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極紅彩宝石箱  作者: 泉柳ミカサ
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明日、旅行にいこう!

付き合って三年目の夏。彼が急にそう言った。


何言ってるの。私が眉を八の字にしても、彼はハハハと笑う。ずるい人だ。


そんな屈託のない笑顔を見せられたら、何も言えないじゃん。


私は心中なんてお構いなしに、彼は淡々と話を進めていく。

どこのホテルに泊まるか、何泊するか、どの便でいくか。しまいにはどこのコンビニで朝食を調達するかまで……かなり具体的だ。


普段は呑気そのものなくせに、こういうときだけエラく生真面目だ。そういうとこが好き。


ある程度、プランが決まったところで、彼は消えた。


まただ。




妄想旅行の帰りは、いつも儚い。

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