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カミングアウト 2
朽木新吾
「上井、お前も何か俺に伝えたいことがあるんだな。でも、ずっとそんな態度だと先生、何も言えないだろ。どうした、何があった」
上井充希
「……」
朽木新吾
「イジメられてんのか、それとも家庭内か」
上井充希
「……」
朽木新吾
「大丈夫だ。誰にも言わない、秘密は守るぞ」
上井充希
「……」
朽木新吾
「お前もだんまりか、告白があるって言ったのはお前だろ」
上井充希
「……」
朽木新吾
「おい、いい加減なにかいったらどうなんだ」
上井充希
「……夢があるんです」
朽木新吾
「夢?」
上井充希
「老人になってカジキ釣りたいんです」
朽木新吾
「いや、ヘミング上井っ」




