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改竄
粟島隆平
「いつまでシラを切るつもりだ、萩原っ。お前の悪事はすべてわかっているんだ」
萩原榮一
「っふ、なんのことやら」
粟島隆平
「あんたはハブに欠陥があるのを知っていた、だがリコールには莫大なコストがかかる。それを避けるためにあんたは数字を改竄し、不良を隠匿したんだ」
萩原榮一
「どこにその証拠が」
粟島隆平
「これを見ても同じことが言えるか?」
萩原榮一
「なに?」
栗島隆平
「会議の議事録だ。おい、萩原、会議の参加者にお前の名前があるぞ」
荻原榮一
「ふっ、そんな出処のわかんないパソコンの資料見せられてもなぁ……それこそ、改竄されてるかもしれない」
栗島隆平
「じゃあ、己の目で見てみろ。裏にあんたとこのシールが貼ってある」
荻原榮一
「いや、そんなことより萩が荻に粟が栗に改竄されてるぞっ!!」




