第2話『千弦の部屋で過ごす甘い時間』
昼食を食べ終わり、俺は食事を作ってくれたせめてものお礼に千弦と一緒に後片付けを行なう。俺が食器やカトラリーなどを洗い、千弦が洗い終わったものを拭いて元の場所に戻すという担当分けだ。
千弦と話しながらやったのもあり、楽しく後片付けをすることができた。
後片付けが終わり、俺達は千弦が淹れてくれた食後のアイスコーヒーが入ったマグカップを持って千弦の部屋に向かった。
ベッドの近くに並べて置かれているクッションに隣同士に座り、アイスコーヒーを一口飲む。
「あぁ、美味しい」
「美味しいね、洋平君。さすがはゾソールのコーヒーだよ」
「そうだな。今日もゾソールのコーヒーを淹れてくれてありがとう」
そうお礼を言うのは、今飲んでいるアイスコーヒーは、千弦が俺の両親から誕生日プレゼントでもらったコーヒー&紅茶セットに入っているインスタントコーヒーだからだ。誕生日の翌日にもコーヒーを飲ませてもらったし。
「いえいえ。大好きな洋平君と一緒に好きなコーヒーを飲みたいからね。こうして一緒に飲めて幸せだよ」
今の言葉が本心であると示すかのように、千弦は幸せそうな笑顔でそう言ってくれる。そのことに胸がとても温かくなって。
「ありがとう」
俺は千弦の頭を優しく撫でる。
俺が頭を撫でていくと、千弦の笑顔は柔らかいものになって。撫でられるのが気持ちいいのかな。あとは頭を撫でられるのが好きだと言っていたから、それが理由かもしれない。
「千弦。これから……何をしようか」
「そ、そうだね……」
そう言うと、千弦は頬をほんのりと赤くして、俺のことをチラチラと見てくる。そんな反応や、今は家に千弦と俺しかいない状況なのもあってドキドキしてくる。
千弦は散漫だった視線を俺の方に定めて、
「えっちしたい」
と言ってきた。
えっちしたい、とストレートに言われたので、アイスコーヒーで冷やされていた体が段々と熱くなっていく。
千弦の頬の赤みが顔全体へと広がっていて。俺も顔が熱くなっているから、きっと千弦のようになっているんだろうな。
「えっちか」
「うん。……夕方にお母さんが帰ってくるまでは家で2人きりでいられるから、えっちしたいなって。それもあって、お家デートに誘ったの」
「そうだったんだ」
俺がそう言うと、千弦ははにかみながら「うんっ」と頷く。その反応がとても可愛くてキュンとくる。
千弦の希望に対して俺の答えは――。
「……俺も千弦とえっちしたいな。俺も、千弦にお家デートに誘われて、夕方まで誰もいないって知ったとき……色々なことをしたいなって思っていたから。えっちを含めて」
「そうだったんだね。洋平君も同じ気持ちで嬉しい」
千弦は真っ赤になっている顔に嬉しそうな笑みを浮かべる。それがまた可愛くて。千弦と肌を重ねたい欲が膨らんでいく。
「じゃあ、さっそくするか」
「うんっ。あと……制服を着ながらえっちしたいです。制服えっち。その方がより放課後にえっちしている感じがするし。誕生日の日にえっちしたときは裸だったから、服を着ながらえっちしたらどんな感じなのか興味があって」
「なるほどな。千弦にそう言われると……制服を着ながらするのに興味出てくるな」
普段から見慣れている制服姿で千弦とえっちをする……ドキドキしてくるぞ。
「ふふっ。じゃあ、制服えっちしようか」
「ああ。明日と明後日に学校があるから、制服を汚さないように気をつけないと」
「そうだね」
「……そういえば、果穂さんは夕方まで帰ってこないって言っているけど、具体的な時刻はいつかって分かる?」
「午後5時くらいって言っていたよ」
「午後5時だな。じゃあ、その時刻に気をつけてしようか」
「うんっ。……しよっか」
「ああ」
俺達は抱きしめ合ってキスをした。
それからは、千弦のベッドで制服えっちをした。
千弦の誕生日の夜にしたときは全裸でそれも良かったけど、制服を着たままでしたり、胸など一部分だけ露出した状態でしたりするのもいいな。見慣れている制服姿なのもあって結構興奮する。家に帰ってから少し時間が経っているけど、千弦からは汗混じりの甘い匂いが濃く感じられて。
千弦も興奮しているのか、積極的になって体を激しく動かすときがある。あと、俺達以外に家に誰もいないからか、千弦は誕生日の夜にしたときよりも声が大きくて。それがとても可愛くて。
ただ、肌を重ねる中で体が熱くなって。なので、途中からはお互いに服を脱がし合って、全裸になって肌を重ねていった。
「今日も凄く気持ち良かったね、洋平君」
「そうだな、千弦。凄く気持ち良かった」
何度も肌を重ねた後、俺達は千弦のベッドの上で横になっている。千弦が俺の左腕を抱きしめている状態で。体を動かしたから暑いけど、千弦から伝わってくる温もりはとても心地いい。
ちなみに、今の時刻は午後4時45分。何度も肌を重ねたから、あっという間に時間が過ぎていったな。
「制服を着ながらえっちするのも良かったね」
「そうだな。見慣れている制服姿の千弦としたから興奮した」
「私も! いつも平日に見ている制服姿の洋平君とえっちしてるんだって興奮したよ。私も制服姿だし。裸でするのもいいけど、制服姿でするのもいいね」
「ああ。どっちにも良さがあるな」
「うんっ」
千弦はニコッと笑いながらそう返事した。
「あと……放課後だったのもあって、誕生日の夜にえっちしたときよりも、洋平君の匂いが濃く感じられたのも興奮したよ。汗混じりのいい匂いだったし」
依然として、千弦はニッコリとした笑顔でそう言ってくれる。以前、汗混じりの俺の匂いを好きな匂いだと言ってくれたっけ。興奮すると言うのは千弦らしさを感じる。
「そうか。嬉しいな。……俺もしているときに同じことを思ったよ。汗混じりの千弦の匂いが濃く感じられて興奮した」
「ふふっ、そっか。そう言ってくれて嬉しいよ」
千弦は嬉しそうに言い、「えへへっ」と声に出して笑った。
「……これからも、放課後のお家デートで、今みたいに家に2人きりのときはこうしてえっちしようか」
「ああ、そうしよう。あと、もうすぐ夏休みだから……夏休み中のお家デートで2人きりのときにも」
「そうだね! ……お母さんが帰ってくる時間も近いし、そろそろ服着ようか」
「ああ。それで、アニメを一緒に観よう」
「うんっ、そうしよう!」
その後、俺達は制服を着て、昨日の深夜に放送された2人とも観ているアニメを一緒に観る。お家デートでは初めてするえっちもとても良かったけど、定番になっているアニメ鑑賞もとても良かった。
今日のお家デートも千弦と一緒にとても楽しめた。