308/945
いい夢
小笠原太一
「おはよう」
小笠原久美子
「おはよう。今日はえらくゆっくりなお目覚めね」
小笠原太一
「うーん。せっかくの非番だしね」
小笠原久美子
「それにしても、珍しいわ」
小笠原太一
「ひょっとしたら、いい夢見たせいかな」
小笠原久美子
「いい夢? どんな?」
小笠原太一
「うん。職場のみんなが解雇される夢」
小笠原久美子
「え、それのどこがいい夢なの?」
小笠原太一
「だってそうだろう。この世から火事がなくなって、俺ら消防士の必要がなくなったんだからさ」
小笠原久美子
「まさにfire manね」




