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薄情者
駒川武史
「つくづく、俺って薄情者だな」
田辺里香
「何の話?」
駒川武史
「いやぁ、こないだ電車に乗ってたんだけど途中で杖ついた若い女の子が乗ってきたわけ。白杖ってやつ? 目の見えない人がするやつ」
田辺里香
「薄情、白杖……何か聞き覚えあるなぁ」
駒川武史
「気のせいだろ。でさ、その子乗ってきたとき俺席座ってたわけ。で」
田辺里香
「いや、やっぱ聞いたことある」
駒川武史
「だからないって、俺の話聞けよっ」
田辺里香
「いや、絶対絶対聞いた。神に誓ってもいい。命賭けてみる?笑」
駒川武史
「いや、白状します。四季彩宝石箱の35話です」




