優しい青年
リリーから尾行の許可を貰ったラミィは
また青年の方に目をやった。
ややキリッとした顔立ちからは想像出来ない程の
柔らかい笑顔を向け猫と話している。
すると猫にジェスチャーで何かを伝えようとし出した。猫のポーズ等を取りながら伝わる訳も無いのに何度も、何度も。
何あれ可愛いっ!
ラミィの頭の中はこの言葉で溢れかえっている。
「リリー、行きますわよ」
「はい、お嬢様」
青年は既に先程の猫の元を離れ、町の青果店の
おばさんと話しており、話の内容が少し聞こえた。
「ライ!ちょっとお願いがあるんだけれど聞いてくれない?」
「またかい?おばさん。ちなみにそのお願いって言うのは?」
「ちょっと店番しててくれないかい?
この後雨が降るらしいんたけど洗濯物取り込み忘れちゃったのよー」
「分かったよ、ちょっとだけね」
「本当にありがとうライ!じゃあよろしくね!」
家に駆けてくおばさんを尻目にライはおばさんから貰ったエプロンをつけている。
「おー!ライ!また店番押し付けられたんか!」
ライの目の前でガハハと大きく笑う。
「そうなんだよねぇ」
「また洗濯物の取り込み忘れか?」
「そうだよ」
「いつも忘れてるよなぁ、この町の住民みんなここの店員経験があるんじゃねえか?」
「あながち間違って無いかもね」
「俺なんて四回はさせられてるぞ」
「僕はこれで十二回目だよ」
「はは!俺の三倍じゃねぇか!」
「まぁどうせ暇だし手伝えるなら手伝うんだけどね」
「お前本当に優しいよな!おっといけねぇ!時間まずいからまたな!」
「またねおじさん」
そこから二十分後、おばさんが店に帰り
ライの店番は終了。
「本当にありがとねライ」
「良いってことだよ!じゃあ僕は行くね!」
「あ!待ちな!りんご持ってきなよ!」
「いいの?ありがとう!それじゃあね!」
青果店を後にしライはまた町の真ん中に
駆けて行った。
「よし!場所移動だぞリリー!」
「後少しですからね」




