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クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。  作者: 桜庭かなめ
続編

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第19話『水着を買いに行こう-後編-』

 千弦の水着を買うことができたので、今度は俺の水着を買うことに。

 俺達は男性向けの水着売り場へ向かう。

 女性向けの衣服を取り扱うエリアを抜けて、男性向けの衣服を取り扱うエリアに入っていく。たまに来る場所だし、ついさっきまで女性向けの水着売り場にいたのもあって気持ちが休まる。


「ここだよ」


 同じフロアにあるので、男性向けの水着売り場にはすぐに着いた。

 トランクスタイプやショートパンツタイプなど、様々な男性向けの水着が陳列されている。男性向けの水着売り場なので、中にいる店員さんやお客さんはもちろん男性がメインだ。


「ここが男性向けの水着売り場なんだ。男性向けの水着もたくさんあるね。あと、何だか新鮮だよ」

「私も新鮮に感じるよ、千弦ちゃん」

「あたしはちょっと懐かしい感じ。ここじゃないけど、小学生の頃に親戚の男の子の水着を買うのに付き合ったからかしら。ここみたいな雰囲気の売り場だったし」

「そっか。……千弦の希望はあるか? 千弦が水着姿の写真を送ってくれたときに、俺も千弦に参考用にここ最近の水着姿の写真を送ったから」


 去年の夏の青い海パン姿の俺、一昨年の夏のベージュの海パン姿の俺、3年前の夏の黒い海パン姿の俺の写真を千弦に送ったのだ。『どれも似合ってるね!』と千弦がすぐにメッセージをくれて嬉しかったな。


「今のところ、落ち着いた雰囲気の黒と青が結構いいなって思ってる。あとは、ベージュと水色も試着した姿を見てみたいな」

「黒、青、ベージュ、水色だな」

「うん。水着の丈とかデザインは送ってくれた写真みたいなのものがいい」

「写真みたいな水着ってことは、トランクスタイプの無地の海パンだな。了解だ。じゃあ、行こうか」


 俺達は男性向けの水着売り場の中に入り、トランクスタイプの無地のデザインの水着が陳列されているところへ向かう。

 新鮮だとか懐かしいとか言うだけあってか、千弦達3人は売り場の中をキョロキョロと見ていて。そんな3人がとても可愛い。

 あと、千弦も星野さんも神崎さんも可愛かったり、美人だったりするからなのか。それとも、女子が3人も一緒なのが珍しいのか。お客さん達の中にはこちらを見てくる人もいる。ただ、俺がいるからか、話しかけてくるような人はいない。


「あった。ここだな」


 トランクスタイプで無地のデザインの水着が売られているところに辿り着いた。

 ハンガーラックにたくさんの水着が陳列されている。幸いにも、千弦が候補に挙げた4色とも俺のサイズに合いそうなものがあった。それらを手に取る。俺が探しやすいようにするためか、手に取った水着は千弦達が持っていてくれた。


「4色ともあったな。他にも試着してほしい色はあるか?」

「ううん、この4色で大丈夫だよ」

「了解。これから試着するけど、千弦のときみたいに試着室の前で待ってるか? それとも、お店の外で待ってるか? 俺はどっちでもかまわないけど」

「私は行くよ。水着姿を直接見たいから」


 千弦はすぐに返答してくれた。直接見たいと言ってくれて嬉しいよ。


「星野さんと神崎さんは?」

「私も試着室の前で待ってるよ。水着姿だし、上半身は白石君のお見舞いのときに、千弦ちゃんが汗を拭いたときに見ているからね」

「あたしも水着姿なら大丈夫よ。行くわ」

「了解。じゃあ、みんなで行くか」


 俺達は試着室のある方へ向かう。

 女性用の売り場と同じく、こちらも試着室は4つ並んで用意されている。ただ、向かって一番左の試着室は使用中のようだ。その試着室の前にカジュアルな服装の若い女性が立っている。恋人か旦那さんの水着を買うのに付き合っているのかな。


