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消えた糸
八坂探偵
「犯人はあなたですね、若村美子さん」
若村美子
「何を言いだすかと思えば、仮に私が犯人だとして凶器はどう説明するんです? 私が彼を絞殺したというのなら、その細長い凶器をどうやって消したんですか。何なら、もう一度、身体検査受けましょうか」
八坂探偵
「いいえ、それには及びません。それにしても若村、お美しいですね」
若村美子
「何の冗談です?」
八坂探偵
「いいえ、本気ですよ。今日は昨日にも増してお美しい。特に頬あたり……」
八坂探偵
「まさか、吊ってませんよね」




