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間違い探し
彼女が死んだ日、カッコウが鳴いた。
早紀が飼っていたカッコウだ。
カッコウは自分で産んだ卯を平然と蹴落とす。托卵の一種である。
皮肉にも早紀も同じ境遇を辿っていた。早い話、親方に捨てられたのだ。
親戚にも盥回しにされ、この孤児院に引き取られた。まだ五才半のときだ。そんな折、このガッコウと出逢った。それから十五年、髄分と長い付き合いになった。
まさか、飼い主より長く生きるとは、早紀自身も思っていなかっただろう。
お前、また托卵したのか。
308話 《托卵》
間違いは5つ。あなたは見つけられる?