「じゃあ、一番右の試着室で試着するよ」

「うん、分かった。ここで待ってるね」

「ああ」


 俺は千弦達から水着を受け取って、一番右の試着室に入った。

 黒、青、ベージュ、水色の4色があるけど……まずは結構いいと千弦が言っていた黒から試着してみるか。

 試着室の扉の鍵を閉めて、俺は制服を脱ぎ始める。

 鍵を閉めているとはいえ、すぐ近くで恋人や女性の友人達がいると思うとちょっと緊張する。さっき、千弦も水着を試着したときはこういう気持ちだったのだろうか。


「写真では見たけど、実際には見たことがないから楽しみだよっ」

「ふふっ、そっか。恋人の水着姿だもんね」

「ワクワクしている千弦も可愛いわっ」

「ふふっ。あと、どの色の水着を試着するのかも楽しみ」

「白石君は何色を着るだろうね」

「黒か青を着そうだわ。さっき、千弦がその2色が結構いいって言っていたから」

「いい推理だね、玲央ちゃん」


 などと、試着室の外から女子3人の楽しげな会話が伝わってくる。

 あと、神崎さんの推理はいい推理どころではなくドンピシャの名推理だ。今、制服とインナーシャツを脱いで、黒い水着を穿いているところだよ。


「……いい感じだ」


 黒い水着姿の自分を鏡で見るけど、結構落ち着いた雰囲気だ。

 あと、パンツの上から試着しているけど、サイズはちょうどいいな。丈も膝近くでちょうどいい。実際にプールで遊ぶときは直に穿くけど、紐でウエストを調整できるから大丈夫だろう。


「1着目、着終わったよ。開けていいか?」

「いいよ、洋平君」

「どうぞ、白石君」

「いいわよ」


 3人からそんな返事をもらったので、試着室の扉を開ける。

 3人に水着姿を直接見せるのは初めてだから、3人が俺の水着姿を見てどんな感想を抱くか緊張する。特に恋人の千弦からは。千弦が1着目に青いホルターネックビキニを俺達に見せるときにこういう気持ちだったのかな。


「凄く似合ってるよ、洋平君! 黒だから落ち着いていて、大人っぽい雰囲気もあってかっこいいよ!」


 千弦はとびっきりの笑顔で、黒い水着姿の俺について感想を言ってくれた。あと、上半身裸なのもあってか、千弦の笑顔は頬を中心にほんのりと赤らんでいて。千弦から似合っているとかかっこいいとか言ってもらえて嬉しい。


「嬉しいよ、千弦。ありがとう」

「いえいえ」

「千弦ちゃんの言う通り、黒い水着だから落ち着いた大人な雰囲気でいいね。とても似合っているよ、白石君」

「よく似合っているわよ、白石」

「ありがとう」


 友達の星野さんと神崎さんからも褒めてもらえて嬉しい。


「黒を着るっていう玲央ちゃんの推理が当たったね」

「ええ。見事に当たったわね」

「聞こえていたけど、理由込みで当たっていたよ」

「そうだったの」


 ふふっ、と神崎さんは得意げに笑っている。可愛いな。


「あと、ここまで素肌を見せる白石は初めて見たけど……意外と筋肉が付いているのね。学校では大柄でガッチリとした体格の坂井と一緒にいるのもあって、もっと細いイメージだったわ。……って、千弦の恋人の体について色々言ってごめん」

