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死人に口あり
甘崎警部
「殺しか」
三國巡査
「はい。被害者の名前は常田明彦、35歳。料理研究家だったそうです。死因は腹部を刺されたことによる失血死。ただ一つ謎が」
甘崎警部
「どうした」
三國巡査
「被害者の口の中に魚が残ってました」
甘崎警部
「食べてるところを襲われたんだろ。何の不思議もない」
三國巡査
「いえ、鑑識によると魚は被害者が死んだあとに食べたそうで……」
甘崎警部
「ほう、どれどれ。なんだ、柳葉魚じゃねぇか。それなら何の問題もないな」
三國巡査
「へ?」
甘崎警部
「ほら、死者モ゙食うってな」




