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クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。  作者: 桜庭かなめ
続編

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第23話『流れるプール』

 ウォータースライダーを3回滑り、俺も千弦も満足できたので、ウォータースライダー用の浮き輪を入口近くにいる男性スタッフさんに返却した。


「ウォータースライダー楽しかったね!」

「楽しかったな。千弦と一緒に滑ることができて良かった」

「私もっ」


 千弦はニコッと笑いながらそう言ってくれる。そのことがとても嬉しくて。一緒にウォータースライダーを滑りたいって言って良かったよ。


「ありがとう、千弦。……次はどこのプールに行こうか? それとも休憩するか?」

「そうだね……流れるプールに行きたいな。スピードのあるウォータースライダーを何度も滑ったから、今度は流れるプールでゆったり流れたい気分だよ」

「ははっ、そっか。じゃあ、次は流れるプールに行くか」

「うんっ。ただ、その前に道具のレンタルコーナーに行かない? 流れるプールでは、レンタルコーナーで借りた浮き輪に座ったり、体に通したりして流れることが多くて」

「そうなんだ。俺もやったなぁ」


 浮き輪に座ったり、体に通したりして流れるプールに入ると、何もせずに流れに乗ることができる。それが気持ちいいんだよな。

 あと、千弦の言うレンタルコーナーというのは、浮き輪やビーチボール、ビート板などのプールでの定番の遊具が無料で借りられるコーナーだ。こういうサービスも、スイムブルー八神が人気な理由の一つなのだろう。


「じゃあ、レンタルコーナーに行って浮き輪を借りるか」

「うんっ」


 俺達はレンタルコーナーに行く。

 浮き輪は定番の遊具だけど、俺達は大人用の浮き輪を2つ借りることができた。

 浮き輪を持って、俺達は流れるプールへ。

 流れるプールはレジャープールと並んでかなり立派だ。

 今は多くの人がプールに入っており、浮き輪やビート板を使ったり、仰向けになったりして水の流れに身を任せている人が多い。みんな気持ち良さそうだ。


「俺達も入るか」

「そうだね。浮き輪に座ろうかな」

「そうか。俺は……浮き輪を体に通す形で入ろうかな」

「そっか」

「千弦が座りやすいように、俺が浮き輪を押さえておくよ」

「ありがとう! お願いします」

「任せろ」


 その後、あまり人が来ないタイミングを見計らって、俺は浮き輪をプールに置き、流れてしまわないように押さえておく。流れはそこまで速くないので、浮き輪を押さえるのは特にキツくない。


「千弦、いいぞ」

「ありがとう」


 千弦は俺が押さえている浮き輪の穴に腰を下ろして、両手と両脚を浮き輪に乗せて体を支える。これまでに浮き輪に座ったこともあると言っていただけあって、特に苦戦することなく座ったな。

 千弦が座っている姿……とても綺麗だ。あと、千弦の手脚が綺麗で長いのだと実感する。


「座れたから、手を離していいよ」

「分かった」


 俺が手を離すと、千弦の座っている浮き輪は水の流れに乗り始める。


「洋平君、おいで~」

「ああ」


 俺は浮き輪に体を通して、流れるプールに入る。

 両腕で浮き輪に掴まって、前方にいる千弦に向かってバタ足する。流れに乗って泳いでいるから、軽く脚を動かすだけでも結構進む。なので、すぐに千弦に追いつくことができた。追いついたので、脚を動かすのを止めて浮く体勢に。


「追いついた」

「バタ足してたね。結構速かった」

「水の流れに乗って泳いだからだよ」

「なるほどね。ところで、洋平君って泳げるの?」

「ああ、泳げるよ。中3の水泳の授業ではクロールと背泳ぎは50m、平泳ぎとバタフライは25m泳げた」

「そうなんだね。凄いね、洋平君」


 千弦はニッコリとした笑顔でそう言ってくれる。恋人から凄いと言ってもらえて嬉しいな。


「ありがとう。千弦は泳げるのか?」

「うんっ、泳げるよ。中学生のときはクロールと平泳ぎを50m、背泳ぎとバタフライは25m泳げたよ」

「おおっ、凄いな。特に平泳ぎ50mは。平泳ぎは小学生の頃はそこまで泳げなくて、中学生の頃に何とか25mまで泳げるようになったからさ」


 だから、平泳ぎを50m泳げる千弦は本当に凄いなって思う。さすがは運動神経がいいだけのことはある。


「そうだったんだね。洋平君に凄いって言ってもらえて嬉しいよ。ありがとう」


 えへへっ、と千弦は笑った。

 それにしても、流れるプールだから、体中で水の流れを感じられて気持ちがいい。手足を動かすことなく前に進んでいる感覚も。


「流れる水が気持ちいい」

「気持ちいいよね。腰とかお尻中心に流れを感じてる」


 千弦はまったりとした笑顔で言う。

 こうして、プールの中から改めて浮き輪に座る千弦を見ると……本当に綺麗だなって思う。大人っぽいし、水着姿だから艶っぽさも感じられて。素敵だ。


「笑顔で私をじっと見ているね、洋平君」

「……浮き輪に座る千弦に見入ってたんだ。綺麗で大人っぽくて。とても素敵だなって思ったから」

「そうだったんだ。嬉しいな」


 ふふっ、と千弦は声に出して笑う。今の千弦は可愛らしさも感じられて。本当に魅力的だ。


「ウォータースライダーを3回滑った後だから、ここの水の流れがとてもゆっくりに感じるよ」

「分かる。ウォータースライダーは滅茶苦茶速かったもんな」

「速かったよね。速くてスリルを味わうのもいいけど、こうしてゆっくりとした水の流れを味わうのもいいね」

「そうだな。あと、今のゆっくりとした流れに凄く癒やされる。のんびりしている感じもして。これもウォータースライダーの後だからかな」

「そうかもしれないね」


 もしかしたら、いいタイミングで流れるプールに入ったのかもしれない。

 その後も、千弦とプール絡みのことを色々と話しながら、流れるプールの水の流れに身を任せた。ゆっくりとした水の流れにはもちろんのこと、千弦がたくさん見せてくれる笑顔にも癒やされた。

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