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飾り言葉
社員食堂にて
粕屋鷹介
「で、気になる子とはあれから進展あったのかよ」
加川健彦
「うん。あれからいろいろしゃべる仲になって、最近では面白い人だね、いわれるようになったんだよ。これって脈アリだよね」
粕屋鷹介
「はぁ、そんな飾り言葉に騙されるなんてお前もまだまだ甘ちゃんだな」
加川健彦
「飾り言葉?」
粕屋鷹介
「女のいう可愛いだの、優しいだの、面白いだのって言葉はパックの刺身の食用菊みたいなもんでいてもいなくても同じなんだ」
加川健彦
「そうだったんだ」
粕屋鷹介
「百舌鳥の《鳥》みたいなもんであってないようなもんなんだよ」
砂川万穂
「へぇ、百舌鳥ってそう書くんだ。すごーい、知らなかった。さすが粕屋くんだね」
粕屋鷹介
「え、あ、そ、そうかなぁ」




