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エピローグ『海水浴からの帰り』

 千弦と一緒にフロートマットに乗った後は琢磨とクロール対決をしたり、千弦や結菜達と一緒に海の家に行ってラムネを買ったり、みんなで琢磨の首から下を砂で埋めたりするなどして海での楽しい時間を過ごす。

 ただ、楽しく過ごしているから、あっという間に時間が過ぎていって。

 気付けば、日差しもだいぶ傾いてきており、防災チャイムの音が聞こえてきた。チャイムが聞こえたタイミングで時刻を確認すると午後5時。後片付けや着替えや帰りのことを考えるとそろそろ帰るのがいいだろうという話になり、俺達は帰ることにした。

 俺達はレジャーシートやビーチパラソル、遊具などを片付けて、私服に着替えるために更衣室へ向かい始める。


「今日は楽しかったね、洋平君」


 更衣室に向かって歩く中、千弦は明るい笑顔でそう言ってきた。


「楽しかったな。午前中からだったから、たくさん遊べて楽しかった」

「そうだねっ」


 そう言い、千弦はニコッと笑いかけてくれて。そのことに胸がとても温かくなった。

 その後、午前中に水着に着替えたときと同様に、更衣室の前で待ち合わせする約束をして、俺は琢磨と一緒に男性用の更衣室に入った。

 夕方だからだろうか。更衣室の中には水着から普通の服に着替える人が結構いる。

 更衣室の中にはシャワールームが設けられている。まずはシャワーで体に付いた海水や砂などを洗い流すことに。

 シャワールームの前には数人並んでいる。なので、琢磨と雑談しながら並ぶことに。

 10分ほど並び、俺はシャワーを浴びる。

 シャワーから出てくるのは温水だ。ちょっと冷たさも感じる海水も気持ち良かったけど、シャワーの温水もなかなか気持ちがいい。

 シャワーを浴び終わり、琢磨と俺は水着から私服へと着替えていく。この私服を着るのは午前中以来なので結構久しぶりに感じた。琢磨の私服姿を見るのも。

 着替え終わって更衣室を出ると、女性陣の姿はまだない。なので、琢磨と一緒に海水浴場や砂浜を眺めながら待つことに。

 今は夕方だし私服姿だから、午前中に水着に着替えたときに見たときとは違った感じがした。


「お待たせ、洋平君、坂井君」

「琢磨君、白石君、お待たせ」


 千弦と吉岡さんのそんな声が聞こえたので更衣室の方を見ると、そこには私服姿に着替え終わった女性陣6人の姿が。琢磨と同様に、6人の私服姿も午前中にこの海水浴場に来たとき以来なので結構新鮮に感じた。

 全員着替え終わったので、俺達は海水浴場の駐車場にある車に向かった。

 車に到着し、トランクに荷物を入れていく。

 荷物を入れ終わり、俺達は車に乗る。ちなみに、座る席は行きと同じだ。

 荷物をトランクに入れるときに山本先生がエアコンを掛けてくれたので、座ったときには車内は結構涼しくて。だからとても快適だ。これで座ったまま洲中市まで帰れるのだから車は楽だ。去年は疲れを感じる中、何度か電車を乗り換えて帰ったな。中には混んでいて座れない電車もあったっけ。


「全員座ったね。じゃあ、これから洲中に帰るよ。今朝の集合場所の、私の家があるマンションの前まで連れて行くわ」

「お願いします、飛鳥先生。じゃあ、行くときと同じく言いましょうか。今朝の集合場所に向かって」

『出発進行!』


 その言葉を合図にして、山本先生の運転により、俺達の乗る車は洲中市に向かって出発した。

 出発直後は車内は賑やかだった。

 ただ、海水浴の疲れなのか。それとも涼しい車内で座っていられることの気持ち良さなのか。出発してから少し経つと、寝息も聞こえるように。車内を見渡すと、神崎さん、結菜、琢磨、吉岡さんが寝ている。


「神崎さん達……寝てるな」

「そうだね。海でたくさん遊んだから疲れたのかな。あとは車の中が涼しくて気持ちいいのもありそう」

「俺も同じことを思った」

「ふふっ、そっか。……玲央ちゃん、寝顔可愛い。こんな感じなんだ」


 千弦は隣の席で眠っている神崎さんの寝顔を見ながらそう言う。

 神崎さん……ぐっすりと寝ているな。スヤスヤと寝息を立てていて。千弦の方に寄りかかっているからか幸せそうな寝顔だ。


「確かに……可愛いな」

「だよね。……何だか、遠足とか修学旅行の帰りみたい」

「あぁ、分かる。帰りのバスや新幹線の中で寝る人っているよな」

「いるよね」


 千弦は穏やかな笑顔でそう言う。


「千弦は起きているけど、帰りは起きていることが多いのか?」

「うん、起きていることが多いね。友達と喋ったり、スマホを弄ったり、音楽を聴いたりしてた。彩葉ちゃんも起きていることが多いから、彩葉ちゃんと喋ることもあったよ。洋平君はどう?」

