119/944
ささいな願い
父ちゃん
「おい、七夕の願い事なにするか決まったか」
半太
「一応、こんな感じかな」
父ちゃん
「なんだよ、それ。そんな願い100パー叶うに決まってるだろ。もっと夢のある願いにしろよ」
半太
「でも、食べ物に困らないのは大事でしょ。それに恵まれた家庭だから、特に願いがないんだよ」
父ちゃん
「そうか。友達とかどうだ? 友達いっぱい出来ますようにって願いも悪くないと思うぜ」
半太
「でも、僕ら転勤族じゃん。出来ても、来年の今ごろ海の外だよ。それに僕たち自身が友達の象徴じゃん」
父ちゃん
「それでもおなかいっぱい笹食べたいって、どうせ明日大量の笹ロス出るんだから……」
半太
「これくらいが丁度いいんだよ、父ちゃん」