「このくらいなら全然かまわないよ。それに、私も洋平君のお見舞いで汗を拭いたときに同じようなことを思ったし。あのとき、彩葉ちゃんも言っていたよね」

「言ったね」

「……そういえば、あのときに今の神崎さんと同じようなことを言っていたな。あと、中学以降に仲良くなった友達からも言われることが多いよ」

「そうなのね」


 そう言うと、神崎さんはほっとした様子に。


「お見舞いのときと変わらず素敵な体だね。ただ、今は……恋人の体だからドキドキもするよ」


 千弦はうっとりとした様子でそう言う。さっき、水着の感想を言ったときに顔がほんのりと赤くなっていたのは、俺の体を見てドキドキしていたからだったんだな。


「……そうか。素敵とかドキドキするって言ってもらえて嬉しいよ」

「うんっ。あと、水着のサイズは大丈夫?」

「ああ、大丈夫だよ。ちょうどいい」

「良かった。……私のときみたいに、水着を見比べるために写真を撮らせて?」

「ああ、いいぞ」


 その後、千弦はスマホを取り出して、黒い水着姿の俺を何枚も撮影した。千弦のリクエストでピースサインもして。


「うんっ、いい写真が撮れた。ありがとう」

「いえいえ。じゃあ、次の水着を着るよ」

「分かった」


 俺は試着室の扉を閉めて、1着目に試着した黒い水着を脱ぐ。

 次は……千弦がもう一つ結構いいと言っていた青い水着を試着してみるか。そう思い、青い水着を手に取る。


「次は何色を着るかしらね?」

「青かなぁ。さっきの玲央ちゃんの推理が当たっていたから。私、青も結構いいって言ったからね」

「なるほどね。当たりそうな気がするよ、千弦ちゃん」


 当たってるよ、千弦。

 鏡を見ながら、青い水着を試着する。


「……青もいいな」


 青の色合いが濃いから、黒と同じく落ち着いた印象だ。ただ、青いので黒とは違って涼しげな印象も抱かせてくれる。

 よし、青い水着姿を見せるか。


「2着目、着たよ。開けるよ」

『はーい』


 千弦達の返事が聞こえたので、俺は試着室の扉を開ける。

 さあ、この青い水着はどうだろうか。


「うんっ! 青もいいね! 落ち着いた雰囲気だけど、青いから涼しげな感じもして。よく似合っているよ、洋平君!」


 千弦はニコニコとした笑顔で青い水着の感想を言ってくれる。その瞬間に頬が緩んでいくのが分かった。


「ありがとう。そう言ってくれて嬉しいよ」

「青もよく似合っているね、白石君」

「結構いいじゃない。寒色系は涼しげな感じなのがいいわよね」

「ありがとう」


 青い水着も星野さんと神崎さんから好評か。


「あと、千弦ちゃんの推理が当たったね」

「そうだね」

「聞こえてた。推理を聞いたときには青い水着を持ってた」

「ふふっ、そうだったんだね」


 簡単だっただろうけど、推理が見事に当たったからか千弦は嬉しそうにしていた。


「じゃあ、今の青の水着姿も写真を撮らせてね」

「ああ」


 千弦は青い水着を着た俺をスマホで何枚も撮影した。

 その後は千弦が良さそうと言っていたベージュ、水色の順番で試着した。ベージュは明るさがありつつも落ち着いた雰囲気があり、水色は4着の中では一番爽やかで涼しげな印象だ。千弦達もこの2色についても似合っていると言ってくれた。


「これで最後の水色も着終わったな。千弦、他に着てほしい色はあるか?」

「ううん、これで大丈夫。4色とも良かったから、この中から決めるよ」

「了解。じゃあ、俺は制服に着替えるよ」

「分かった。写真見ながら決めるね」

「ああ」


 試着室の扉を閉め、俺は学校の制服に着替えていく。

 試着した黒、青、ベージュ、水色の中で千弦はどれを選ぶだろうか。候補の色を伝えたときは黒と青が結構いいと言っていたけど。その2色はもちろん、ベージュと水色を試着したときも好感触だった。どの色に決めるか楽しみだ。

 制服に着替え終わり、俺は試着室の扉を開けた。


「着替え終わったよ。千弦、どの色の水着を買ってほしいか決まった?」

「うん、決まったよ」

「決まったか。どの色に決めた?」

「黒。4色の中で一番落ち着いていて、大人っぽい雰囲気を感じられて凄くかっこよかったから。だから、黒に決めました」


 千弦は可愛い笑顔で黒にした決断とその理由を話してくれた。確かに、黒は一番落ち着いていて、大人っぽい雰囲気があるよな。


「分かった。黒い水着を買うよ。選んでくれてありがとう」

「いえいえ!」

「素敵な水着を選んでもらえて良かったね、白石君。よく似合っていたよ」

「似合っていたわよね。いい水着を千弦に選んでもらえて良かったわね」


 星野さんは優しい笑顔で、神崎さんは快活な笑顔でそう言ってくれた。そんな2人に俺は「ありがとう」とお礼を言った。

 その後、青とベージュと水色の水着を陳列されていた場所に戻して、俺は黒い水着を購入した。千弦に選んでもらった水着を購入できたし、プールデートがとても楽しみになった。

 せっかく4人でセントラル洲中に来たので、4人でアニメイクに行ったり、フードコートでアイスを食べたりするのであった。

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