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極紅彩宝石箱  作者: 泉柳ミカサ
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DM探偵 ー作られたDMー

松犬堂介

「犯人はあなたですね、根倉悠一さん」

根倉悠一

「なっ、何を証拠に……それに私にはアリバイがあるんだ。被害者が巻いていた腕時計は11時で止まっていたんだろ。そのとき俺は会議中だったんだぞ」

松犬堂介

「たしかに完璧なアリバイだ。本当に11時に殺されていたらね」

根倉悠一

「何がいいたい」

松犬堂介

「犯行はもっと前に行われていた。では何故、腕時計が11時で止まっていたのか。あなたも疑問に思っていたはずだ」

根倉悠一

「……」

松犬堂介

「あれは被害者が作った偽造。謂わば、ダイイングメッセージだったんですよ」

根倉悠一

「ダイイング、メッセージ?」

松犬堂介

「えぇ、被害者が死ぬ直前に11時に調整したんです。その証拠に竜頭部分に被害者の血痕が付いていた」

根倉悠一

「しかし、それがどうして俺のことだと」

松犬堂介

「まだ気づけませんか」




松犬堂介

「11時を漢字で書けば、十一時。(ねぐら)。あなたの名前になるんですよ」

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