474/944
肩たたき券
雷門寺虎彦
「パパ、これ」
雷門寺虎造
「なんだい、これは」
雷門寺虎彦
「肩たたき券っ、期限はないから、これでいつでもパパの肩叩いてあげる」
雷門寺虎造
「そうかいそうかい、いい息子だ。これで我社、雷門堂も安定だな。ハハハ」
二十年後
雷門寺虎彦
「何だよオヤジ、急に呼びつけて。俺も暇じゃねぇんだ」
雷門寺虎造
「そうだな、六本木でキャバクラ巡りが詰まってもんな。会社どころじゃないか」
雷門寺虎彦
「けっ、またその話か。それだけならもう出るぞ」
雷門寺虎造
「まぁ、待て」
雷門寺虎彦
「なんだよっ」
雷門寺虎造
「これ、まだ使えるんだろ。なんたって、無期限だもんな」
雷門寺虎彦
「ふっ、誰が今さらオヤジの肩なんか……」
雷門寺虎造
「いや、俺がお前の肩を叩くんだ」




