面に。


新しい。


ショートカット。


一つ。


 


「……」


 


押す前に。


 


そうだ。


 


挨拶。


 


まずは。


挨拶だ。


 


俺は。


カメラの向こう。


 


見えない。


視聴者に向かって。


 


息を吸う。


 


そして。


 


「トゥフフフフ……こんにちは。

村上永和です。

トゥフフフフ……」


 


よし。


 


挨拶。


 


大成功。


 


……なはずだ。



一つ。


深く。


深呼吸。


 


コメント欄に。


視線を。


戻す。


 


「ガチラッパーでクソワロタンバリンシャンシャンカスタネットタンタンプップクプーシャンシャンブーチリリリリリンwwwクソワロ太鼓ドンドンwwwwクソワロタンバリンシャンシャンカスタネットタンタンプップクプーシャンシャンブーチリリリリリンw」

「初配信でこんだけ大炎上もある意味凄くて大草原WWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW」

「チョマテヨ」


 


なんて。


知能指数の。


低い。


連中なんだ。


 


この俺が。


ドン引き。


しちまう。


 


……が。


 


口には。


出さない。


 


なぜなら。


 


俺には。


秘密兵器。


 


奴ショートカット。



がある。


 


その時。


 


ピコン。


 


トイキから。


DM。


 


「……何だアイツ」


 


今アイツ。


卒業ライブ中だろ。


 


『やぁやぁイレギュラー君。

聞く話によると早速大炎上、

住所とかも諸々全部バレたらしいじゃないか。

君は正直Vtuberをナメ過ぎていた。

当然の報いさァァァァ……』


 


「……っ」


 


くそ。


 


歌いながら。


何て。


文章。


送ってきやがる。


 


最後の。


一文。


 


吐息。


マシマシ。


 


読んでるだけで。


腹が立つ。


 


「……まぁ」


 


見てろ。


 


この。


一手で。


 


全部。


ひっくり返してやる。


 


「いくぜ!!

トゥフフクリックー!!!!」


 


我ながら。


イケメン過ぎる。


掛け声と共に。


 


俺は。


 


奴さんの。


用意してくれた。


ショートカットを。


 


クリックした。


 


その瞬間。


 


背筋に。


冷たい。


何かが。


走った。


 


「……服装……

変更……??」


 


画面。


 


表示。


 


変化。


 


そう。


 


この。


ショートカットの。


正体とは――


 


「……嘘っ……

嘘だろぉ!!?」


 


俺の。


 


全裸が。


 


世界に。


 


配信された。


 


「ぐおおおおおおおお!?!?!」


 


絶叫。


 


脳内。


パニック。


 


「裏切敵子ぉぉ!!

アイツ裏切りやがったなぁ!!

やっぱ敵かぁ!!」


 


……いや。


 


待て。


 


「……」




裏切。


敵子。


 


「……ま、そりゃそうか…」




この名前で。


裏切らないわけがない。




「……馬鹿か……

俺は……」


 


天井を。


見上げる。


 


コメント欄。


 


見ない。


 


見たら。


死ぬ。


 


「……人生……

詰んだな……」


 


全部。


バレた。


 


もう本当に。


全部。


 


「トゥフフッ……」


 


乾いた。


笑い。


 


その時。


 


再び。


DM。


 


「……また煽りか……?」


 


恐る恐る。


開く。


 


『お前!!?

配信で何やりやがった!!!

同接ががっぽり持ってかれてんだよぉぉ!!!?』


 


「……は?」


 


同接?


 


俺の?


 


慌てて。


画面右上。


 


確認。


 


「……今の俺の同接……」


 


数字。


 


「……50万人……?」


 


「50万!!??」


 


目を。


疑う。


 


どうやら。


 


初配信では。


あり得ない。


レベルの。


炎上と。


身バレ騒動で。


 


世界中から。


注目されている。


らしい。


 


震える手で。


 


トイキの。


配信を。


確認。


 


「……50万……」


 


「……並んだぞ……」


 


口角が。


勝手に。


上がる。


 


「トゥッ……

トゥフフフフフフフフ!!!!」


 


笑いが。


止まらない。


 


永和の。


知性は。


 


すでに。


限界を。


超えていた。


 


平凡な。


18歳には。


重すぎる。


現実。


 


脳が。


現実逃避を。


選択する。


 


永和。


 


今。


 


どうにでもなれ。


状態。


突入。


 


最強。


 


「……なぁ」


 


画面の。


向こうへ。


 


まだ。


流れ続ける。


コメントへ。


 


そして。


世界へ。


 


「……初配信……」


 


「……まだ……

失敗って……

決まったわけじゃねぇよな……?」


 


トゥフフフフ。


 


物語は。


 


ここから。


 


本当に。


 


始まる。

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