「俺も起きていることが多いな。千弦と同じで友達と喋ったり、スマホを弄ったり、音楽を聴いたり。あとはラノベを読んだりもしてた」

「そうなんだね。……寝ている人もいるから、小さな声でお喋りしようか」

「ああ、そうしよう」


 その後、俺は千弦と一緒に、今日の海水浴のことや現在観ているアニメ、先日のライブの物販イベントのバイトなどについて小声で談笑する。たまに、車窓から見える景色も楽しみながら。

 千弦と話したり、景色を眺めたりするのが楽しくて。朝の集合場所である山本先生の家があるマンション前に到着するまであっという間だった。

 俺と千弦はもちろん、星野さんと運転している山本先生も小声で話していたからか、神崎さん、結菜、琢磨、吉岡さんは到着するまでずっと寝ていた。

 俺、千弦、星野さん、山本先生で寝ている4人を起こした。1時間ほど寝たからか、寝ていた4人はみんなスッキリしていた。

 俺達は車から降りて、トランクから荷物を取り出した。


「全員荷物を出したね。じゃあ、これで解散ね」

「そうですね、飛鳥先生。今日はみんなと一緒に海水浴に行って凄く楽しかったです! 去年は琢磨君とデートで行きましたけど、こうしてみんなに行くのもいいなって思いました! 来年は……学生7人はみんな受験生ですけど、気分転換にまた一緒に海水浴に行きたいです!」

「そうだな、早希! 俺も滅茶苦茶楽しかったっす!」

「みんなと行くのは初めてだったけど、とても楽しい海水浴でした! 彩葉と結菜ちゃんと千弦と一緒に水着を買いに行ったこともね」

「私も水着を買いに行くの楽しかったよ、玲央ちゃん。千弦ちゃん以外とは海水浴に行くのは初めてでしたけど、とても楽しかったです!」

「お兄ちゃん以外の人とは初めての海水浴でしたけど、とても楽しかったです! 水着選びも楽しかったですね。またこのメンバーで遊びたいです!」

「そうね、結菜ちゃん。久しぶりの海水浴だったけど、みんなとだったから楽しかったわ。久しぶりに運転したことも。とてもいい一日だったわ」

「彩葉ちゃん以外とは初めてで、恋人と一緒に行くのも初めてでしたけど本当に楽しかったです! 彩葉ちゃんと玲央ちゃんと結菜ちゃんの水着選びに行ったことも。素敵な思い出がいっぱいできました!」

「俺もとても楽しかったです。結菜と琢磨以外は初めてで、恋人と一緒に行くのも初めてだったので、思い出深い一日になりました」


 俺はもちろん、千弦達にとっても楽しい海水浴になったようで何よりだ。

 また、この8人でどこか遊びに行きたいな。

 あと、吉岡さんの言うように、来年の夏休みもこの8人で海水浴に行けたらいいな。学生7人は受験生だけど、気分転換に行くのはいいと思う。


「みんな、暗くなっているし、気をつけて帰ってね」


 山本先生は学生7人のことを見ながらそう言う。そのことに、学生7人は「はい」と返事した。


「ねえ、洋平君。帰る前にキスをしていいかな?」

「ああ、いいぞ」

「ありがとう」


 千弦は嬉しそうにお礼を言い、俺にキスをしてきた。

 今日は千弦とたくさんキスしたな。キスしたときのことを鮮明に思い出すよ。

 少しして、千弦の方から唇を離した。目の前にはニコッとした可愛らしい千弦の笑顔があった。

 またです、と千弦達に言って、俺は結菜と一緒に自宅に向かって歩き始める。


「とても楽しい海水浴だったね、お兄ちゃん!」

「ああ、凄く楽しかったな! 千弦達と一緒に遊べたし満足だ」

「あたしも!」


 結菜はニコッとした笑顔でそう言った。俺以外とは初めて一緒に海水浴へ行ったけど、結菜はとても楽しそうにしていたもんな。今のような可愛い笑顔をたくさん見せていた。

 それからも、今日の海水浴について結菜と話しながら、自宅に向かって歩いていった。

 今年の夏休みはまだ1ヶ月以上ある。千弦達と一緒に楽しい思い出をたくさん作っていきたい。




特別編 おわり

これにて、特別編は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

感想やレビューなどお待ちしております。

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