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極紅彩宝石箱  作者: 泉柳ミカサ
403/946

美しいもの

小松原雪羽

「たっくんの家、はじめてだね。楽しみ」

数原拓也

「そう? そんな広い部屋じゃないけど、寛いでね。そうそう、オイラの家、絶景が見えるんだよ」

小松原雪羽

「え、ホント? 満天の星空とか?」

数原拓也

「違う違う。そんなものより、もっとずっと美しいもの」

小松原雪羽

「へぇ、楽しみ」

数原拓也

「はい、着いた。どうぞ、ユキちゃん入って」

小松原雪羽

「おじゃましま~す。へぇー、意外と片付いて……え、」



《eiz=cos z+i sin z》


小松原雪羽

「なんこれ」

数原拓也

「なにこれって、オイラーの公式だよ。美しいだろ」


小松原雪羽

「わたし、帰るっ」

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