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開けずの扉
僕の家には《開けずの扉》がある《開かずの扉》ではなく《開けずの扉》
それは僕が物心ついたときからあり、パパやママはいとも簡単に扉を開けて中へ入っていく。
しかし、パパもママも決してその扉を僕に開けさせてくれない。だから《開けずの扉》
中には何があるのだろうか。僕はそればかり考えている。
大人が好きなところなのか。それとも僕も楽しめる場所なのか。なら、なぜ僕は入っちゃいけないのだろう。謎だらけで、いっつも頭がこんがらがる。
だけど、ただ一つ知っていることがある。
その扉の手前の空間を《ゲンカン》というらしい。




