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アナタがバナナの世界線
佐中理久
「おい、荷物まとめてどこ行くんだよ」
佐中愛加
「田舎に帰るんです。もうバナナにはついていけません」
佐中理久
「なんだよ、急に」
佐中愛加
「急? バナナは急かと思うかもしれないけど、私はずっと考えていました」
佐中理久
「どうして」
佐中愛加
「バナナは変わってしまった。昔のバナナは優しかったのに、今のバナナは冷たいわ。バナナが変わらない限りもう無理ね」
佐中理久
「ごめん、ちゃんと変わるから。赦してくれ、俺にはお前しかいないんだっ」
佐中愛加
「バナナ……でも、取り敢えず帰るわ」
佐中理久
「そうか。てか、田舎どこだっけ」
佐中愛加
「パナマ……」




