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冠者
居酒屋にて
染脇成也
「二十歳にして、もう七冠か。ダンチだな」
小暮正典
「あと王座だけだろ。秋にはそのタイトル戦あるから、それ獲ったら前人未踏の八冠。本当の王座だ」
染脇成也
「まったく、俺とはえらい違いだな。一つでもいいから、冠欲しいもんだ。このあと家に帰ったって、嫁に怒られるだけだぞ」
小暮正典
「おかんむりってか。やったじゃん、一冠だぜ」
染脇成也
「馬鹿いえ、それが一巻の終わりだ」
小暮正典
「さぁ、感想戦といこうか。まず、初手の《居酒屋にて》は悪手じゃないか？」
染脇成也
「いや、俺が考えるに……」
