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極紅彩宝石箱  作者: 泉柳ミカサ
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山梨健の災難

俺の名前は山梨(やまなし)(けん)


この名前のせいで、散々遊ばれてきた。まったく、親のネーミングセンスを疑う。


荒川

「名前、山梨健っていうんだ。出身は山梨県?笑」


そうだったら、どれほど良かっただろうか。

俺は首を横に振る。


荒川

「じゃあ、静岡とか、長野とか?」


そんな近いわけがない。

俺は首を横に振る。


荒川

「もしかして、青森とか、沖縄とか?」


随分、甘く見られたもんだ。

俺は首を横に振る。


荒川

「もはや県じゃなく、北海道や京都とか?」


安心しろ、ちゃんと県だ。

俺は首を横に振る。


荒川

「あぁもう……じゃあ、どこなのよ」




山梨健

「河北省張家口市涿鹿県」


荒川

「中国っ?!」

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